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「えっ? TKがまた何かやったの?」

 3月初旬、神奈川県の海沿いにある静かな住宅地。週刊女性は、“TK”こと小室哲哉とKEIKOの離婚について話を聞こうと、『globe』のもうひとりのメンバー、マーク・パンサーの自宅を訪ねた。

 すると、2匹の犬を連れたマーク本人が姿を見せたので、記者が取材の口火を切ると同時に、冒頭の言葉が飛び出したのだ。そして、ふたりが離婚した事実を告げると意外な言葉が。

「したの? エッ? 知らないよ。テレビは見ないから。本当に離婚したんだ!? ヘェ〜、ビックリだね!」

 なんとマークはこの事実を知らなかった。無造作に伸びた白髪に、マスク越しでも確認できる濃い顔。長身でスタイルのよさが目立ち、ピッタリした黒い上下のスポーツウエアに身を包む引き締まったボディは、51歳とは思わせない。

 3人組ユニット・globeがデビューしたのは1995年のこと。翌1996年、『DEPARTURES』が230万枚の大ヒット、1stアルバムは400万枚を売り上げて、当時の日本記録となった。そんな絶好調の中、2002年に小室はKEIKOと3度目の結婚をした。

 しかし2008年、著作権上の問題から小室は5億円詐欺事件で逮捕されてしまう。このときKEIKOは会見で「離婚はしません」と、内助の功をみせた。2009年に小室の有罪が確定した後、2011年にKEIKOがくも膜下出血で倒れ、globeは休止状態となる。

 一命を取り留めたKEIKOを小室が献身的に支えているものと思われていたが、2018年に小室の不倫が発覚。小室は釈明会見を開き、介護のために自らも心身ともに疲れ果てていたと告白すると同時に、音楽業界からの引退も宣言。小室を擁護する声も上がっていた。

誰も解散なんて言っていない

 しかし、KEIKOの親族が「小室の会見は嘘ばかり」と主張してドロ沼の離婚劇に。それから約3年、2月26日に離婚が成立した。この離婚で、globeは今後どうなってしまうのか、マークに聞いた。

「誰もglobeは解散なんて言ってないし、続くんじゃないの。レコード会社も解散とは言ってないし。アレ? もしかして、そう思われてる?」

 夫婦だったメンバーが離婚したら、グループがそのままの状態で継続するのは困難だと思われる。

「サザンオールスターズやブリリアントグリーンなど、グループ内で結婚しているミュージシャンはいますが、夫婦仲が悪化すると大概は解散します。『ひだまりの詩』が大ヒットしたル・クプルがそうでしたね」(音楽ライター)

 だが、マークはglobeの解散を強く否定する。

「TKが引退しても、KEIKOが歌えなくても解散していないんだし。ふたりが結婚する前からグループはあったわけだから。KEIKOが歌えなくなって10年だけど、そのポジションは誰にも譲っていないし。TKも引退のときにglobeは辞めると言ってないし、僕はTKから“globeの灯を消すなよ”と言われているから、6年前からDJとして、ひとりでglobeの曲を全国でかけている。

 ま、奇跡を待っているのは、僕なんだけれどもね。KEIKOはリハビリを頑張っているし、住んでいる大分で会うと“一緒に歌おうよ”と言ってくるし

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 KEIKOが発表した離婚報告の直筆メッセージには《アーティストとしても皆様に恩返しができるよう精一杯努力して参ります》という一文がある。KEIKO自身も復活を強く望んでいることは間違いない。

KEIKOの本当の健康状態は

KEIKOの障害は身体に出ているわけじゃなくて、ほんの少し記憶の部分にあるだけだから、しゃべり方は変わっていない。なぜ歌えないかっていうと、歌い出してから何十分かたつと、何をしているのか思い出せないことがたまに起きる。

 でも、本人は復活する気マンマンです。好きなんだから、歌うことが。彼女の歴史というのは、子どものころからずっと歌ってきたということ。大変な病気を乗り越えて、奇跡は起きるんじゃないかな、と信じています」

 そんなマークは毎日がサーフィンざんまい。悠々自適な生活のようだ。

「マークさんはフランス出身のトライリンガル・ハーフで、『メンズノンノ』のモデルだったことは有名ですが、1995年にglobeに加入するまで、担当するラップは未経験であったことを後にカミングアウトしています。

 見てくれのよさでユニットに加わったようですが、その才能は作詞することで開花し、globeの多くの曲や、安室奈美恵さんや鈴木亜美さんの曲も手がけていますので、印税だけでもすごいことになっていますよ」(音楽ライター)

 お金に困っていないからこその悠々自適のようだが、本来、昨年には大きな仕事があったようで、マークはこんな可能性も口にした。

「実はglobeは去年が25周年だったので、何かやりたかったんですよ。あそこで何かやっていたら、ふたりはもしかして、ヨリを戻していたのかもしれないな」

 やはり、globeのメンバー変更はありえない?

「それはTKが決めればいい。ボスなんだから。でもKEIKO以外はいないんじゃないの。ほかの人だったら違うバンドになっちゃうし」

 離婚の事実を知らなかったマークだが、ふたりと連絡はとり合っているという。

僕の誕生日にKEIKOからLINEが来て、電話でも話しています。3日前のことですよ。会ったのはコロナ前が最後。TKとは昨年、彼の誕生日に会いましたよ。先月も話したし」 

2002年“いい夫婦の日”に結婚式を挙げたふたり。生中継されたテレビの視聴率は15%超え

 離婚闘争中でもふたりと変わらずに会話できるマークだからこそ、小室に「globeの灯を消すな」と、頼まれる存在なのだろう。

デビュー30周年でglobe復活を

「ふたりの問題で離婚したのだったら寂しいけれど、それはそれでいいじゃないですか。globeは終わっていないわけで……。30周年には万博がある。そこを目標にすれば、KEIKOはあと4年リハビリできるし、TKも最近、少しずつ音楽をやっているから、またglobeの曲を書いてくれるかもしれない。そのときのための準備はしているつもりです。まぁ、僕も50過ぎてスローライフになっちゃってるけど……

 globeの再始動は本当にあるのか─。前出の音楽ライターが言う。

「離婚したうえに3年以上話していない夫婦の間をとりもつのは、マークさんといえども現実的に難しいでしょう。でも、マークさんは“もしかしたら”と思わせてくれますよね。globeのこれからはマークさんが握っている、と言えるのかもしれません」

 吹きつける海風と横殴りの雨の中でも、嫌な顔ひとつ見せず、テキパキと答えてくれたマーク。最後にこんな言葉を残して引きあげていった。

「KEIKOが戻って、TKも“やろうよ”ってなれば、たくさんの人たちが待っているわけで、また素晴らしいアルバムを作れればいいのかな、と思っています

 マーク、これからもふたりを頼むよ!