北村一輝

「ルールがある以上、守られるべき。私たち警察官は一般市民以上に順守するべき」

 そう先輩をまくしたてるのは綾瀬はるか。これは高橋一生と綾瀬のW主演ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)でのワンシーン。

「殺人鬼役の高橋さんを刑事役の綾瀬さんが追い詰めるのですが、逮捕目前で“魂”が入れ替わり、立場が逆転してしまう物語。今クールのドラマの中で最高の視聴率をたたき出しました。“中身は殺人鬼の女性”を演じる綾瀬さんもですが、“女性の心が宿った男”を演じる乙女な仕草の高橋さんからも目が離せません」(テレビ誌ライター)

 主演ふたりの演技に注目が集まるけれど、それを引き立たせているのは北村一輝だ。

「どいてくれますかね。オレらは風紀委員さんと違って現場がありますんで」

 綾瀬に嫌みを言いながら立ち去って行く北村は、犯人逮捕のためならば、どんな手段もいとわない剛腕刑事役。ジリジリと“後輩刑事の魂が宿る犯人男”に迫っていく様子は、手に汗握る。

 いや〜な先輩刑事も、幅広い役をこなすベテラン俳優の北村にはお手のものだが、実はカレー店のオーナーという経営者の顔も持ち合わせる。

「インド人のように顔の濃い北村さんが2019年4月、赤坂に『大阪マドラスカレー』を開店。北村さんの地元である大阪に本店があります。甘めのカレーかと思えば、追うようにくる辛さが病みつきに。

 今年はさらに2店舗、下北沢と吉祥寺にオープンさせるとか。撮影現場に差し入れすることもあるんですが、2019年に放送されたTBS系ドラマ『凪のお暇』では、高橋一生さんがケータリングして共演者らに振る舞っていました」(芸能プロ関係者)

 コロナ禍で飲食店は苦しい状況が続くけど、店舗拡大とはドラマ同様に順調なのか。赤坂の店で話を聞くと、

おかげさまで好調で、今度はカレーの街に殴り込みです(笑)。新店舗も北村がオーナーで、2月中にはオープンできると思うんですが……」

 有名店が多いカレー激戦区に開くのだから自信満々。けれども、北村がカレー店を開くことになった経緯って? 

「仕事頑張らなあかん」

 大阪本店にも話を聞いた。

「北村さんは10代のころからよく食べに来ておったんです。“いつか店をやりたい”とも言っとってね。レシピをお伝えして、のれん分けという形で、一昨年にやっとオープンできたという流れです」

 つまり、大阪本店は北村にとって“カレーの師匠”にあたるということ。新店舗オープンの話も聞いてるの?

「聞いてますよ。でも、コロナの状況でこの時期に新店舗出して大丈夫かって心配してます。順調は順調なんやろうけど……どこも厳しい状況ですから。ただ、うちのカレーの味が東京で広まるのはうれしいね。北村さんとは正月に話したけど“とりあえず仕事を頑張らなあかんねん”って言うてましたわ」

 経営者としても剛腕みたい。