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 住居費や資産運用などの大きなお金は、1度見直すとガッポリお金が貯まりだす! ドリル形式で、押さえておきたいお金の知識をしっかり身につけて。

お金ドリル 住居費編

・住宅ローンや家賃の住居費は効果が大きく、家計節約の要!

「住居」にまつわるお金は、額が大きいので、見直すと大きな節約効果が生まれる。

 なかでも住宅ローンを抱えている人が押さえておきたいポイントがあるという。

借金=悪ととらえて早く返したいと思う人も多いのですが、低金利の今は、あえて繰り上げ返済をしないほうが得することもあります」と話すのはファイナンシャルプランナーの前田晃介さん。

 税制が優遇される住宅ローン控除が適用になる期間や、子どもの教育費にお金がかかる時期は、安易に繰り上げ返済を検討しないほうがいい。

住宅ローン控除を受けられる人は、年末時の住宅ローン残高の1%が、住宅ローンの最大控除額として設定されています。繰り上げ返済を行うことで、住宅ローン残高が少なくなり、所得税などからの控除額が減額します

 どちらが得なのか、冷静に検討を。

【第1問】4000万円の住宅ローンを組むのに、35年で比べたら、都市銀行とネット銀行のどちらが得?

(1)都市銀行
(2)ネット銀行
(3)どちらも同じ


(答え)ネット銀行がお得!

 都市銀行で4000万円(諸費用込み)、35年、変動金利0.575%、団信(※1)の条件で借りると返済総額は4416万9194円。ネット銀行では同じ額で35年、変動金利0.41%、特殊団信つきで返済総額は4294万5181円。35年の返済総額の差は122万4013円! 正解は(2)

(※1)団体信用生命保険。住宅ローン契約者が亡くなったり、高度障害になった場合、保険金でローン残高が0円になる。三大疾病などを保証するような特殊団信もある。

※イラストはイメージです

【第2問】期間35年、変動金利0.575%で、4000万円の住宅ローンを借りた。1年後から毎月1万円繰り上げ返済するとどのくらい得?

(1)約38万円
(2)約76万円
(3)約114万円
(4)約152万円


(答え)返済額が減り、返済期間も短縮

 正解は(1)。繰り上げ返済を行わないと総返済額は4416万円、毎年12万円ずつ繰り上げ返済をすると、総返済額は4378万円になり、約38万円得をする。そのうえ、返済期間も31年8か月に縮むことに。金利が高い、残り期間が長い、残債が多い場合は繰り上げ返済を検討しよう。

【第3問】子どもが独立したため、東京23区内の持ち家を売って八王子市のマンションに住み替えた場合、賃貸と購入では、生涯のコストはいくら違う?(中古マンション2980万円か同等の物件で賃料は14万円)

(1)生涯賃貸が約2000万円お得
(2)購入したほうが約2000万円お得
(3)どちらもほぼ変わらない


(答え)基本的には購入したほうがお得

 正解は(2)。購入の場合(※2)、トータルでかかるお金は4809万円、30年後にマンションが半値の1490万円の価値があると仮定すると実質コストは4809万−1490万=3319万円。一方、賃貸の場合(※3)はトータルのコストは5320万円になり、2001万円の差が出ることに。

(※2)物件価格の6%の諸費用、購入後20年で300万円リフォームを実施、管理費と修繕積立金は2万5000円で一定、固定資産税は毎年15万円、90歳まで生存したと仮定して試算。
(※3)入居時諸費用が家賃の5か月分として70万円、30年分の家賃5040万円+2年ごとの更新料210万円と仮定して試算。

【第4問】2008年に組んだ4000万円の住宅ローンの残りが2783万円。借り換えた場合、どのくらい得になる?

