かつて改名した芸能人(左から)杉咲花、加藤浩次、ヒロシ

 お笑いコンビ「流れ星」が『流れ星☆』と改名したことを発表。コンビの不仲や、ツッコミ担当であるTAKIUEの離婚騒動などの“負のイメージ”を一新し、運気アップを図ることが改名の理由のようだ

 “運”に大きく左右される芸能界では、改名は珍しいことではない。お笑いコンビでは『さまぁ~ず』(元:バカルディ)『くりぃむしちゅー』(元:海砂利水魚)が有名だが、もともと人気者であった彼らの、ちょっぴりふざけた改名騒動に当時は驚かされた。ますますの活躍ぶりを見る限り、改名の大成功例! といっていいだろう。

芸能界の改名は難しい?

 しかしなかには、逆に運気を下げてしまう改名例もある。10万人以上の姓名鑑定を行い、有名人の改名相談にも多く関わってきた、日本姓名学協会会長のなかやまうんすい先生によると、

「なんとなくイメージを変えたくて、よく考えずに改名をしている例も多く見受けられる」とのこと

「せっかく改名したのに、以前の名前のほうが運勢的によかったと思う例や、姓名学的に使わないほうがよい字を用いた例もよくあります。名前の文字が持つ力や、画数の霊力はとても強力。芸能人に限らず、名前は人の運命を左右します。みなさんが考えている以上に、名前は大きな力を持っているのです」

 芸能人の改名例をなかやま先生に診断していただきながら、わたしたちがすぐに取り入れられる、名前の運気アップ法も聞いてみた。

【本名の読み方や、漢字を変える】

 本名で活動し、すでに知名度や人気を得ている芸能人が、比較的気軽にできるのがこの改名パターン。漢字の一部や読み方などを少し変更するだけのケースもあり、気づかれないことも多い。印象を大きく変えることなく、さりげなく改名できるのが特徴だ。

■加藤浩二→加藤浩次

加藤浩次、9月にはMCを務める『スッキリ』が終了するとの声も……

 3月に、吉本興業とのエージェント契約が解除となり、今後の動向が注目される加藤浩次もこの改名パターンにあてはまる。'18年に、名を「浩二」から「浩次」へとひっそり改名していた。

この改名は、残念ながらあまり大きな意味はありません。というのも、『二』を『次』に変えただけでは、内運がまったく変わらないからです。

 内運とは、姓の最後の一文字と、名の最初の一文字の画数を合計した数のこと。内なる本当の性格を表す数字です。加藤さんの場合、どちらも『藤+浩』で、内運は32画となり、変化がありません。

 このように、内運の末尾が0、2、4で終わる人は、少々変わり者で、何事も早合点しがちという共通点があります。加藤さんに関していえば、天狗になったり、暴言をはいたりという傾向が今後も続くことが心配されます。『かとうこうじ』という呼び名にこだわらず、思い切った改名をしたほうが、運が開ける可能性が高いですね」

 お笑いコンビ・極楽とんぼで加藤の相方である山本圭壱も、本名の圭壱から圭一へ改名し、再び圭壱に戻した経緯がある。山本は未成年者への淫行疑惑で'06年に吉本興業を解雇され、約10年の自粛期間を経たのちに復帰。コンビとしての活動が少しずつ増えてきた矢先に、今度は加藤が事務所との“トラブル”に見舞われた格好だ。

極楽とんぼの『と』というひらがなは、『止』がもとになっています。勢いが止まるという意味合いがあり、あまりいい文字ではありません。コンビ名も含めて、本格的な改名を検討したほうがいいかもしれませんね

■伊藤麻衣子→いとうまい子

川上麻衣子、女優の川上麻衣子と間違えられないように改名。結果として運勢⤴

 昭和のアイドル全盛期に人気を博した伊藤麻衣子。'95年にいとうまい子と改名して以降、徐々に再ブレイクを果たした印象だ。40代での早稲田大学入学や、最近ではロボット開発者としての活動も話題となっている。

「改名前の漢字名は、総運(氏名のすべての画数を足した数)が47画で、成功運の強い名前です。瞬く間に運勢が開花するいい名前ですが、内運が32画で、精神が不安定になりやすい一面もありました

 いっぽう、改名後は総運が15画となり、さらに最強の運勢へとパワーアップしています。ちなみに、ビートたけしさんも同じ15画。多才で、ビッグチャンスを得て大成功できる画数です。

