松村邦洋

 お茶の間の人気者から、一転。文春砲が見事に当たり、急降下の展開になってしまった原田龍二。ただひたすら反省をし続ける彼が、同じく世間を騒がせた有名人と語り合う!第24回は体当り取材、心臓停止、コロナ重症化からの生還など、常に世間を騒がせ、死の淵をのぞいてきた松村邦洋。松村を心から慕う原田は、何を感じ取ったのか―。

 自らの行いを省みることを意味する“反省”。本連載のホストでもある俳優・原田龍二は、約2年前に人生を一変させるほどの過ちを犯し、反省の日々を送っている。しかし“反省はしても立ち止まらない"、それが原田の信条。

 今回、そんな原田と言葉を交わすのは、ものまねタレントとして異彩を放つ松村邦洋だ。10年来の旧知の仲だというふたりが、人生について語り合う─。

「原田龍二×松村邦洋」対談

原田 今日はよろしくお願いします! 本当に松ちゃんにはお世話になりっぱなしで頭が上がりません。

松村 時代劇専門チャンネルの『龍ちゃん・松ちゃんのぶらり探訪・東海道』で、一緒に東海道五十三次を歩いて以来の仲だから、もう10年たちますね。

 それにしても、龍ちゃんはいい感じのバラエティータレントになった! 10年前はこんなことになるなんて予想もしてなかったなあ。日本アカデミー賞の新人賞を返還してほしい! 

原田 アハハ! でも、本来の僕はおもしろいことやふざけることが好きなんですよ。役者だけしていたころより、今のほうが自然体かもしれないです。

松村 役者をやりながらバラエティーもできる、人間の幅が広がってますよね。“頼まれごとは試されごと”っていいますけど、龍ちゃんは頼まれた仕事を全部やってる。NGがないでしょ。「4WDの件は触れないで」なんて言わないし。

原田 この連載も、僕が起こした不祥事がきっかけで始まりましたからね……。

松村 本当に身を削ってますよね。でも、すべての試されごとを打ち返して今があるから、本当にすごい。今回ご一緒した明治座の舞台『よみがえる明治座東京喜劇』でも、冒頭から爆笑をかっさらってたじゃないですか! 

原田 僕の「4WDにまたがって発射オーライどこへ行く! 」というセリフですね。台本には「原田さんのリアルを絡めたボケでボケまくってください」って書いてあるだけだったので、セリフを自作しました(笑)。

松村 間違いなく笑っちゃうし、龍ちゃんにしか言えないですよね。

今年の年始は新型コロナで入院しました

原田 僕の舞台はいつも家族が見に来てくれるんですけど、今回もみんなで来てくれて。妻と息子と娘が6列目のど真ん中に座っていたので、彼らに向けて「4WD! 」と叫びました(笑)。

松村 ええ! ちなみに、お子さんはおいくつですか?

原田 息子が18歳で、娘が14歳です。観劇後、息子と娘からは「めちゃくちゃおもしろかったよ」っていうLINEが来てましたね。それだけでやったかいがありました。

松村 年ごろのお子さんも受け入れてくれてるんですね。報道が出たときは奥さんが「原田、アウトー! 」って言ったという逸話もありますけど、ご家族もすごい! 

原田 本当にありがたいです。

松村 何にせよ、お子さんが喜んでくれたなら大勝利。最近の龍ちゃんは家に帰るのも早いですよね。舞台が終わったら、すぐに楽屋の電気も消えてる! 

原田 たしかに、今は家がいちばん落ち着く場所なので、早く帰ってます(笑)。

松村 龍ちゃんのご家族は絆が強いですが、芸能の仕事が順調な人ほど、プライベートでごたつく傾向がありますよね。お子さんが何度も逮捕されたり。誰とは言いませんが、“一難去ってまた次男(が逮捕)”というか……。

一同 (爆笑)

松村 僕はひとり身だから下ネタや風俗の話をしても大丈夫だけど、家族がいるとなかなか言えないじゃないですか。

原田 逆に家族がいるから今の程度で踏みとどまってる部分もあると思うんですよ。独身でスキャンダルを起こしていたら、自暴自棄になっていたかも。

松村 なるほど。例えば、いつも海パン一丁、ローションまみれでテレビに出るとかね。やりたい放題で「松ちゃん服なんか着てるの!?」なんて言われたら、僕でも原田龍二に共演NGを出しちゃうかも(笑)。

原田 それは怖いですね! 