(1)約100万円
(2)約170万円
(3)約260万円
(4)約330万円


(答え)まずはネットなどで試算をしてみて

 低金利の今、10年以上前に組んだローンは借り換えたほうが得になることが多い。そのまま返済(※4)すると、総返済額は3269万1488円に。一方、諸費用込みの2880万円を変動金利0.41%、残り期間22年4か月で借り換えると総返済額は3014万3442円になり、その差は約260万円。正解は(3)

(※4)変動金利1.475%、35年で借り入れたとすると、2020年9月現在のローン残高が2783万8232円になるとして計算。

お金ドリル 退職金・年金編

・年金や退職金をあてにするだけでなく、働くことも視野に

「老後のお金というと、貯蓄や年金、退職金などをイメージすると思いますが、確実なのは健康な限り、少しでも長く働くこと。長く働ければそれだけ安心が手に入ります」

 働くことで安定的に収入を確保できるだけでなく、生きがいにもつながる。

コロナ禍で在宅ワークをする人も増えています。自分の得意なことを登録してスマホを使って副業するのも一案。特別な才能が必要なわけではなく、家事能力や趣味がお金になるのも今の時代ならでは。まずは怖がらずに、デジタルに強くなることから始めてみましょう

 そのうえで、すぐに年金をもらわなくてもいい状況なら、年金の受給は少しでも繰り下げたほうが得。長生きすればするほど数百万~1千万円以上の差が出るのだ。

【第5問】50歳で年収500万円。希望退職すると退職金が1000万円上乗せされる。60歳の定年まで勤めるのと50歳で希望退職、60歳までの総収入はどれくらい違う?

(1)約2000万円
(2)約3000万円
(3)約4000万円
(4)約5000万円

(答え)上乗せにつられるとソン!?

 正解は(3)。60歳まで働いたら手にできるのは500万円の10年分、5000万円。希望退職の上乗せはたった1000万円なので、差し引き4000万円をフイにしてしまうことに(※5)。上乗せにつられてすぐ退職してしまうと、後悔することも。定年まで勤めるのが得。

(※5)10年間多く勤続することによる、退職金の上乗せは計算に含まない。500万円×10年=5000万円 5000万円−1000万円=4000万円のダウン。

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【第6問】勤続年数30年、退職金は1500万円。退職金は一時金と年金、どちらで受け取るのが得?

1)年金で受け取ったほうが得
(2)一時金で受け取ったほうが得
(3)どちらも同じ 
(4)一時金と年金の半分に分けるのが得

(答え)有利な控除が使える

 税金面から考えれば、一時金で受け取ったほうが得になることが多い。理由は、退職所得控除(※6)が使えるため。手取り金額では分割で受け取ると損になるので、正解は(2)。ただし、退職所得控除よりも多くなったときは、越えた分を年金で受け取ったほうが得に。1度、計算を。

(※6)退職所得控除とは、勤続年数に応じた金額を退職給付金から控除できる制度。控除額が大きいので使ったほうがいい。

【第7問】自営業の場合、50歳から60歳まで国民年金の付加年金保険料(※7)を毎月400円納め、90歳まで生存したとすると、生涯でもらえる年金はいくら増える?

(1)9万6000円
(2)24万円
(3)60万円

(答え)長生きしたら掛けた金額の10倍以上

 付加年金を納めると、納めた月数×200円分、65歳からの基礎年金の年額が増えるため、長生きすればするほど得をすることに。10年分の4万8000円を納めただけでも65歳からの年金(年額)が200円×120か月=2万4000円増え、90歳までに2万4000円×25年=60万円となる。正解は(3)。

(※7)毎月の国民年金の保険料に400円上乗せして納めることで、将来に受給する年金額を増やせる。フリーランスで働く第1号被保険者や、国民年金の任意加入被保険者(65歳以上除く)の方限定の制度。

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【第8問】年金を繰り上げ受給して60歳から受け取る場合と65歳からスタートする場合、90歳時点でどちらのほうが得?(65歳の年金額は180万円とする)

(1)60歳で受け取ったほうが20万円の得
(2)どちらもそれほど変わらない
(3)65歳で受け取ると20万円の得
(4)65歳で受け取ると700万円以上の得

(答え)受給年齢により大きな差が!

