(左から)水谷豊、寺脇康文

 シーズン19が終了し、『相棒ロス』に陥っている人もいるのでは?開始から21年という長きにわたり、高視聴率を誇り続けるドラマ『相棒』(テレビ朝日系)。水谷豊演じる杉下右京とさまざまな事情を背負う“相棒”との秀逸なストーリーが、多くの人の心をつかんできました。そんな次の『相棒』を、ファンのみなさんに大胆予想してもらいました!

もはや恒例! 次の「相棒」は誰だ!?

 3月17日にドラマ『相棒』(テレビ朝日系)のシーズン19が最終回を迎えた。同作は2000年に2時間の単発ドラマで放送されて人気を博し、その後連続ドラマ化、映画化、スピンオフ映画など幅広く展開。20年ものあいだ多くのファンを魅了し続けている。

『相棒』は、水谷豊演じるキレ者すぎて警察組織内で疎まれている警視庁特命係の警部・杉下右京が事件に首を突っ込んで、勝手に解決する刑事ドラマ。英国紳士な振る舞いをする“右京さん”とともに捜査に奔走する“相棒”とのやりとりが見どころだ。

 初代相棒の亀山薫(寺脇康文)を筆頭に、2代目神戸尊(及川光博)、3代目甲斐享(成宮寛貴)と代替わりをして、反町隆史が4代目相棒の冠城亘を6年間演じている。

『相棒19』のラストで冠城の卒業は発表されなかったが、シリーズが終了するたびに“次の相棒は誰か”という考察がファンのあいだで盛り上がり、もはや風物詩となっている。テレビ朝日関係者は相棒選びについてこう明かす。

相棒の選定は、水谷豊さんの意向をうかがいつつ、ドラマに深みが出る人物を選ぶ傾向があります。偶然にも男性の相棒が続いていますが、もちろん女性も対象になります。ただ、人気作というプレッシャーやシーズンが続くと拘束期間が長くなるなど、ハードルが高い仕事なのも事実。引き受ける側も慎重にならざるをえない事情はありますね

 性別や年齢を問わず、人気作の重圧に打ち勝ってスケジュールの調整もできる人物……凶悪犯を探し出すレベルの難問かもしれない。

 そこで今回はシーズン19の終了を記念して、相棒を愛するファンたちに「次の相棒」を大胆妄想、もとい大胆予想してもらった。

脳筋系→知的系、繰り返しの法則

 まず名前が挙がったのが、子役出身の若手俳優・神木隆之介だ。

神木隆之介

「ちょっと若すぎるかもしれませんが、優しくて素直な印象がある神木クンからは実直な“亀山イズム”を感じます! ただ、初代は頭脳担当の右京さんと体力担当の亀山というバランスでしたが、神木クンの場合は文系のバディになりそうですね」(40代/女性)

歴代の相棒は“脳筋系”と“知的系”を交互に繰り返していると仮定すると、5代目は若手で知的なイメージの神木クンがしっくりきます」(20代/女性)

 4月から大手芸能事務所・アミューズを独立する予定の神木。サプライズ人選としても可能性あり?

 同様に、冷静沈着な相棒を希望する声も多数寄せられた。

「相棒の登場人物はみんな濃くて人間らしく、愛すべきキャラクターばかり。その一方で、相棒や周りの人とどんなに親しくなっても杉下右京の軸がブレないのも最高です! 甲斐享、冠城亘と『動』の相棒が続いたので、次は高橋一生さんや窪田正孝クンが演じる『静』の相棒が見たい」(40代/男性)

「紳士的な雰囲気の山崎育三郎さん。右京さんと優雅にティータイムしてほしい」(30代/女性)

 醸し出す雰囲気だけでなく、右京と並んだときのビジュアルも重要な要素といえる。

「亀山薫のような“濃い顔ライン”も欲しいですね。坂口憲二さんなら右京さんとの体格差もいい感じ。復帰作にならないかな」(50代/女性)

「ソース顔なら、確かな演技力を持つ柳楽優弥クンを推したい! 感情が読めなくて、右京さんに“若いころの自分”を思い出させるキャラクター。謎に包まれた右京さんの過去を解き明かしてくれそうですよね」(40代/女性)

 薄味の塩顔相棒も負けてはいない。

「笑福亭鶴瓶さんの息子・駿河太郎さん。鶴瓶さんにそこはかとなく似ていて、寡黙な演技がいいんですよね。鑑識出身で職人気質な相棒が似合いそう」(30代/男性)

草なぎ剛クンの相棒が見たい! 新しい地図つながりで稲垣吾郎ちゃんには頭脳犯を演じてほしいですね」(40代/女性)

 実は、稲垣吾郎を犯人役に推す声はほかにも。

「右京さんもワインに詳しいので、犯人の吾郎ちゃんと意気投合してほしい! 昔、ヤミ金社長の多治見という男が右京さんと音楽の趣味で心を通わせるエピソードがあるのですが、事件解決後に右京さんが留置所にいる多治見にレコードを差し入れるシーンが最高で……。吾郎ちゃんにもそんな役を演じてほしいです」(40代/女性)

女性バディにまさかの家族!?

 ここまで男性の候補者が名を連ねたが、もちろん女性の相棒候補も名前が挙がっている。

「相棒は魅力的なキャラクターたちの掛け合いがほっこりしますよね。女性活躍の世相を反映して、大島優子さんに女性初の相棒になってほしいです。すでに何度か臨時の相棒をしている仲間由紀恵さんと雰囲気がカブらず、一生懸命、右京さんからいろんなことを学んで吸収する相棒になってくれそう」(30代/女性)

大島優子

「ダークホースで水谷さんの実娘・趣里さんはどうでしょう? 女優として知名度もあるし、演技も上手。相棒役は難しいとしても、犯人役などで右京さんに説得されるシーンがあったらおもしろそう」(20代/女性)

 かなりの大穴予想だが、意外と的中したりして?

