しなやかでメリハリのある体形になるには、太る食べ方のクセを見直すのが不可欠。さらに1日5分の筋トレをプラスすればやせやすく! しっかり食べて引き締まる、健康ダイエットを紹介します。

※画像はイメージです

 夜遅い食事やストレスによるドカ食い……健康や美容に悪いとわかりつつ、やめられない人も多いのでは?

「それらはすべて太る食べグセ。以前は、私も悩んでいました」

 そう話すのは、健康美を競う大会で優勝した美容外科医の櫻井夏子先生。現在の体形からは想像できないが、拒食や過食に苦しんだ経験がある。

「いきすぎたダイエットで体重が38kgまで落ち、その後過食となって18kg増。このままではダメだと、健康的にやせる方法を考えてたどりついたのが、食べグセを見直すことだったんです」

 その方法とは、前述のような太る食べグセを一掃し、食事は1日3回、バランスよく食べること。一見当たり前のようだが、秘策は“手”にある。

「ごはんやパンはにぎりこぶし1個分、肉や魚などのタンパク質は手のひらにのる分だけ、野菜は手のひらいっぱいにのる量、油は人さし指の第一関節分をイメージ。これを1回の食事量の目安にして、食べすぎをセーブしたんです」

 さらに、料理を小さめの皿に盛って多く見せたり、朝食から夕食までを10時間以内にすませるなども実践。その結果、1年で8kgもの体重がストンと減少! ストレスを感じることなくダイエットに成功したのだ。

「やせる食べグセ」食事量は手ではかる

【主食】炭水化物は満腹感を得られやすくなるので、ダイエットを長続きさせるためにも毎食とるようにする。

【主食】炭水化物は満腹感を得られやすくなるので、ダイエットを長続きさせるためにも毎食とるようにする。《イラスト/さとう遊》

【肉・魚】タンパク質は身体に必要不可欠。ただし厚みのある肉は目安量より多くなるので、1日のトータル量で調整を。

【肉・魚】タンパク質は身体に必要不可欠。ただし厚みのある肉は目安量より多くなるので、1日のトータル量で調整を。《イラスト/さとう遊》

【油】炒め物に使う油、パンなどにつけるバターやドレッシングの油など、食事でとる油はすべて含める。

【油】炒め物に使う油、パンなどにつけるバターやドレッシングの油など、食事でとる油はすべて含める。《イラスト/さとう遊》

【野菜】手で作ったお椀1杯分が、最低限食べるべき量。グリーンサラダなら2杯、3杯とたくさん食べてOK。

【野菜】手で作ったお椀1杯分が、最低限食べるべき量。グリーンサラダなら2杯、3杯とたくさん食べてOK。《イラスト/さとう遊》

美ボディが加速、自宅で簡単筋トレ

 “食事と筋トレは、ダイエットのいわば両輪”と櫻井先生は強調する。

「ダイエットで皮下脂肪が減っても、下支えとなる筋肉が貧弱では重力にしたがって全体がもたついた印象に。上半身が鶏ガラで下半身が空気の抜けた風船のようでは、魅力的ではありません」

 筋トレにはボディラインを整えると同時に、筋肉量を増やすことでエネルギーが燃焼しやすい身体になる効果もある。行う時間もポイントで、

「筋トレのベストタイミングは食後の2~3時間後。消化が十分にされ、食事でとったタンパク質が効率よく筋肉の材料へと回されます」

 時間がないときは気になる部位を重点的に、余裕があればすべて行ってもいい。大切なのは、効かせたい筋肉を意識して1日5分でいいから続けることだ。夏に向けて、理想の健康美を手に入れよう!

1日5分から! 食後の筋トレ

「食事でタンパク質をとった後に筋トレをすると、筋肉がより発達しやすくなるんです」と櫻井先生。息を止めていきんだり、反動をつけたりして行わないように気をつけよう。

〜基本の呼吸法〜

 運動前に必ずやってほしいのがこちら。腹式で深い呼吸をすると、筋トレ効果がより高まり、姿勢も安定してくる。肋骨をしめるようにして行うとウエストシェイプにも!

