12月3日、都内で行われた謝罪会見で苦しそうな顔をうかべる渡部建

 なんともモヤモヤ感が残る会見だった。

 お笑いコンビのアンジャッシュ・渡部建(48)が複数の女性との不倫関係を報じられ、“雲隠れ”してから実に176日ぶりに公の場に姿を現した。

 新型コロナウイルスが感染拡大する中、囲み取材という形で行われた会見は100分に及んだが、渡部の口から語られた反省と謝罪の言葉は視聴者にどう届いたのだろう。

なぜかモヤモヤする理由は?

まず、この会見がなんの会見なのか、ということです。そもそも先月11月20日には、大みそかに日本テレビ系で放送される『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の“絶対に笑ってはいけない”シリーズに出演することが、スポーツ紙に報じられたことを受けての“復帰会見”ならわかりやすい。

 でも渡部はあくまでも“謝罪会見”であって復帰は白紙と強調するわけです。じゃあ、なぜ今このタイミングで会見をするのか、復帰ではないなら仕事は再開してないのか?という肝心なことには『私の口からは何も言えません』を繰り返すばかりの堂々巡りでした」(スポーツ紙記者)

 妻の佐々木希(32)に対しては「改めて謝罪して、本当に生まれ変わった自分を見届けてほしいという思いを伝えたい」「家族と向き合って何事にも誠実に思いやりを持って、信頼を回復したい」と話した。

 SNSなどでは「涙ぐんで必死に謝っている様子をみても、なぜか心に響かない」という声の一方、「まるで犯罪者みたいな扱い。これはいじめか、公開処刑を見ているようだ」「多目的トイレで性行為に及んだという事実は許されないが、不倫したということで、ここまで追い詰めるのはいかがなものか」と、渡部に同情する声も見られた。

“多目的トイレ”という言葉が出るたびに視聴者の不快感、嫌悪感が喚起され、結果的には渡部の復帰が遠のいた感は否めません。具体的な復帰については言えない事情があるとしても『私一人では決められない』『私の口からは言えない』といった責任転嫁するような言い回しで準備不足を露呈していました。また彼のプライドを捨てきれない部分が見え隠れし、考えの甘さが浮き彫りになってしまった」(芸能ジャーナリスト)

 渡部のスキャンダル後もサポートを惜しまない相方の児嶋一哉(48)は「アンジャッシュ」の解散は考えず「何があっても俺は味方だ」と、今後も相方として支えていくという。

「これまで渡部はグルメや高校野球などほかのジャンルで付加価値をつけた芸人としてのし上がってきましたが、そうした付加価値も好感度があって初めて価値がでるもの。代わりはいくらでもいるというのが芸能界です。児嶋や佐々木の存在に甘えていては、復帰どころか人としてやり直すきっかけすら逃しかねません」(同前)

 「また一からやり直したい」という言葉が本当なら、この会見でも多くのものを学んだのではないだろうか。