『Exideal』新製品発表会での剛力彩芽('20年10月)

 剛力彩芽(28)が二度目の破局を迎えた。相手のZOZO創業者として知られる実業家・前澤友作氏(45)とは2018年4月に交際が発覚。'19年11月に破局して'20年7月に復縁したが、剛力から別れを切り出したという。

“お金贈りおじさん”と2度目の破局

 その理由は二回とも、前澤氏が計画する「月旅行」だとされる。一緒に行きたい前澤氏に対し、女優業を優先したい剛力が「私は行けない」と振ったというかたちだ。なんだか、逆・かぐや姫みたいな展開だが、それゆえ、庶民にはよくわからない。さらにいえば、この恋愛自体、どうとらえていいのかよくわからないのだ。

 というのも、女優が失恋すれば、普通は悲劇っぽくなるはず。しかし、それほど悲壮感は伝わってこない。4月5日には来月公開の映画『お終活』についてのインタビューで昨年8月に独立したことに触れ、

デビュー当時のようにゼロから始めているような感覚。すべてが新鮮でワクワクしています

 と語った。悲劇よりはむしろ、金持ちのオジサンが若い美女に捨てられるという、喜劇っぽさを感じてしまうのである。

 前澤氏のキャラも、SNSで「お金贈りおじさん」を名乗って総額1億円のお年玉を配ったりするという、ユニークなもの。最初の破局後、ネットTVでお見合い企画を立ち上げ、世界中から3万人近い応募者を集めたときは、どこかの王様かよ、とつっこみたくなった。にもかかわらず、復縁できた途端、この企画を中止してしまったのも、なんだか彼らしい。

 一方、剛力についても、女優として結果をなかなか残せていないという問題がある。けっこうキャリアも長くなってきたが、代表作が思い浮かばないのだ。

 2002年、国民的美少女コンテスト出場(二次選考で落選)を機に、主催側のオスカープロモーションにスカウトされ、5年後にドラマデビュー。'11年あたりから、ドラマに映画、CMにと大量露出が始まり、売れっ子となった。

 ただ、そのシンデレラストーリーを「ゴリ推し」と呼ぶアンチも出現。月9ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』(フジテレビ系)や映画『黒執事』などでは、原作のファンからイメージに合わないなどとも言われてしまった。

剛力彩芽の代表作は……

 そんななか、何より持ち味を発揮できたのは、ヤマザキ・ランチパックのCMかもしれない。得意のダンスを元気に披露し、ボーイッシュに振る舞う姿が好評で、シリーズ化もされた。

 とはいえ、歌は苦手なようで、そのCMソングでもあったデビュー曲『友達より大事な人』を『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で歌ったときのパフォーマンスは今も語り草だ。アカペラによる歌いだしでいきなり音をはずし、そのまま歌い続けたため、終盤ではマイクの音が消され、CDの声に切り替わった(つまり、口パク)のではないかと疑われるという、なかなかない状況に。ネットでは「放送事故」とまで揶揄された。

 それでいて、本人はブログに、

いやぁ~、緊張した!! んでも、すっごく楽しかったの

 と満足そうに綴り、この人ならではのポジティブな強さを垣間見せたものだ。

 それでも、昨年は女優開眼という評価もされた。スペシャルドラマ『陰陽師』(テレビ朝日系)でミステリアスなヒロインを演じ、和風な顔立ちが時代劇に合うことを証明。稲垣吾郎主演の舞台『No.9-不滅の旋律-』でも成長を感じさせた。

 しかし、オスカーからの独立はまだ早かったのかもしれない。米倉涼子クラスならともかく、個人事務所でやっていけるほどの実績はまだ残せていないからだ。既存事務所への「移籍」というかたちをとった岡田結実が連ドラの主役を務めたりしているのを見るにつけ、無謀な選択だった気もする。

 なお、今回の破局について剛力はインスタグラムで「言ったことと違うこと。やってることと違うことが書かれるって寂しいなぁ」「私の伝え方不足かしら」と語ったが、女優としての伝え方、すなわち表現力もさらに磨いていくべきかもしれない。

 そうじゃないと結局、この恋愛が代表作ってことになりかねない。いや、今のままではそれも中途半端だ。いっそ、三度目の正直で結婚してしまうのはどうだろう。そのハネムーンが“月旅行”なら、唯一無二の足跡を芸能史に残せるはず――。

PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。