コロナ禍でますます注目の集まる「ふるさと納税」だが、欲しいものを確実に入手したいのにできない! お得感ある返礼品がわからない! と、申請を躊躇(ちゅうちょ)する人もいるのでは。そこで、お得にゲットできるタイミングとテクを達人に伝授いただきました。

※画像の商品については、本文の得ワザ 8で詳しく紹介しています。

《教えてくれた達人》
金森重樹 ◎不動産・建築・介護事業など年商100億円の企業グループオーナー。
2015年には関連書も執筆。ふるさと納税ブームの立役者。

福田航太 ◎ふるさと納税の主要12のポータルサイトを1度に比較できるサイト「ふるさと納税ガイド(https://furu-sato.com/)」運営責任者。

小野くみ ◎2015年からブログ「くみくみのふるさと納税返礼品の記録」を運営。年間約100記事の情報を発信する。自治体などとの返礼品開発も行う。

坂田恵梨 ◎ふるさと納税のお得情報をまとめたサイト「ふるとく(https://furu
sato-toku.red/
)」編集長。ふるさと納税歴は約10年。

年間計画を立てて賢くゲット!

 2020年の寄付額は前年の約1.5倍ともいわれ、コロナ禍で注目が高まる「ふるさと納税」。しかし、時期を考えずに申請すると、欲しい返礼品がゲットできないことも!

「年末の駆け込み寄付では、数量限定や季節限定を手に入れるのは難しいんです。農産物なら旬の3か月前ごろから寄付の準備を」(金森さん)

 1度に寄付すると返礼品の到着が重なり、保管に困ることも。定期便やポイント制度を利用して、事前に返礼品の分散を。

 寄付前には「ふるさとチョイス」、「楽天ふるさと納税」、「ふるなび」などポータルサイトのキャンペーンの有無の確認も大切だ。

「サイトによって量や金額が違う返礼品も。3つ以上のサイトを見比べるのがおすすめです」(福田さん)

 複数のサイトを1度に確認できる「ふるさと納税ガイド」や「ふるとく」などの比較サイトを利用するのも手!

【得ワザ 1】先行予約を活用!

 果物など、旬のある農産物で人気の返礼品は申し込み期限を待たずに受け付け終了になることもしばしば。収穫の約2~3か月前から受け付けを開始するので、欲しい旬モノは早めにチェックするのがおすすめ。また、4月1日に年間の先行予約を開始する自治体も少なくない。お目当てがある人は念のため確認を。また「フルーツ先行予約特集」などを組んでいるポータルサイトもあるので参考に。

【得ワザ 2】お得感の高い返礼品を狙う

 地方の希少なブランド肉や新鮮な魚介類が産地直送でいただけるのも醍醐味(だいごみ)の1つ。寄付先を探す際に“限定”、“わけあり”でキーワード検索すると産地だからこそ提供できる、お得感のある返礼品に出会えることも。

 また、コロナ禍で売り上げが激減した地元の生産者や業者を救済する目的で用意された「緊急支援品」などは、通常より増量して寄付を増やす工夫をしている場合があり、要チェック!

【得ワザ 3】年間計画で季節を楽しむ

 欲しい返礼品を確実に入手するにはプラン立てが必須!

〈3月〉イチゴの受け付けがピークに
イチゴの返礼品の多くは3月いっぱいまでなので、今年楽しみたい人はお急ぎを。野菜は新玉ねぎがシーズンに。(確定申告の提出をすませる)

〈4月〉定期便の内容が刷新
2021年用に準備された定期便型返礼品(年4回など発送)が新しく増える時期。

〈5月〉花火大会券で夏の準備を
夏に行われる花火大会の観覧席券などが限定数で登場。
(前年にふるさと納税をした場合は、5月~6月に届く「住民税決定通知書」で住民税が控除されていることを確認すること)

〈6月〉夏の果物が続々登場
さくらんぼ、マンゴー、メロン、すいかなどの返礼品が増える。高級食材のウニを狙う場合もこの時期。

〈7月〉夏のボーナスで寄付を
肉や魚介類、野菜などの定番人気の返礼品の入れ替え、追加が多い。実質の負担額は2000円なので「夏の賞与でふるさと納税をする」と決め、いま必要な資金を確保しておくのもよい。

〈8月〉秋の果物をチェック
梨、ブドウの返礼品がピークに。9月ごろまで続く。

〈9月〉とれたての新米をゲット
新米の季節でお米の返礼品の数がぐっと多くなる。人気のものは事前予約の時点で品切れとなるので、春ごろからチェックを。

〈10月〉豪華海鮮を狙うなら秋
お正月に向けて、イセエビやカニの返礼品が増える。人気のおせちは、受け付けスタート。

〈11月〉旅行関連の返礼品に注目
寄付先の自治体の温泉などで利用できる感謝券などをチェック。りんごも旬に。

〈12月〉鍋セットで締めくくり
年末年始を想定した鍋セットや海産物がおすすめ。年末に近づくほど、ふるさと納税の駆け込み利用者が増えるのでなるべく早めに。お歳暮の活用にも。