 60歳まで繰り上げ受給をすると65歳から受け取る額の30%減額になる(※8)。60歳から90歳までの30年では、総額3780万円(※9)、65歳から90歳までの25年なら、総額は4500万円(※10)で、その差額は720万円にも! 正解は(4)。

(※8)2022年4月より、年4.8%の減額に変わる。60歳で受け取ると24%の減額になる。それでも、400万円近い差が出る。
(※9)126万円×30年=3780万円
(※10)180万円×25年=4500万円

お金ドリル 資産運用編

・何もしなければ資産は減っていくという事実!

資産運用や投資という言葉を聞いただけで敬遠してしまう人も多いものです。でも投資は、やらないことのリスクのほうが高い。物価が上がるとお金の価値は下がるので、何もしなければ資産は減っていきます

 投資の初心者が、特に理解しておきたいのはiDeCoとつみたてNISAの2つだ。

 iDeCoは個人型確定拠出年金で、公的年金に上乗せをするもの(加入年齢は60歳未満)で、60歳以降に受け取れる。つみたてNISAは積立型少額投資非課税制度で、受け取りはいつでもできる。どちらも税制優遇があるのが特徴。

どちらの商品もインデックスファンドを選べば、手数料も安く、低リスク。初めての人にもおすすめ。時間がそのままお金につながります!

 人生100年時代。長く続けることで大きな利益が期待できるので、今からコツコツ始めておくと、将来の差は大きい。

【第9問】毎月2万円の積み立てを20年間行った場合、iDeCoとつみたてNISAではどちらが得?

(1)iDeCo
(2)つみたてNISA

(答え)目的に応じてうまく使い分けて

 正解は(1)。iDeCoは掛け金が全額所得控除になるのに対し、つみたてNISAはこの節税効果がなし。iDeCoは毎年約3万6000円(※11)、20年で約72万3000円(※12)の節税に。ただしiDeCoは60歳まで現金化できないが、つみたてNISAはいつでも現金化可能。目的によって使い分けよう。

(※11)40歳、年収500万円、配偶者と子ども2人(2歳と0歳)がいると想定
(※12)年収500万円が20年変わらないと想定。

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【第10問】iDeCoで毎月1万円の積み立てをした場合と、5万円の積み立てをした場合、30年間の節税額はいくら違う?

(1)約120万円
(2)約240万円
(3)約380万円
(4)約480万円

(答え)30年後には大きな差になる

 毎月1万円の積み立てでは節税額は119万5035円(※13)、毎月5万円では597万6979円の節税になり、その差は478万1944円に。1万円と5万円で節税効果の割合に差はないものの、年間の所得控除額と運用益の金額が大きくなるため、節税額も大きくなる。正解は(4)。

(※13)受け取り時の税制優遇は割愛。積み立て開始時は30歳、年収500万円、配偶者と子ども2人(2歳と0歳)がいると想定。年収500万円が30年変わらないと想定(毎月5万円も同様)。本来差し引かれる税金20.315%は考慮せず(毎月5万円も同様)。

【第11問】40歳、年収500万円の人が60歳まで毎月2万円を積み立てた場合、20年後、iDeCoと預金での貯蓄額の差は?

(1)約18万3500円
(2)約36万3000円
(3)約54万4500円
(4)約72万6000円

(答え)iDeCoは節税効果が高い

 正解は(4)。iDeCoは非常に節税効果が高い商品。iDeCoの積み立て中は掛け金の全額が控除の対象となるため、所得税と住民税を合わせて、3万6000円(※14)の節税ができ、20年で72万6000円の差がつくことに。また、銀行の預金につく利息にかかる税金も、iDeCoなら非課税に。

(※14)年収500万円が20年間変わらないと想定。税額の計算は「給与所得控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済控除」「配偶者控除」「扶養控除」「基礎控除」のみ考慮。

【第12問】2000万円の貯蓄をしたい場合、特定口座とNISA口座のどちらを使ったほうがいい?