 『相棒』に熱狂しているのは一般視聴者だけではない。ロックンロールバンド「横浜銀蝿40th」のドラマー嵐さんは、単発ドラマ時代から相棒を楽しんでいる生粋のファンだ。

実質45分で事件を解決するスピード感がいいよね! 今の4代目の冠城亘と杉下右京は、成熟したコンビだなと思う。ただ俺は、亀山薫の不良っぽさや無鉄砲でちょっとマヌケなところが好きだったから、そろそろ亀山に復帰してほしいんだよね。もう警察官ではないから、特別編になるだろうけど」(嵐さん)

 亀山の帰国を祈りつつ、次の相棒を予想してもらうと「若手を起用して、視聴者の若返りを図りたい」と嵐さん。

「サプライズ感があるのはジャニーズ系の俳優。木村拓哉でもおもしろいし、解散するV6の森田剛クンも男っぽくて好きだな。今後は長期のスケジュールも押さえられるだろうし、インパクトがあって新しい視聴者を取り込めそう。イチオシは退所した錦戸亮クン! すごく男前だし、そろそろファンの人も演技する彼が見たいんじゃないかな。

 女性の相棒なら、元AKBの大島優子ちゃん。アクションもできるしピッタリだと思う。今、相棒に出ている女刑事はしっかり者が多いけど、彼女ならちゃめっ気がある相棒を演じてくれるかもね」(嵐さん)

 長年相棒を見続けている嵐さんならではの視点。ぜひ制作陣にも参考にしてもらいたい!

 清水アキラの秘蔵っ子演歌歌手・美里里美さんも、自他共に認める『相棒』ファンのひとり。ちなみに、ドラマの初放送時は6歳だったとか。

「祖父が『相棒』が大好きで、デビューのため上京してひとり暮らしを始めてから、改めてハマりました。好きな登場人物は、川原和久さん演じる伊丹憲一刑事です」(美里さん)

 実際、コロナ禍の再放送で『相棒』にハマる人も多いそう。そんな美里さんの推し相棒も亀山薫。「熱血な亀山を右京さんが止める構図が好き」と美里さん。

「最終回で冠城亘の卒業は発表されませんでしたが、可能性はゼロじゃないですよね。私としては、今度はユーモラスな相棒だとおもしろくなるのではないかな、と。安田顕さんや大倉孝二さんが演じてくれたら、新機軸になりそう!」(美里さん)

 また、彼女には相棒で見たいストーリーがあるとか。

「以前、質店を経営する善良な老人が、助けた若者が関わった事件に巻き込まれるというエピソードがあったのですけど、師匠(清水アキラ)が被害者として、振り込め詐欺のような現代のお金がらみの犯罪に巻き込まれる話が見たいです(笑)」(美里さん)

 たしかに、シリアスとコメディーを使い分ける清水アキラの妙技は見ものだろう。

 今回、さまざまな名前が飛び出したが、ファンの思いはひとつだ。今回話を聞いたひとりは、相棒の大切さをこう語る。

右京さんひとりが“相棒”ではなく、相棒が隣にいてこその右京さんなんです

 杉下右京と相棒が織りなすハーモニーこそが『相棒』最大の魅力なのかもしれない。

美里里美さん●1995年宮城県生まれ。2017年に歌手を目指し上京。2019年『夕月波止場』でテイチクレコードよりメジャーデビュー。師匠はものまねタレントの清水アキラ。
嵐さん(横浜銀蝿40th)●3月17日に配信限定シングル『逢いたくて 逢いたい』を発売。「横浜銀蝿40th コンサートツアー2020~It's Only Rock'n Roll集会 完全復活編 Johnny All Right!~」4月2日~5月3日。詳細はHPにて https://ginbae40th.com

原田龍二が語る、『相棒』の魅力

 おっちょこちょいで惚れっぽい、“自称・特命係第三の男”こと「陣川公平」を長年演じている原田龍二。陣川刑事といえば、シーズン3の初登場以来、定期的にゲストのメイン回を任される人気者だ。

単発ドラマが連続ドラマになるのは、かなりレアなケース。旅番組で地方に行ったときは『陣川クン』『助さん』『座敷わらし』のうち、どれかの名前で呼ばれるので、それだけでも相棒の偉大さを感じます。座敷わらしは僕じゃないですけど(笑)

 原田は相棒が長年愛されている理由をこう語る。

「作品のおもしろさはもちろん、スタッフを大切にする(水谷)豊さんが現場のムードを整えてくれています。何より、スタッフ全員が阿吽の呼吸で動いていて一切のムダがない。ほかの現場が悪いのではなく相棒がスゴすぎるんですよね。

 いっぽうで、僕は勝手に豊さんを心の師匠と慕っているんですけど、いつも温かく迎えてくださって休憩中はずっとバカ話をしてるんです(笑)。『相棒』のオファーをいただくと豊さんに会えるうれしさと同時に、気が引き締まります。少しご無沙汰していますが、今後もずーっと陣川クンを演じたいですね」

原田龍二(はらだ・りゅうじ)●1970年、東京都生まれ。第3回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞後、ドラマや映画などさまざまな作品に出演。司会者として『バラいろダンディ』(TOKYO MX)金曜日を担当。芸能界きっての温泉通、座敷わらしなどのUMA探索好きとしても知られている。現在、YouTubeチャンネル「原田龍二のニンゲンTV」を配信中!