小栗旬

 2020年12月に公開される映画『新解釈・三國志』。誰もが知る壮大な歴史物語をコメディータッチに描いたという斬新な作品だ。主人公・『劉備』役は大泉洋。ムロツヨシや佐藤二朗、橋本環奈らが脇を固める中、最大のサプライズとなったのが小栗旬の出演。

小栗さんが演じるのは劉備のライバル『曹操』。大泉さんやムロさん、佐藤さんなんかは“むしろコメディアン”なイメージの役者さんですが(笑)、小栗さんは、こんな本格的なコメディー映画に出るイメージがなかったので、先日のキャスト発表には驚きました」(映画ライター)

 撮影はコロナ前の昨年6月にクランクアップしているのだが、そんなコメディーの現場で、小栗はひとつの“ルール”を設定していたという。

「それが“撮影スケジュール厳守”“時間厳守”というルールなんです。どんなに撮影が押していても、小栗さんの出演シーンは予定終了時間きっかりで切り上げる、と。“時間を極力守ってほしい”と、出演オファーを受けるにあたって、小栗さんから制作サイドに要望があったそうで」(配給会社関係者)

小栗旬が進める“働き方改革”

 通常、ドラマや映画の撮影では「スケジュールはあってないようなもの」だという。

「予定どおり進むことはまずありません。トラブルはつきものだし、ロケなら“天気待ち”ということもある。その日の撮影スケジュールが5時間も6時間も遅れることも珍しくない。というのも、スタッフは翌日に撮影を持ち越したくないんです。次の日だって予定が詰まっていますから、撮り切れないと後々になって大変になるので。どんなに深夜にかかっても“予定シーンはその日に撮り切る”のが現場の暗黙のルールなんです」(制作スタッフ)

 小栗は、そうしたこれまでの常識を変えようとしている。

「小栗さんは“無理な撮影をずっと続けていたら俳優みんな壊れちゃう”“どんな無茶も許されるのはおかしいんじゃない?”と。そういう一般的なバランス感覚、問題意識を持っている。これは小栗さん流の働き方改革ですよ」(前出・配給会社関係者)

 2年ほど前、小栗は山田孝之、永山瑛太、勝地涼ら旧知の仲間に声をかけ“俳優の労働組合”結成に動いている、と報じられた。労働環境だけでなく、事務所との専属契約問題などを含めた待遇改善を「自分たちの手で交渉できるように」との思いからだ。

「でも、やっぱり難しくて思うように足並みがそろわなかったそうで……。それでも小栗さんは“できることからコツコツと”と、自分の現場からだけでも1歩ずつ始めていこうと考えているんですよ」(前出・配給会社関係者)

 主演が決まっている2022年の大河ドラマでも、この“小栗ルール”は徹底かな!?