(1)特定口座
(2)NISA口座

(答え)税制優遇で差がつく結果に

 特定口座とは証券会社に開設する口座のこと。NISA口座との違いは、利益に税金がかかるか、かからないか(※15)です。NISA口座は、利益に対して税金がかからないため、今回のケースではNISA口座だと用意する金額も少なく、目標金額に達するまでの時間が短くなる。正解は(2)

(※15)証券会社の口座には、一般口座と特定口座(証券会社が年間の損益を計算してくれる)、NISA口座(決まった金額での投資による利益が非課税になる)がある。年120万円(つみたてNISAは年40万円)の範囲内で購入した金融商品の利益に課税されない。NISA口座以外は利益の20.315%が税金として差し引かれる。

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お金ドリル 生活費編

・何に支出しているかを把握し、しっかり貯蓄を!

「自分が何にいくら使っているかを把握していない人は多いんです」  

 生活費の中で大きな割合を占めるスマホ代や、便利なキャッシュレス決済、ポイ活。日々の生活に欠かせないものだからこそ、しっかりと知識を得ることで節約が叶い、お得もゲットできる。 

便利な家計簿アプリなどもあるので、積極的に利用を。毎日体重を量って意識するとダイエットできるのと同じで、最初に“◯◯円貯める”と目標を立て、先取り貯蓄をして支出を意識する。これで家計のスリム化が実現します!

【第13問】大手キャリアで携帯電話を契約中。60年間使い続けると、1人あたりいくら払ってる?

(1)約230万円
(2)約470万円
(3)約580万円
(4)約720万円

(答え)意外に高額な携帯電話料金

 大手3大キャリアユーザーの平均月額料金は2019年時点で8023円。これを60年間使い続けると、総額は577万6560円にも! 必要不可欠な道具とはいえ、通信費は知らず知らずに高額になる可能性が高いので、不要なサービスは解約するなど、節約できる部分は検討を! 正解は(3)。

【第14問】30万円のバッグをクレジットカードで買う場合、月々3万円のリボ払いと、ボーナス一括払いでの差額はいくら?

(1)約1万3000円
(2)約2万円
(3)約3万円
(4)約5万8000円

(答え)安易にリボ払いを選ぶと大変

 正解は2。リボ払いの実質年率は15%とかなり高い利率。利用残高は毎月の支払いで減っていき、このケースでの支払い総額は32万625円に(※16)。一方、ボーナス一括払いは手数料がかからないことがほとんどで、その差額は2万円ほどになる。

(※16)今回は元本定額で、毎月の日数を30日として計算。実際の返済金額とは異なる。

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【第15問】年間120万円の買い物をした。還元率0.5%と2%のクレジットカードでは、どれだけポイントに差がつく?

(1)変わらない
(2)6000ポイント
(3)1万2000ポイント
(4)1万8000ポイント

(答え)年会費無料のカードは還元率が低め

 還元率0.5%では6000ポイント、還元率2%では2万4000ポイント(※17)になり、その差は1万8000ポイントで、正解は(4)。1ポイント=1円と換算すると、その差はかなり大きい。年会費無料のカードは往々にして還元率が低く、長い目でみると年会費を払ったほうが得なケースもある。

(※17)120万円×還元率0.5%=6000ポイント、120万円×還元率2%=2万4000ポイント

お話を伺ったのは……前田晃介さん
1988年生まれ。高知県出身。大手不動産管理会社、ファイナンシャルプランナー会社を経て起業。著書に『読むだけで1億円以上得する! お金ドリル88』(徳間書店)がある。
●取材・文/樋口由夏●