乳酸発酵キャベツ イラスト/大塚さやか

 テレビ番組で乃木坂46のメンバーが美容のために食べている、と話題になった乳酸発酵キャベツ、つまりザワークラウト。その健康効果、美容効果とともに、基本の作り方&超簡単アレンジをご紹介!

キャベツと乳酸菌、Wのパワーを発揮!

 長引くコロナの影響で、自宅での健康管理に気を遣う人が増えている。そんななかドイツでは最近、伝統的な家庭料理「ザワークラウト」の健康効果が見直されている。ザワークラウトは「酸っぱいキャベツ」という意味のキャベツの乳酸発酵食品。簡単にいえばキャベツの漬物だが、数え切れないほどの健康効果が期待される“ドイツのスーパーフード”だ。

 今回、作り方を教えてくれたのは『乳酸発酵キャベツ 健康生活』(日本文芸社刊)で料理監修を務めた管理栄養士の柴田真希さん。柴田さんによると、まずキャベツそのものに栄養がたっぷり含まれている。

 胃腸薬にも配合され、胃腸の粘膜の修復を促す成分のキャベジン(ビタミンU)のほか、便通をよくする食物繊維、美肌効果のあるビタミンCも多く含まれる。さらにビタミンB群も豊富だ。B6で疲労回復、B1・B2・B6には精神安定作用や鎮静作用があり、ストレスによる不調を和らげる効果も!

教えてくれた 柴田真希さん

「さらにキャベツを発酵させることで生まれる植物性乳酸菌にも健康効果がたくさんあります」

 動物性乳酸菌の多くが腸に届かず胃の中で死滅することが多いのに対して、植物性乳酸菌は生きたまま腸に届く可能性が高い。このため腸内環境を調整し、善玉菌の働きを活性化させて免疫力をアップさせる効果が大いに期待できるという。

「乳酸発酵キャベツは自然な酸味と甘みでクセがない。毎日食べても飽きず、どんな食材とも合うのでアレンジもしやすいです」

 乳酸発酵キャベツは健康管理とともに長引くコロナ禍の食卓を彩る、もう一品のおかず作りにも活躍しそうだ。

Q. 保存方法は?

A. 冷蔵保存で1週間を目安に食べて

 常温保存や長期保存すると腐敗する危険も。冷蔵庫で保存し、作ってから1週間を目安に食べ切って。0度以下になると乳酸菌が活動を休止するため冷凍はNG。100度になると死滅するので長時間の加熱も避けて。

Q. 1日どのくらい食べるといいの?

A. 1日50グラムほど

 おすすめ量の50グラムはMサイズのキャベツ(およそ1キロ)の約1/16個分。水分をしぼって、こぶしひとつ分くらいを目安にして

Q. おすすめの取り入れ方は?

A. 朝食や酒のつまみに取り入れて習慣化!

 毎日食べ続けることが大切なので、食生活の中に取り入れて習慣化して。単品でも、アレンジでもOK。野菜が不足しがちな朝食にプラスしても、お酒好きならアレンジしてアテに!

Q. 発酵したキャベツにはどんな効果が?

A. 生よりもさらに栄養価が高まり、美容&健康効果もアップ!

 もともとキャベツは栄養価が高く、食物繊維や良質のビタミン類が豊富。さらに発酵させると栄養価はぐんとアップ。消化力を高め、便秘を改善するほか、腸内環境を整えるなど、さまざまな美容&健康効果あり!

期待される効果​
ダイエット・便秘解消・胃腸のケア・免疫力アップ・美肌効果・高血圧など生活習慣病の予防・疲労回復・鎮静作用

【乳酸発酵キャベツの失敗しない作り方】

乳酸発酵キャベツの失敗しない作り方

●材料 
キャベツ 1/2個(500g)
塩    小さじ2
きび砂糖 小さじ1

●作り方
1、なるべく細かいせん切りに
 さっと水洗い後、しっかり漬け汁に漬けるため、できるだけ細かくせん切りにする。絵のようにピーラーを使っても!

なるべく細かく イラスト/大塚さやか

2、半量ずつボウルでもむ
 半量のキャベツをボウルに入れ、半量の塩を振り、手袋をつけた手で約1分よくもみ込む。しんなりとしてきたら、残りのキャベツと塩、きび砂糖を入れて、3分ほどよくも

半量ずつボウルでもむ イラスト/大塚さやか

3、重しをして冷蔵庫で保存し完成!
 煮沸消毒した保存瓶に(2)のキャベツと汁をすべて入れる。その上に小さいお皿を重しがわりにのせてふたをする。冷暗所に半日ほど保存し発酵させ、その後、冷蔵庫へ

重しをして冷蔵庫で保存し完成! イラスト/大塚さやか

【POINT】
★冷蔵庫に入れて2~3日目が食べごろ♪
★梅雨時や猛暑日は発酵時間を短く!
★保存瓶は煮沸消毒して、雑菌が入らないように!
★数回に分けて食べる場合は、その都度清潔な菜箸を使って取り分けて!


この時季しっかり! 衛生的な作り方を
●煮沸消毒
 保存容器は90度以上の温度で5分以上煮る。煮沸後は、瓶とふたを逆さにして十分乾燥を
●清潔な菜箸
 取り分けにも雑菌が入らないように清潔な菜箸を。できれば煮沸を!
●手袋
 雑菌が入らないようにキャベツをもむときは調理用手袋をして

『乳酸発酵キャベツ健康生活』著者=石原結實、料理監修=柴田真希 ※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします