正体はHey!Say!JUMP?謎の8人グループ『HoneyBee』(YouTubeより)

 10月12日、You Tube上に突如として3つの謎のボーイズグループのチャンネルが開設された。

 その名前はそれぞれ「Honey Bee」「Sindibaad」「John Darling」という。3グループはチャンネル開設と同時にミュージックビデオのショートバージョンも公開した。

頭文字をつなげると、Hey!Say!JUMP

 Honey Beeが歌う『狼青年』は、人気ロックバンド「女王蜂」のアヴちゃんプロデュースの楽曲に、アーティストグループ「東京ゲゲゲイ」のMARIE振付の、キレキレのダンスパフォーマンスを見せるMVだ。メンバーたちは全員、真っ赤なパーカーのフードを目深にかぶって登場し、最後までその顔は一切、見られない。

 Shindibaadの『千夜一夜』は、デビュー曲『夜に駆ける』でブレイクした音楽ユニット、「YOASOBI」のAyaseが作詞作曲した曲で、MVは全編アラビアンナイトをモチーフにした不思議な雰囲気のアニメ。

 そしてJohn Darlingの『ナイモノネダリ』は、人気ロックバンド「Wacci」の橋口洋平の手による、ピーターパンのウエンディの結婚前夜を歌った曲で、MVは女優の奈緒主演のストーリー仕立てのものとなっている。

「この3つのグループは、何の告知もないまま完全サプライズとして同時に登場しました。しかしHoney Beeで登場した8人という人数、複数の小柄なメンバーのシルエット、特徴的な歌声、そして、3つのグループの頭文字をつなげると、『HSJ』となることから、その正体はHey! Say! JUMPではないかと、一気に話題になりました」

 と、あるテレビ誌記者は言う。現時点ではYouTubeでのMV公開以外の動きはなく、ジャニーズ事務所側からのアナウンスもない。あくまでも、ファンの想像の中でHey! Say! JUMPの新プロジェクトではないか、と言われている状態だ。

「ただの覆面ユニットというだけでなく、3つ同時に、それぞれが、誰もが知っているような売れ線のクリエーターではなく、今キテる個性的なクリエーターが手がけているのも特筆すべきところ。これは、ほかのグループのファンにとっても驚きは大きかったようで、『JUMP 羨ましい』というワードがトレンド入りしました(笑)」(前出テレビ誌記者)

本当にJUMPだったら革新的

 ジャニーズでは、別名義としての活動を行うことが伝統的に行われている。

 たとえばSMAPの「音松くん」や関ジャニ∞の「エイトレンジャー」、堂本剛と国分太一の映画『ファンタスティポ』の役名からきた「トラジ・ハイジ」、ドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)の主題歌で誕生した、亀梨和也と山下智久による「修二と彰」、Kis-My-Ft2の横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永の「舞祭組」などが有名だ。

「関ジャニはコンサートの企画がもとだったり、舞祭組は中居くんが誕生させたユニットですが、これら別名義ユニットの多くはテレビ番組や映画・ドラマなどに連動したものですね。ドラマ『必殺仕事人2009』(テレビ朝日系)の『The SHIGOTONIN』(東山紀之、松岡昌宏、大倉忠義)、香取慎吾と山下智久がドラマ『MONSTERS』(TBS系)で主題歌を歌ったときのユニット『THE MONSTERS』、亀梨と山下の『亀と山P』もあります。東山と森田剛、そして俳優の須賀健太で『愛しのナポリタン』という曲を歌った、『トリオ・ザ・シャキーン』というユニットもありました」(芸能ジャーナリスト)

 まだまだある。三宅健と滝沢秀明のデュオ「KEN☆Tackey」や、森田剛と子供たちによる「GOタリモ&ミニカレー」、カップうどん「赤いきつね」と「緑のたぬき」のCMのために結成された、武田鉄矢、長野博、増田貴久、風間俊介、八乙女光の5人による「TU→YU」というものも存在した。前出のジャーナリストが続ける。

「今回の覆面ユニットも、最終的にタイアップがあるのかもしれませんが、現時点でファンによるSNSでの拡散のみの、完全な“口コミ”プロモーションだけです。もしこれが本当にHey! Say! JUMPだとしたら、ネットの活用に消極的だったジャニーズとしては、相当、革新的なものではないでしょうか」

 Hey! Say! JUMPがその正体だと仮定した場合、彼らは以前も覆面グループで活動した経験がある。

 映画『暗殺教室』シリーズの主題歌を担当した、「せんせーションズ」というユニットだ。これはあくまでも“Hey! Say! JUMPによく似たグループ”ということで、最初から全員顔出しでの活動。過去にSMAPがやった『音松くん』や関ジャニ∞の『エイトレンジャー』に近い企画モノだったが、今回は、「せんせーションズ」とは全く意味合いが違うと前出の記者は言う。

「気鋭の作家陣のチョイスもそうですが、JUMPの大きな武器のひとつである“顔面”を完全に封印したところに、何かの自信がうかがえます。特にキレのあるダンスパフォーマンスを披露している『狼青年』に、顔も名前も隠し、ダンスを純粋に見てほしいという思いも込められている気がします」

 果たして、彼らは本当にHey!Say!JUMPなのだろうか。これだけファンが盛り上がったものの、Hey!Say!JUMPに似ているだけで、全く違う人たちだったら、それはそれで話題を集めそうだ。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