ヘンリー王子とメーガン妃(インスタグラムより)

 ロイヤルファミリーを抜けてから、さまざまな話題をふりまいてきたサセックス侯爵夫人。今年はさらに、自由奔放な活動ぶりになりそうだ。

王室を脱退して1年……

もはやイギリス本国で、ヘンリー王子は裏切り者扱い。王室引退を主導したメーガン妃も、もちろんです

 と話すのは、海外ニュースサイト『テックインサイト』編集長でイギリス王室に詳しい村上あいさん。

 チャールズ皇太子(72)とダイアナ元妃(享年36)の次男・ヘンリー王子は2018年に、アメリカの女優でバツイチのメーガン・マークルと結婚。しかし、2年もたたない昨年1月に夫妻は王室離脱を発表し大きな波紋を呼んだ。

 3月の公務を最後に“引退”をして、カナダでの生活の後、アメリカのカリフォルニア州に移ったが、祖国を裏切ったとは穏やかではない。

「イギリス王室のドロドロ劇を脚色したドラマ『ザ・クラウン』を配信するネットフリックスと昨年9月に約155億円と言われる額で契約したからです。ひどい描き方で、イギリス人の評判はよくありません」(村上さん)

 昨年11月から始まったシーズン4では、故・ダイアナ妃とチャールズ皇太子・カミラ現夫人(73)の泥沼不倫劇や三角関係を過激に描いていて、元妃の人格が崩壊していく生々しいストーリー。

「幼かったヘンリー王子は、愛してやまなかった母親・ダイアナ妃のそのようすを見ていて、どれほど傷ついたか計り知れない。

 そんなドラマを制作しているネットフリックスと契約したので、イギリス国民は“母親を金で売った”と言っているほど、許しがたいことなのです」(同)

 結婚直後から金遣いに批判が集まったメーガン妃なので、“セレブ生活”を維持するためには、ビジネス上の野心はもちろんあるはず王室を離脱してからすでに400億円の収入があったとされている。

 昨年は、ヴィーガン食品を作る食品会社に投資を行ったことも話題になり、年末には音楽配信サービス会社のスポティファイと50億円とも報じられた契約を。

 スポティファイのポッドキャストと呼ばれる配信で、年明けには長男・アーチーくん(1)の生声を初めて公開。

 このまま、女優復帰や歌手デビューという野心を持っているのだろうか

暴露本に情報提供!?

「それはないですよ。メーガン妃はよく言ってもB級の女優。視聴者が女優として復活することは望んでいませんし、メーガン妃も、自分の実力をわかっているはずです」

 そう説明するのは、イギリス王室に詳しいテレビプロデューサーのデーブ・スペクターさん。

「ネットフリックスとしては、ひとつのコンテンツとして夫妻と契約したのではないでしょうか。

 年に数回、ヘンリー王子夫妻へのインタビューをするとか、逆にメーガン妃がMCとして大物をインタビューするとか、プロデューサーとしてドキュメンタリーを制作することなど考えているかもしれません」(デーブさん)

 アーチーくんの写真を撮影したパパラッチをプライバシー侵害で訴える一方で、悲しい体験も告白したメーガン妃。

「第2子を流産して手記を発表しました。アメリカではセレブたちから同情を集めたのですが、イギリスでは第1子の出産のときもお披露目のときも、さんざんプライバシーの保護を訴えていたのに、今さら何をと酷評されました。

 さらに、実はイギリス王室についての暴露本にヘンリー夫妻が情報を提供していたことが明らかになった後だったので、その批判を抑えるための告白だったとも言われています」(村上さん)

 そんなメディア戦略の誤りもあってか、

「当初はイギリスほど辛辣ではなかったアメリカのメディアも、夫妻に対して距離を置くようになりました」(デーブさん)

 となると自ら発信、発表を行う必要も出てきたのか、講演会を取り仕切る代理店とも契約して、自伝を出すなどという話も。

 昨年から王室側やメーガン妃側に立った暴露本が出版され話題になったが、妃自ら内幕を公表する野心はあるのだろうか。

「少なくとも、今年3月まではしないでしょう。夫の実家をおとしめるようなことをすれば、ますますバッシングが強まります。王室の後ろ盾がなくなれば、メーガン妃の活動がしにくくなります」(デーブさん)

 王室を離脱した夫妻だが実は現在、猶予期間中で今年3月にエリザベス女王(94)が改めてレビュー(再検討)をすることになっている。

夫妻の今後はどうなる?

 実はヘンリー王子は、“引退猶予”の延長を望んでいると、在英のジャーナリスト。

「今年はエリザベス女王が4月21日に95歳、フィリップ殿下が6月10日に100歳、故・ダイアナ元妃が7月1日に生誕60周年を迎えます。

 それらの日々をロイヤルファミリーの一員として過ごすことを希望しているからだと言われています」

 その後、離脱が恒久的になれば、メーガン妃の活躍の場はさらに広がりそうだが──。

メーガン妃は、芸能界での名声以上の栄誉を得ようとしていると思います

 と語るのは、イギリス王室についての著書もある文化学園大学客員教授の渡邉みどりさん。

「夫妻は昨年、長男の名前からとった『アーチウェル基金』を創設しました。

 恵まれない人々に食料提供などを行いましたが、これからコロナ禍で窮乏する人たちはいっそう増えていきます。 

 アフリカや太平洋などイギリスの旧植民地地域でそんな慈善活動を行えば、名声はさらに高まるはずです」

 イギリス王室が授与する大英帝国勲章のような勲章制度を創設するのではという報道もあった。

「さらに昨年のアメリカ大統領選のときにメーガン妃は王室の不文律を犯して、投票を呼びかける政治的な発言をしました。将来的には政治家や大統領になる野心があるのかもしれません」(渡邉さん)

 冒頭の村上さんも、

「メーガン妃はやることが大胆で、上昇志向を隠さない性格です。英国王室に入ったことを人生の“ステップ”としてとらえているところもあるので、次に大統領選挙への出馬を考えていても不思議ではありません」

 イギリス王室の名を利用して、さらにのし上がろうとするメーガン妃を、ヘンリー王子は惚れた弱みで黙認し続けるのだろうか……。