 ただし、いとうさんもビートたけしさんも、名前に『と(ト)』が入っていますね。前述したように、この字には『停止』という、あまりよくない意味合いがあります。運の強さに油断せず、十分注意が必要です」

■藤岡弘→藤岡弘、

藤岡弘、自分の成長が『、』なら続くからと説明しているが、姓名学上では意味がないという

 最近は、ファミリーでのテレビ出演が目立つ藤岡弘、。50歳を過ぎて恵まれた子どもたちは、高校生から小学生までの4人きょうだい。仮面ライダーのイメージが強烈な藤岡だが、名前の最後に「、」をつけて改名していたことを、20年ほど前に明らかにした。

名前の画数を増やしたくて、『、』や『。』を足すというケースがあります。藤岡さんや、お笑いコンビ・EXITのりんたろー。さんなどがいい例ですが、実はこの改名にはなんの意味もありません。なぜなら、姓名学において、読点や句読点は文字として認識されないからです」

 記号を足して一画増やしたつもりが、実はまったく変わっていなかったという残念な結果に!

総運34画の藤岡さんは金運に恵まれますが、努力や苦労が実りにくい、分裂悲運という傾向もあります。藤岡さんに限らず芸能人の方は、知名度の低下を心配するあまり、中途半端な改名となってしまいがち。せっかく改名をするなら思い切って変えたほうが、大きく運勢が開ける場合もあります」

【芸名→本名、本名→芸名】

■星田英利→ほっしゃん。

 読点や句読点がつく芸名として思い出されるのが、お笑い芸人の「ほっしゃん。」。当初は本名の星田英利で活動していたが、ほっしゃん。に改名。その後、再び本名に戻した。現在はNHKの朝ドラ『おちょやん』に出演中で、俳優として飛躍を続けている。このように、芸名と本名を行き来する改名パターンもよく見られる。

「星田さんの場合、芸名の『ほっしゃん。』は12画で、波乱含みの運勢。才知に恵まれるものの、困難に見舞われて挫折が生じやすい傾向があります」

 実際に、芸名での活動中には人気女優との不倫が噂され、引退騒動まで巻き起こるなどトラブルも目立った。

本名の星田英利は総運32画で、“福の神”と呼ばれる吉画数。明石家さんまさんと同じです。企画力にあふれ、チャンスをしっかりモノにできる運勢ですが、色難もつきものの画数。女性トラブルには引き続き要注意です。」

■齊藤健一→ヒロシ

ヒロシ、ネタの「ヒロシです」も、改名することなく齊藤健一のままでは生まれてこなかった! ?

 お笑い芸人のヒロシは、本名から芸名に改名して一気に大ブレイク!  最近では“ひとりキャンプ”の魅力を伝えるソロキャンパー芸人としての地位も確立。冠番組を持ち、著書も出版されるなど、順調な活躍ぶりだ。ブレイク前は、お笑いコンビ・ベイビーズのボケ担当として、本名の齊藤健一で活動。売れない時代が長く続いていた。

「改名後のヒロシさんは、8画となったことで強力な運勢を引き寄せています。旺盛な行動力を生かし、名声や財産を築きやすいとされる8画には、タモリさんやヒロミさんなど、お笑いの成功者が多いのも特徴です」

 吉画数に加えて、ヒロシの名前の中には吉文字も隠れているそう。

『ロ』という字は、すべてのひらがなとカタカナのなかで、いちばん運のいい文字。人との縁を上手に築いて、成功を収める力を持っています。人名はもちろん、企業名の中にこの字を使うのもおすすめ。ユニクロなどがいい例です。商売運などを引き寄せる力がありますよ」

【芸名→芸名】

 縁起をかついでつけたはずの芸名を、さらに別の芸名に改名するというパターンも少なくない。デビュー後、いまいちパッとしない状態が続くような場合に、イメージ一新を図って改名を行うこともあれば、さらなる運気アップを狙っての改名もある。

■真矢みき→真矢ミキ

 宝塚出身の女優、真矢ミキは、所属事務所の移籍に伴い、'15年に名をみきからミキへと改名した。

「気になるのは、どちらの名前にも、縁起のよくない『き(キ)』の字が入っていること。この字は、『あと少しで体に刃が届く様子』を表す、漢字の『幾』がもとになっています。

 名前に『き(キ)』があると、トラブルや事故に見舞われやすい運勢になってしまいます。真矢さんの場合は、あまり意味のない改名だったといえそうです。呼び名をどうしても変えたくないのであれば、せめて漢字に改名することをおすすめします」