〈1月〉人気フルーツの予約が開始
上旬までにワンストップ特例制度の申請書類の提出を。控除上限額を調べ、寄付限度額を確認する。

【得ワザ 4】定期便プランを使う

「届く時期が重なり、保存しきれず腐ってしまった……」という失敗を避けるためにおすすめなのが定期便型の返礼品。季節に応じた野菜や果物、お米など、年に数回~毎月届くものも。定期的に届くため、寄付先の自治体との“つながり感”も。複数の寄付先に分けるより、高めの寄付額を1回行うことで、申請などの手間が減るのもメリット。

【得ワザ 5】ポイント制度を活用する

 年末の駆け込み寄付や時間がないときなど、寄付額を“ポイント”に交換し、あとでじっくり返礼品を決める方法も。独自のポイント制度を持つ自治体か、「ふるさとチョイス」、「ふるなび」などのポイント制度を利用している自治体ならOK。交換したポイントは翌年に持ち越しも可能。ただし、有効期限には注意を。

【得ワザ 6】申請の手間が減らせる自治体を選ぶ

 給与所得者で寄付先が5自治体以内なら「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が利用可能。寄付先の自治体に申請書を提出すれば、確定申告することなく税金の控除ができる。北海道白糠町や鹿児島県志布志市など、返礼品が豊富な自治体へ何度も寄付すれば1自治体としての手続きでOKなので便利。

【得ワザ 7】使い勝手のよい旅行券もあり!

 旅行に行くタイミングの見極めが難しい昨今だが、旅行関連の返礼品なら、有効期限が長いので便利(多くが1年以上)。宿泊券だけでなく、お土産や食事、アクティビティなど自治体内で多様に使える券なども。寄付を通じてコロナ禍で打撃を受けている観光地を直接支援できる。

【得ワザ 8】達人が今、気になる返礼品

●ミールキット
「おうち時間が増える中、お得感の高い食材はもちろん、サッと食事が作れる食材セットも需要が伸びそう!」(福田さん)

〈神奈川県海老名市〉※写真左上
Oisixオリジナルミールキット「Kit Oisix」2人前×2セット(寄付金額:6000円)

人気の定期宅配サービス「Oisix」の食材セット。20分で主菜と副菜が作れる。「2人前の必要な食材がカットずみで届くのでラク。手ごろな寄付額も魅力。
(問)楽天ふるさと納税 https://event.rakuten.co.jp/furusato/

●コロナ緊急支援品
「昨年同様、寄付者にはお得感があり、生産者支援にもなるお肉や魚介の“緊急支援品”には注目です」(金森さん)

〈山梨県都留市〉※写真右上
訳あり!富士湧水ポーク2.5kg(寄付金額:10000円)

幻の高級豚肉とも名高いブランド豚をコロナ禍支援で限定提供。甘みのある脂質とやわらかな肉質が絶品。500g×5パックに小分けして届くので使い勝手もいい。
(問)ふるさとチョイス https://www.furusato-tax.jp/

●地方の名店の味
「地元でしか味わえなかった人気店の料理がいただけるのもふるさと納税のよさ。コロナ禍の飲食店支援にも!」(小野さん)

〈岩手県北上市〉※写真左下
【太助の牛タンの味】伝統の味を引き継ぐ牛たん3~4人前用(330g)南蛮味噌付き(寄付金額:15000円)

仙台の名店「太助」の味を受け継ぐ、牛たん焼き専門店「佐助」のこだわりの一品。プロによる肉の処理、味つけがこんなに美味しいとは! 衝撃を受ける逸品。
(問)ふるさとチョイス https://www.furusato-tax.jp/

●日用品・家電
「日用品やおうち時間を充実させる家電に注目が高まりそう。現に、家電の返礼品は種類が増えています!」(坂田さん)

〈長野県飯山市〉※写真右下
[M]「made in 飯山」マウスコンピューター 2in1タブレットPC「mouse E10-IIYAMA」(寄付金額:173000円)

飯山市内の工場で製造されたタブレットパソコン。タブレットパソコンの返礼品自体が少なく貴重。50台限定。高額だがいつ受け付け終了してもおかしくないほど人気。
(問)ふるなび https://furunavi.jp/

※『週刊女性』2021年3月16日号では【得ワザ 8】以外の「返礼品」も20品、紹介しています。

(取材・文/河端直子)