近藤真彦

 自らの不倫騒動でトホホなアニバーサリーになってしまったマッチ。でも、いろいろな“やんちゃ”をしてきた彼の人生、こんなことでは終わらない!?

 '79年に放送されたドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)で共演した田原俊彦、野村義男との『たのきんトリオ』で、瞬く間にトップアイドルへと駆け上がった“マッチ”こと近藤真彦(56)。'80年12月に『スニーカーぶる~す』でソロ歌手デビューを飾った彼は、今年デビュー40周年を迎えた。そんな芸能生活を飾るアニバーサリーに、大々的なツアーも予定されていたが、新型コロナの流行により延期に。そこに追い打ちをかけるように、思わぬスキャンダルが──

40周年も残念なアニバーサリー

 25歳年下の女性社長との5年に及ぶ不倫が報じられ、所属するジャニーズ事務所は11月17日の未明、マッチの無期限謹慎処分を発表したのだ。

 まさに「泣きっ面に蜂」のマッチだが、振り返ってみると彼の歴史は数々の“ギンギラギン”なやんちゃ伝説に彩られてきた。

「天下の美空ひばりと歌番組で共演。リハに臨んだ私服姿のひばりさんを見て本人と気がつかず“おばちゃん、(歌が)上手だね”と発言。お付きの人やスタッフをア然とさせたひと幕は、今や芸能界の語り草ですね」

 と話してくれたのは長年マッチを見てきた芸能ジャーナリストの佐々木博之さん。

 事務所の合宿所では自分の服などにサインペンで名前を書いていたのだが、先輩の服の名前の上に太字で“マッチ”と書き、自分のものにしてしまったことも。ちなみにその先輩とは川崎麻世だったと、“よっちゃん”こと野村義男が目撃している。

 そのやんちゃぶりは、当時人気を誇っていたお笑いコンビ『あのねのね』に対しても容赦はしなかった。

 歌番組『ヤンヤン歌うスタジオ』(テレビ東京系)では司会を務める『あのねのね』の楽屋と自分の楽屋の壁の上部があいていて、つながっていたことをいいことに、雑巾やみかんの皮、さらには、ざるそばまで投げ込む始末。先輩にもおかまいなしの大胆さはまさに、破天荒──。

 しかも、そのスタイルは舞台やドラマの現場でも変わらなかった。

マッチ、坂上忍を“平手打ち”

「大阪の舞台公演に気乗りしなかったマッチ。1か月あまり宿泊するはずのホテルに“ビリヤード台を入れてくれたら大阪に行く”とごねて入れさせたことがありました。

 '85年に主演したドラマ『ニッポン親不孝物語』(日本テレビ系)では、弟役だった坂上忍を本気で平手打ち。謝ろうとしない近藤にキレた坂上が、撮影現場から帰ったなんてことも。マッチは武勇伝に事欠きません」(テレビ局プロデューサー)

 あげくの果てには自ら“ジャニーズのやんちゃ担当”を名乗り、少年隊・東山から「(後輩の)あの子にビシッと言ってくれませんか」と相談されるも「自分もやんちゃだったから“マッチさんも”と言われちゃう」という理由から後輩を注意できなかったと今年の6月、番組『さんまのまんま35周年SP』(フジテレビ系)に出演した際、MCの明石家さんまにぶっちゃけていた。

 やがてマッチはカーレーサーとしてもデビュー。フランスのル・マン24時間レース、さらに全日本F3000選手権(フォーミュラ・ニッポン)など日本の最高峰のカテゴリーにも挑戦。レーサーを引退後はオーナー兼監督としてレースに情熱を燃やし、チームは“監督不在”ながらも先月29日に行われたスーパーGT300のシーズン最終戦を2位でフィニッシュ。チームランキング首位のまま、初のタイトルを獲得した。

'94年にフランスの『ル・マン24時間レース』に参戦を表明したときのマッチ

 こんなうれしいニュースの裏では活動自粛の処分を受け、12月2日に出演するはずだった歌番組『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)への出演や12月11日、12日に予定していた40周年ツアーの最終公演も取りやめとなった。

 こうした事務所の判断を芸能レポーターの石川敏男さんはこう分析する。

以前のジャニーズなら、マッチを溺愛していたメリー喜多川ジャニーズ名誉会長が“あんたしてないわよね”“してません”で終わっていたはず。ところがジャニーズも代替わりをしている最中。ラジオ番組2本とCM1本しか出ていないにもかかわらず年間3000万円超えと言われる年収をもらい、芸能活動そっちのけでレースやトライアスロンにかまけているマッチの存在は、後輩からみたら明らかに浮いて見えます。

 また今回の報道はマッチの身近からリークされたもの。マッチはまさに“裸の王様”状態。このままいったら、ジャニーズを退所したうえで芸能界引退。夫婦関係にもヒビが入るおそれがあります」

 しかしその一方で、事態はそこまで深刻ではないと見るのが、前出の佐々木さん。

マッチの復帰はいつごろか?

「母親を亡くしているマッチにとってメリーさんは母親のような存在。メリーさんがマッチの処分を許可せず、謝罪コメントも出さないのではないかとみられていましたが、ジャニーズ事務所は“マッチだからといって特別扱いはしない”と断固たる姿勢を見せました。だからといって、今回の処分がマッチの退所や芸能界引退に結びつく可能性は低いと思います

 その理由は明快と、佐々木さんはマッチが辞めない理由をこう続ける。

「彼が活動を自粛しても事務所の売り上げにそれほど影響はないでしょう。ペナルティーで年棒を下げられても、給料は入ってくるので、本人から辞めると言い出すことは考えられません。また、ジャニーズ事務所の関連会社の株の配当金も入ってきますし」

 さらに自動車レースの活動も自粛すると発表したが、

「マッチがレースにつぎ込むお金を自分の懐から持ち出していたのは初期のころ。今ではマッチ自身がスポンサーを集め、自分の個人事務所と契約を交わしています。また、スポンサーがチーム監督のプライベートな問題でとやかく言ったりしません。監督としての仕事も自粛するようですが、痛くもかゆくもないとまでは言いませんが、ちょっとかゆいだけでしょう」

 と断言。さらにファン離れを心配する声にも、

「マッチのファンは同じ年代か、少し下の世代。この年代はスターの浮気や不倫に寛容。離れていくファンはいないでしょう」

 そして彼の復帰について、石川さんとは真逆の予想を。

マッチはジャニーズの長老であり、ご隠居さん的な存在。若手は事務所の大先輩に憧れはしても、不満を持つとは思えない。もし不満があっても言えるような空気にはならないでしょう。そういった意味でも、マッチは特別な存在なのかもしれませんね。来年早々に復帰してもおかしくないと思います

 なぜマッチは“ジャニーズの長男”として、自由気ままに振る舞ってこられたのか。

「郷ひろみが1975年に退所してからジャニーズはしばらく冬の時代を迎え、そのピンチを救ったのが、たのきんトリオ。その中でもマッチに対するメリーさんの可愛がり方は尋常ではなく“ジャニーズの現社長でもある藤島ジュリー景子さんの旦那はマッチしかいない”と当時、公言していました」(石川さん)

 デビュー40周年の記念すべき年に降って湧いてしまった“愚か者不倫”騒動。事務所からは“ケジメなさい”とお灸を据えられたけど、“ジャニーズの長男”として恥じない姿で戻ってきてほしい!

大先輩・森光子さんにも可愛がられていたマッチ。森さんの葬儀では「ジャニーズのお母さんでした」と弔辞を

(取材・文/KAPPO INLET GROOVE)