■アンドレ・カンドレ→井上陽水

井上陽水、彼のデビュー曲『カンドレ・マンドレ』が元の芸名の由来という

 ミュージシャンのなかには、風変わりな芸名が多い。井上陽水のデビュー当時の名は、アンドレ・カンドレ。その後、本名の井上陽水(あきみ)を元にした「井上陽水(ようすい)」という芸名に改名した。

改名後は総運28画で、つかんだ栄光が長く続きにくい傾向が。ただし、芸能人やスポーツ選手、研究者など、ひとところにとどまらずに移動が伴いやすい職業に就くと、才能を上手に生かせます。

 注意すべきは『陽』の字。男性器を象徴する字で、男性の名に使うと、女性トラブルに見舞われやすくなります」

 陽の字は「陽子」など、昔から女性にもよく使われる。2020年度の名前ランキング(明治安田生命調べ)では、女の子で最も多かった名前の表記が「陽葵(ひな)(ひなた)」という結果となったが――。

男性器の象徴である『陽』が名前にある女性は、気の強い男っぽい性格となり、ダメ男が寄ってきやすい運勢です。たび重なる夫のトラブルに悩まされている南野陽子さんも、この傾向にあてはまっています」

■梶浦花→杉咲花

杉咲花、子役のときに名乗っていた梶浦花でも、今の成功は手にしていた?

 現在放送中のNHKの朝ドラ『おちょやん』で、主演を務める杉咲花。10代で日本アカデミー賞助演女優賞を受賞するなど、若手女優の中で大きな存在感を放っている。

 子役時代の芸名は、梶浦花。母親である、歌手のチエ・カジウラの姓がもとになっていると思われる。中学生になって本格的に女優活動を始めるにあたり、現在の芸名となった。

「どちらもいい名前です。改名にあたり、総運が32から26に変わったことで、さらに個性がはじける運勢となっています。ただし、異性問題が起こりやすい数字でもあるので、注意が必要です」

 花、さくら、すみれ、桃子など、花にまつわる名前は名づけの定番だが、運勢的にはどうか。

植物、特に花にまつわる名前は、栄光の期間が短くなってしまうという傾向があります。努力が実り、咲き誇っているときは人一倍輝くけれど、それが長続きしないことが多いのです」

 芸能人がいかに名前を大切にしているか。そして、名前がいかに人の運命を大きく左右するかということが、さまざまな改名事情から見えてきたのではないだろうか。なかやま先生によると、最近はキラキラネームの流行などにより、名づけに後悔した一般人からの改名相談も増えているそうだ。

 読者のなかには、ここで挙げた改名例に照らし合わせ、「自分は運勢的によくない名前だったのか」と心配になった人もいるかもしれない。しかしなかやま先生は、戸籍の名前にこだわる必要はないという。

名前の漢字を少し変えたり、ひらがな表記にしたりすることで、総運の数字が変わり、運が開けることがあります。公的な書類はともかく、日常では新しい名前の表記をどんどん使ってみましょう。戸籍の名前はそのままでも、十分運気アップにつながりますよ

 また、SNSで使うハンドルネームの改名もおすすめとのこと。

SNSのハンドルネームで気をつけることは?

「毎日のように使うSNSだからこそ、いいハンドルネームをつけることがとても大切です。特に注意すべき点は、

●総運、内運ともに、末尾の数字が0にならないこと
●危険な暗示のある6つのかな文字「き、キ、と、ト、ル、サ」を使わないこと

 のふたつ。姓名判断の本などを参考に、縁起のいい漢字などを使うのもよいでしょう」

 名前がもつ力を上手に使って、運を引き寄せよう!

チェック!
●総運:姓と名のすべての画数を足した数字。一生の運勢を暗示する、姓名判断においてもっとも重要なもの
●内運:姓の最後の一字と、名の最初の一字の画数を足した数字。内なる性格を表す。
●画数の数え方:姓名判断では、略字ではなく「正字」を用いる。たとえば、「沢」は「澤」の17画。「広」は「廣」の15画として数える。そのほかの字についても、漢字辞典などで正しい画数を調べよう。

『名前で人生は9割決まる』著=なかやま うんすい(自由国民社刊)この本で改名のすべてがわかる!
なかやま・うんすい●40年以上にわたって10万人以上の姓名を鑑定。現・千葉ロッテマリーンズの井口資仁監督など、多くの著名人の改名に携わる