【1】あおむけになり脚を上げてひざを90度に曲げる。お腹に力が入るのを意識する。

【2】手をお腹に当て、3秒かけて大きく息を吸う。お腹がふくらむのを意識して。

【3】20秒かけてゆっくり息を吐く。お腹がへこむのを意識する。

基本の呼吸法

《1回につき5~10回が目安》

お尻と脇腹のムダ肉撃退

 お腹まわりについた浮輪肉の正体は、お尻の上部、腰まわりにのった脂肪。脚を付け根から上げるトレーニングでしっかりシェイプ! 腰からウエストにかけて意識を集中し、骨盤が浮いたり、グラグラしないようにする。

【1】床に横向きになり、上になった手を腰に当てる。両脚は内側をつけた状態でひざを90度に曲げる。

【1】床に横向きになり、上になった手を腰に当てる。両脚は内側をつけた状態でひざを90度に曲げる。

【2】かかとの内側をつけたまま、上側の脚のひざをゆっくりと開いたり閉じたりする。このとき、お尻のサイドに効いているのを意識して。

【2】かかとの内側をつけたまま、上側の脚のひざをゆっくりと開いたり閉じたりする。このとき、お尻のサイドに効いているのを意識して。

【効果アップ】慣れてきたらかかとの内側をつけずに、脚全体を上げ、ひざをより大きく開くようにして。チューブがあれば、両脚のひざ上に巻いて行うと負荷が増してさらに効果的。

【効果アップ】慣れてきたらかかとの内側をつけずに、脚全体を上げ、ひざをより大きく開くようにして。チューブがあれば、両脚のひざ上に巻いて行うと負荷が増してさらに効果的。

《左右20回で1セット×1日3セット》

〜二の腕のたるみ解消〜

【2】脇を締め、ペットボトルが頭の後ろにくるようにひじを曲げる。このとき、ペットボトルの重さに負けて手首を曲げないように。※横に張り出したり上げたりしない

 振り袖のようなぷよぷよした腕の肉は、上腕三頭筋を鍛えて撃退! 二の腕がスッキリすると上半身がスリムな印象になります。ペットボトルの重さにつられてひじが動いてしまわないように、反動をつけずゆっくりと行います。

【1】床にあぐらの姿勢で座り、500mlのペットボトルを持ち、頭の上へ。※ひじの位置がぶれないように

【2】脇を締め、ペットボトルが頭の後ろにくるようにひじを曲げる。このとき、ペットボトルの重さに負けて手首を曲げないように。※横に張り出したり上げたりしない

※500mlでできるようになったら1Lの重量にトライ。落とさないように気をつけて。

《15回1セット×1日3セット》

〜下半身のボリュームダウン〜

【2】ゆっくりと呼吸しながら、深く腰を落とす。このとき、ひざはつま先と同じ方向に向け、内側へ入らないようにする。

 筋トレの王様と呼ばれるスクワットは、できるだけ腰を深く落とすのがミソ。お尻~脚全体を重点的に引き締めることができ、背筋や腹筋も鍛えられるので全身シェイプにも。顔は正面を見るようにして、前屈みにならないよう気をつけて。

【1】脚を肩幅よりやや広く開いて立ち、つま先を外側45度に向ける。※ひざはつま先より前へ出ないように

【2】ゆっくりと呼吸しながら、深く腰を落とす。このとき、ひざはつま先と同じ方向に向け、内側へ入らないようにする。

【3】ゆっくりとの1姿勢に戻る。このとき、ひざを伸ばしきらないようにする。

《20回1セット×1日3セット》

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教えてくれたのは……櫻井夏子先生●美容外科医。TAクリニック医師。ベストボディ・ジャパン2020ジャンル別大会【ドクター部門】でグランプリ受賞。医師として、6年間で1万人に食事、健康指導を行った実績をもつ。

《取材・文/樫野早苗》