綾瀬はるか 撮影/高梨俊浩

 放送中の主演ドラマ『天国と地獄 〜サイコな2人〜』が平均視聴率14.8%(8話まで)と今クールいちばんの人気となっている綾瀬はるか。彼女が主演し、同じく高視聴率を獲得した(最高総合視聴率25.6%)大人気ドラマ『奥様は、取り扱い注意』がついに劇場版に。春風のようにふんわりキュートな綾瀬にインタビューしてきました!

「私自身も(ドラマの最終回が)これで終わるの!? と思っていたので、続編ができて、それが映画でとなったときはすごくうれしかったです」

 '17年に放送され大ヒットした連続ドラマ『奥様は、取り扱い注意』で、元・特殊工作員であることを隠し伊佐山勇輝(西島秀俊)と結婚した菜美を演じた綾瀬はるか。公安警察の職員であることを菜美に隠していた勇輝が、彼女に銃を向けるシーンで幕をおろしたドラマの続編が劇場版『奥様は、取り扱い注意』として帰ってくる。

モヤモヤしながら演じていた役柄

 ある出来事をきっかけに記憶喪失になった菜美。勇輝は彼女とともに、小さな地方都市で桜井裕司と久実に名前を変えて暮らしている。

「久実は、自分が何者であるかわからないけれど、目の前にいる裕司(勇輝)をただただ信じ、自分のなかにある小さなよろこびを見つけながら生きている。ただ、わからないことへの漠然とした不安がずっとあるんです。正義感が強くて、旦那さんがなにを言っても自分のやりたいことを通す男勝りな菜美を演じてきたので、久実では海の底にいるような、モヤモヤした感じがしていました」

 夫婦が新しい生活を送る珠海市で起こる新エネルギー源の開発反対派と推進派の対立に巻き込まれていくことをきっかけに久実のなかに変化が起こっていく。

綾瀬はるか 撮影/高梨俊浩

 今作の見どころのひとつがスケールアップしたアクションシーン。惚れぼれするほどカッコいい。

「もともと、動ける身体をいつも保っていたいというのがあります。それに、撮影の3か月前くらいから、さらに体幹を鍛え上げるようなトレーニングを増やしていきました。

 映画での敵役の男性が、すごく背が高くて身体も大きくて。以前、軍隊に所属していたことがあるみたいで、熱が入ってくるとドスッと本気でくるんです。“もうちょっと力抜いてよ”って思うこともありました(笑)

 実は、今作の撮影初日が夫役の西島秀俊とともに戦うアクションシーンだった。

「もともと西島さんとは(NHK大河ドラマ『八重の桜』での共演もあり)仲がいいというか。気のおけないお兄ちゃんみたいな感じで、やりやすかったです。(西島から)“俺のいないところで、闇練しているだろう”と言われて、“いやいや、お兄ちゃんよりアクションシーンが多いだけだから(笑)”って返すと、“そういうところあるよな”って(笑)。気持ちよく、楽しく演じることができました」

綾瀬はるか 撮影/高梨俊浩

年齢的にも
結婚を意識するように

 驚くことに、ド迫力のアクションは、ほぼスタントなし。

2年前のドラマのときは“全部自分でやりたい”って言ったんです。でも、それから年齢を重ねたこともあって、“できないところはスタントマンさんにお願いします”っていう感じに変わってはいたんですけど……。いざやってみると“それならできます!”ってスイッチが入ってしまって(笑)。結果、ほぼ自分でやりました。大変だったぶん、映画を見たときに頑張ってよかったっていう達成感がありましたね」

 公安の夫と元特殊工作員の妻というワケあり夫婦は、平穏で幸せな生活を送ることができるのか。ドラマから続く史上最強の夫婦ゲンカの行方も気になる物語。

「結ばれてはいけないふたり……。複雑ですよね。私自身、家族をつくりたいなっていう気持ちが徐々に出てきています。年齢的なこともあるんですけど。ただ、あまり現実的には考えられていなくて、半分だけ想像できるって感じです(笑)

 それじゃ、映画のタイトルのように“奥様”と呼ばれたい?

あんまり考えたことがなかったです。“奥様”っていい響きですけど、なかなか呼ばれることがないですよね(笑)。“お嫁さん”とか、“奥さん”とかがいいかな。ありのままをお互い受け入れることができて、よろこびを分かち合える夫婦っていいなって思います。久実みたいに、ご主人に従順な部分も私の中にありますよ。ただ、菜美みたいにタブーがあるから家ではおとなしくしていないといけない、みたいに抑え込まれちゃう感じの夫婦関係は、難しいなぁと思います」

自分らしい、とは?

 「自分らしくしたほうがいい」と言われても、“どんなんだっけ?”と思うことってありますよね。そんなときに友達に聞くと、確かにそういうところあるなって。

 最近だと、“切り替えが早い”とか、“けっこう視野が広い”って言われたんですけど、自分ではピンときていないです(笑)。家族や友達、まわりのスタッフのみなさん、応援してくださる人たちがいることを大事にしていると気分がよくなるじゃないですか。そういうときが本当の自分で、自分らしさが出るんじゃないかな。

綾瀬はるかが、こうなったら注意!

 眠いときと、お腹がすいているとき。無口になります(笑)。お腹がすいたときは口に出しちゃいますけど、眠いときは“あれ? 急に静かになった”って思われていると思う(笑)。

当初、昨年3月の公開予定だった映画。
この1年、どんな時間に?


 勉強の時間になりました。これまで読めなかった本を読んだり、映画を見たり、部屋の掃除をしたり、子どものころの手紙を読み返してみたり。いろいろと感じ、思いを巡らせる時間になりましたね。映画のテーマのひとつでもある、“自分らしさ”ということを考えることもありました。

劇場版『奥様は、取り扱い注意』
3月19日より全国東宝系にて公開

劇場版『奥様は、取り扱い注意』3月19日より全国東宝系にて公開(C)2020映画「奥様は、取り扱い注意」製作委員会
メイク/中野明海 スタイリング/西真由美
イヤリング:ヴァンドーム青山(ヴァンドーム青山本店)