(左から)鈴木亮平、玉木宏、榮倉奈々、水川あさみ

 健康に及ぼす影響は度外視! 役になりきるために、短期間でやせたり、急激に太ったり……。ストイックに身体を作り込んだ俳優たちの究極の「役作り」道をどうぞ。

ストイックに役作りをする芸能人たち

 現在放送中の『極主夫道』(日テレ系)で主演を務めるのは、ストイックな役作りで有名な玉木宏(40)だ。以前、彼は映画で整形をして別人になったテロリスト役を演じたとき、とあるメディアのインタビューでこう答えている。

《(整形すると)自分の表情が上手く使えないんじゃないかなと思い、どうにかその違和感を表現できないかなと。撮影直前に顔に鍼を50本くらい打ってもらった

 と告白。故・松田優作さんを彷彿させる役者魂の持ち主だ。『極主夫道』で玉木が演じるのは、裏社会に数々の伝説を残した最凶のヤクザだが、

「極道から足を洗い、コワモテなのにかわいい“専業主夫”になるという何とも難しい役柄です」(テレビ誌ライター)

 さらに、本作は漫画原作。「俳優の役作りには“監督の要望に応える”“役者が自分なりにイメージを膨らます”などがありますが、もっとも大変なのが漫画原作のドラマや映画。キャラの絵があるため、ビジュアルをそれに似せる必要があります。そうしないと、原作ファンが納得しませんから」(映像制作スタッフ)

 玉木の演じるキャラクターがシャープな体形だったため、

トレーニングをしながら1日で卵の白身10個分と黄身1個分を食べていたそうです」(同・映像制作スタッフ)

 おかげで、体重は6Kg減り、体脂肪率は驚異の5・1%になったというが、

「卵の白身だけを多くとり、黄身は控えるのは、ダイエットの理にかなった方法ですね」

 答えるのは、ダイエット・エキスパートの和田清香さん。

「白身はタンパク質が豊富なので、トレーニングで鍛えた分だけ筋肉がつきます。黄身には脂肪やコレステロールが多いので、少なくすれば減量につながります。玉木さんがイメージする“ナイフのように鋭い身体”には必要な食事制限だったのでしょう」

 彼は体脂肪が1ケタ台になると、4日に1日ほど“チートデイ”を設けて、焼き肉と白米を食べていたというが、

「お楽しみの日を作ると“そこまで頑張ればいい”というゴールが見えるのでモチベーションが続くもの。ストレス解消にもなりますね」

 と、和田さんは太鼓判を押すが、心配な点も。

体脂肪率5・1%はアスリート並みの数字で、低すぎると免疫力が低下します。“オリンピック選手は風邪をひきやすい”と言われるのは、これが原因のひとつですから」(和田さん)

 コロナ禍なんてどこ吹く風。玉木は極“役作り”に邁進しているようだ。

体重増減で女優魂を見せつける

 女優陣の役作りも負けていない。榮倉奈々(32)は映画『糸』出演のために、1週間で7Kg減量という驚異的なダイエットを実践したという。

「菅田将暉さんが演じる主人公の妻で、若くして病気で帰らぬ人になってしまう役。そのため、過酷な減量を行ったそうです」(前出・テレビ誌ライター)

 トレーニングで筋肉をつけた後に食事制限をして、1日に多いときは12リットルの水を飲んだという。前出の和田さんは、

「確かに適量の水を飲むことは、リンパの流れがよくなりやせやすい身体になります。お腹も満たされるので、食べすぎ防止にもなるでしょう」

 ただし、必要以上に水分をとり続けると身体に水が滞る“水毒”に陥る可能性も。疲れがとれなくなったり、冷えなどから身体の代謝が悪くなって逆にやせづらい身体になったりすることもある。

「榮倉さんの場合は“撮影中だけやせる”という目的でたくさんの水を飲んでいます。短期間であれば、減量できて、身体への影響も少ないと考えられます」(和田さん)

 減量中は医師の指導を受けていて、榮倉本人も“(一般の方は)絶対にまねしないでください”と警告するほどの危険なダイエット法なのだ。

 一方、役のために“肥えた”のが水川あさみ(37)。映画『喜劇愛妻物語』で濱田岳の妻を演じる際、

いつまでたっても売れる気配のないダメ夫を常に口汚く罵倒する役。脚本に“大きな背中”とあったことから、水川さん本人が太ることを決意したそうです」(前出・テレビ誌ライター)

 水川は毎食後にタピオカドリンクを飲んでいたというが、

「そりゃ太るよねという感じ(笑)。あの甘さですから糖分はたっぷりですし、タピオカ自体にも砂糖が練り込んであるものもあります」(前出・和田さん、以下同)

 タピオカの原材料は、でんぷん=糖質。さらに、香川県での撮影中はうどんをよく食べて役作りに徹底した。

「真っ白な小麦粉から作るうどんも糖質の固まり。太るための食べ物をしっかり食べていますね」

 全国で順次公開中の本作。シーンによっては二重あごにも見える水川の役者魂をスクリーンで見届けてほしい。

伝説の体重増量・鈴木亮平

 体重増量の役作りにおいて、伝説を残したのが鈴木亮平(37)だ。10数Kgの体重増減は当たり前のようにこなす彼が、漫画原作の'15年公開の映画『俺物語!!』で挑んだのが体重30Kg増量だった。

映画『俺物語!!』体重30Kg増量に挑んだ鈴木亮平

「主人公は厳つい顔と屈強な肉体を持つ心優しき男子高校生。すでに30歳を過ぎていた鈴木さんが演じること自体、かなりのハードルの高さですよね(笑)」(前出・テレビ誌ライター、以下同)

 しかもその前に撮影していたドラマの役作りで20Kgやせたあと、本作の撮影に入ったという。このムチャぶりに彼はどう応えたのか。

1日8食のペースでご飯を食べ続け、筋トレしつつ、さらに菓子パンもひたすらお腹に詰め込んだとか。40日間で30Kg増量させたそうです

 鈴木は“無理やりやせていたからこそ、リバウンドで一気に太れた”と言うが、前出の和田さんもこう話す。

「短期間でやせると、短期間で体重は戻り、逆に太ってしまうと思ってください!」

 役作りでないダイエットなら、1か月1Kgを目安に──。