原田龍二(右)と松村邦洋(左)

松村 女性関係はないけど、僕の場合は過去2回、九死に一生を得た経験があるんですよね。2009年に東京マラソンで心臓が止まったと思ったら、今年の年始は新型コロナで入院しましたからね。これから10年周期で死にかけると思うと怖いね。

原田 でも、松ちゃんの一件で、全国にAEDが設置されたと聞きました。それはすごい功績ですよ。

松村 たしかに、元宮崎県知事の(そのまんま)東さんが「AEDの設置はお金がかかった」ってぼやいてました。

倍返しをするのはドラマの中だけにしたほうがいい

 そういえば、東京マラソンで倒れた後に、ニッポン放送アナウンサーの増田みのりさんが番組内で、入院中の僕にメッセージをくれたんですよ。

「松ちゃん、早くよくなってくださいね」と言ったあとに「ここで1曲。桑江知子さんで『私のハートはストップモーション』」と。

原田 ええ! 

松村 また心臓が止まりかけましたね。そんな感じで2回も死にかけたので、これまで貯めてた“運のマイレージ”を使い切っちゃいました。今はかなりの負債を抱えてますよ。

原田 いやいや、神様はまだ松ちゃんを連れて行かないですよ! ものまね界の宝ですからね。でも、松ちゃんが言うように経験がポイントになっていくと心強いですよね。

松村 長年この業界にいると、人生はポイントカードだな、と思うんです。テレビ局の人間模様を見ていても、AD時代に上司に怒鳴られまくっても黙々と仕事をしていた人は今、出世したり制作会社を経営していたりしてます。下積み時代のポイントが加算されて返ってくる、それが健全ですよね。

松村 何より最近の龍ちゃんは、精神的な膿を出して、肌ツヤがすごくいい! 

原田 肌ツヤですか……! 

松村 大きな難局を乗り越え全部運に変えられたのかも。ある意味、2年前のスキャンダルがターニングポイントじゃないかな。今の龍ちゃんにはいい風が吹いてますよ。

原田 松ちゃんにそう言ってもらえると本当にうれしい。いつも僕の仕事を見て連絡をくれるので、励まされてます。

今さらですが、実はこの対談のテーマは“反省”なんですよ。でも、松ちゃんは優しいし反省するようなこともないんじゃないかと思って。

松村 いやあ、若いころはいろいろな勘違いをしていたし、よくない面もたくさんありました。悪いことをすると身から出た錆として返ってくるし、誰かを蹴落として上にあがっても恨まれるだけだなあ、と思うようになりましたね。高田文夫先生もおっしゃってましたけど、他人に悪いことをすると、結局は自分にも悪いことが起きる。『半沢直樹』みたいに倍返しをするのはドラマの中だけにしたほうがいいですね。恨みの倍返しがどんどん膨らむと、最終的には戦争になっちゃうから……。「やられたら、我慢する。半返しだ!」くらいにおさめたいと思ってます。

原田 たしかにそうかもしれないですね。でも、松ちゃんは怒らないでしょう?

松村 怒るときもありますよ! でも、腹が立ったら6秒数えて「アンガーマネジメント」したほうがいいと聞いたので、実践しています。6秒数えている間は、怒るという字を分解して「♪女の又、心、女の又、心、女の又を心で思え」って唱える。好きなことを考えると心が和らぎますよね。腹の虫も収まる、と。

原田 さすが! 松ちゃんと話していると、うかうかしてられないなあ(笑)。今日はありがとうございました! 

原田龍二(右)と松村邦洋(左)

●本日の、反省
 松ちゃんは、僕にとって“親戚のお兄ちゃん”のような存在。話していると本当にホッとするんですよね。愛される人柄が素晴らしい。自分も仕事で安倍前総理のものまねをする機会があったので松ちゃんの動画で勉強したんですが、本当に難しかったんですよね。松ちゃんはものまねの天才ではあるけど、同時に相当な努力を積んでいる、常人離れした人。健康に気をつけて、いつまでも元気でいてほしいです!

原田龍二(はらだ・りゅうじ)1970年、東京都生まれ。第3回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞後、トレンディードラマから時代劇などさまざまな作品に出演。芸能界きっての温泉通、座敷わらしなどのUMA探索好きとしても知られている。現在、YouTubeチャンネル「原田龍二のニンゲンTV」を配信中! 
松村邦洋(まつむら・くにひろ)1967年、山口県生まれ。大学生のころバイト先のテレビ局で片岡鶴太郎に認められて芸能界入りをする。ビートたけしをはじめとする、従来にないものまねで一世を風靡し、その後も高田文夫や安倍晋三前首相など、幅広い芸を極める。また、野球や歴史の知識が豊富で、バラエティーやドラマ、ラジオで活躍中。

【取材・文/大貫未来(清談社)】