唐沢寿明 撮影/高梨俊浩

 24時間の事件を1時間ずつ、1話で描いたアメリカの人気ドラマ『24』リメーク版に主演する唐沢寿明。オリジナル版放送から約20年を経ても変わらぬ作品への思いと、主役としての矜持とは――。

着信音も変えた極秘ミッション?

「(主演が)バレないために、(携帯の)着信音を変えていました」

 アメリカの人気ドラマ『24』をリメークした、連続ドラマ『24 JAPAN』(10月9日スタート、テレビ朝日系金曜午後11時15分~、※一部地域を除く)に主演する。

 1年前にリメーク版のニュースが報じられたときは、すでにオファーを受けて主演が決まっていたが、正式発表は今春に。気づかれないように、大ファンのオリジナル版が放送された2001年から『24』に登場する電話音を自分の携帯電話の着信に使っていたが、発表されるまでは別の着信に変えていた。

「(発表前に)俳優仲間から“唐沢さん、やるんでしょ?”と聞かれて、“おれは聞いていないけど”と、ごまかしていました」

 と明かす。

唐沢寿明 撮影/高梨俊浩

 キーファー・サザーランド扮するテロ対策ユニット(CTU)の捜査官ジャック・バウアーが、凶悪事件と闘う姿を描いたオリジナル版は、1日(24時間)の出来事を1時間ごと、1話ずつで描き、スピード感と緊張感を増幅させた画期的な手法で、世界的にヒットした。

 日本では深夜に放送されたが、ハマるファンが続出。唐沢もそのひとりだった。

「シーズン1から8まで何十回も見ていて、ストーリーも知っているのに見始めると続きが気になる。もう1話だけ、もう1話だけと思っているうちに、眠れなくなるんです。日本版でもハマってもらえる作品にしたいですね」

ジャック・バウアーは強面ではない!?

唐沢寿明 撮影/高梨俊浩

 日本版は、米国史上初のアフリカ系アメリカ人大統領が誕生するシーズン1を基に、日本初の女性総理誕生までを描く。唐沢演じる日本版ジャックの獅堂現馬(しどう・げんば)は、女性総理候補暗殺計画の阻止と、誘拐された娘を救出するためにぎりぎりの攻防を繰り広げる。

ジャックは強面、暴れん坊のイメージでとらえている人も多いと思うけど、普通の人が(苦境に)巻き込まれてルールを破らざるをえなくなる。現馬も家族を愛し、仕事にもまじめ、人の本質が見えるように演じたいと思います」

 テレビ朝日開局60周年記念の冠がつき、2クール放送(24回)の連ドラには、注目と期待も高まっている。

 

“現馬、24時間現場に出る”

 ジャックのキャッチフレーズは“24時間闘い続ける男”。日本版について唐沢は「現馬、24時間現場に出る」と即答、語呂合わせに大ウケ!

終活には早いけど……

 役者41年目の唐沢。今後について茶目っ気ある野望? を教えてくれた。

「死んだときにお別れ会をやって、1センチくらいのちっちゃい俺の遺影を飾るの。でも、みんな老眼だからよく見えない。表情とか見たいけど、見えないと見たくなるのが心情でしょ。そこで“その写真を引き伸ばした写真がこちらです”と案内され、実は全身の写真が飾ってある。全身写真だから(小さくしたら)顔の表情がわかるわけない。ネタバレしたら“ざまぁみろ”と俺のコメントが書いてある。それ、やってみたいね。写真は、どこかの俳優さんみたいに脚を長く加工してあるの(笑)」

「銃アクションにウソっぽさや不自然さを感じさせないようにしたい」と唐沢 (C)2020TwentiethCenturyFoxFilmCorporation.AllRightsReserved.

テレビ朝日開局60周年記念
連続ドラマ『24 JAPAN』

出演:唐沢寿明、仲間由紀恵、栗山千明、池内博之、桜田ひより、佐野史郎、筒井道隆、木村多江ほか