ハロウィンに渋谷でゾンビとポーズの容疑者(本人インスタグラムより)

「ヒデちん(容疑者)は誠実で優しいお兄ちゃんタイプだったので、まさかあんな事件を起こすなんて……」

 信じられないといった様子で語るのは、バンドマンだった容疑者の地元・福島県の女友達であるA子さんだ。

 中川飛出展(ひでのぶ)容疑者(39)は今年3月、当時17歳の少女に「JKビジネス」(女子高生との密着を売りにしたサービス)の採用面接を装って自宅に誘い出し、性交をしたうえ、その様子を撮影。11月4日に児童買春、児童ポルノ製造などの容疑で逮捕された。

「『JK見学』という架空の店舗関係者だと嘘をつき、SNSを通じて少女に求人を送っていました。自宅アパートでは“店で働くには、性行為をしなければならない”と話していた」(テレビ局関係者)

 取り調べでは「パパ活のニュースを見て、自分も若い子に会いたかった。20~30人の子と性行為をした」と容疑を認めている。

 福島県で生まれ育った容疑者は16年ほど前、バンド活動のため上京。金、ピンク、オレンジなど派手に染めた髪が印象的で、書店やラブホテルなどでアルバイトをしながら、ドラマーとしていくつものバンドを転々としてきた。

福島にいたころは健全に活動していた

「上京のきっかけとなった、福島県出身の3人組ロックバンド『monokuro』(’11年解散)は、インディーズでも知られた存在でした。酒を飲んでばかりで練習をしない中川は、メンバーの足を引っ張っていましたね」(音楽ライター)

 最近は『C』(仮名)というバンドに所属していた容疑者だが、逮捕により脱退。その後、活動再開は難しいとして、『C』の解散も発表された。

解散を発表する容疑者が所属していたバンド

 だらしないイメージの容疑者だが、昔から女性関係も乱れていたのだろうか。容疑者と20年近い付き合いだという冒頭のA子さんは、意外な過去の様子を教えてくれた。

女性関係のトラブルは一切聞いたことがありません。『monokuro』ではメンバー間のルールでファンの女性と肉体関係を持つことを禁止していて、しっかり守っていましたね。彼女がいるというのも、聞いたことがなかったです」

 こんなエピソードも。

「終電を逃して帰れなくなったときにヒデちんの家に泊めてもらったことがありますが、手を出されることは一切なかったです。逆にライブ疲れで先に寝てしまうほど、音楽一筋でしたね」

酒量が増えると同時に女性関係も奔放に

 当時A子さんは20歳前後、容疑者も20代前半だったが、男女の過ちは起きなかった。

 ライブ後の打ち上げでも女性陣とはあまり話さず奥手だったというが、何が容疑者を豹変させてしまったのか。

「16年ほど前、田舎では売れっ子だった『monokuro』のメンバーが、次々と上京していきました。東京では30人くらいの固定客もついていましたね。その後、ヒデちんは酒の頻度が増えて、テキーラの大瓶をひと晩に3本あけることもあったそうです」(A子さん)

 酒の量が増えると同時に、女性関係も奔放になり……。

 犯行現場となった杉並区の高円寺にあるアパートの近隣住民は、容疑者が女性を自宅に招き入れる現場をたびたび、目撃していた。

犯行現場となった高円寺の自宅。築48年で家賃は4万円ほどだった

「逮捕される1週間くらい前にも、若い女性を家に連れ込んでいましたね。夜の8時くらいでした。“お邪魔します”という声が聞こえたので、初めて来たのでしょう。以前からよく、夜中に別の女性を招いては、ゲームをして騒いでいましたね」

 全員が少女ではないにせよ、上京して女性関係が派手になったのは確かなようだ。

 取材を続けると、ある女性から容疑者の女癖の悪さを裏づける証言が得られた。

 数年前、スマホの出会い系アプリを通じて容疑者と知り合ったという女性B子さんが打ち明ける。

「彼のほうから接触してきて、お互い音楽が好きというところから意気投合しました。毎日のように連絡をとっていて、彼の家にも泊まりにいきました。そこで身体の関係をもつようになって……」

 当時20代前半というB子さん。交際していたわけではないそうだが、ひと回り以上も年上で優しい人柄の容疑者に好意を寄せていたという。

肉体関係をもつと容疑者の態度が急変

 しかし、肉体関係をもったことで、容疑者の態度が突然変わってしまう。

2、3回くらい身体の関係をもったあと突然、連絡がとれなくなってしまったんです。後々になって携帯電話を止められていたと言い訳をされましたが、ほかに女がいるんだろうなと思いました。その後、私もほかの男性とお付き合いすることになり、会うことはなくなりました」

 ひと呼吸おいたあと、B子さんは少し寂しそうに、

「ただ身体の関係をもちたかっただけなのかもしれませんね。女の子が好きで、チャラチャラしていましたから。女性慣れもしていました」

 今回の犯行現場にもなった和室6畳の部屋は、本やゲーム、服などが散乱し、とても狭く感じたという。

 かつてファンの女性にも手を出さなかった容疑者は、アプリで知り合った女性をヤリ捨てにしSNSで女子高生を騙し、わいせつ行為に及ぶなど、堕落の一途をたどっていった。

SNSには昼間から酒を飲む様子が頻繁に投稿されていた(本人フェイスブックより)

 なぜ中川容疑者は今回のような事件を起こしてしまったのか。福島にある実家の父親を訪ねると、憔悴した様子で、

「私にも何もわからないんです……。昨年末に帰省したとき会いましたが、変わったところはありませんでした」

 卑劣な手段で少女淫行に及んだ容疑者。長年バンドマンとして活動してきたが、音楽ではなく犯罪者として“全国デビュー”してしまった。