近藤真彦

「後輩たちにも、ファンの人たちにも何の説明をしていない。説明をしたくなかったのか、することが出来なかったのか、それともこれからするのか」

 5月2日、『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)キャスターの東山紀之が、4月をもってジャニーズ事務所を退所した近藤真彦に向けた言葉は辛辣なものだった。そして、己を省みるように「僕らはたくさんのファンの人たちに支えられている。それに向き合うのが礼儀のひとつだと思う」と話し、先輩に苦言を呈したのだった。

「ヒガシはマッチに物申せる、ジャニーズ内でも数少ない1人。“ジャニーズの長男”などともてはやされ、良くも悪くもヤンチャで自由奔放なマッチとは違い、エンターテイメントに向き合って手本を示してきたヒガシこそ、後輩の信用を集める“長男”なんです。実際、マッチ本人も周囲に“東山には頭が上がらないんだよ”と話していたほど」(スポーツ紙芸能デスク)

ジャニーズ初の不倫騒動

 とはいえ、ジャニーズの“礎”を築いた1人でもある御大だ。そんな“レジェンド”が、なぜ急に自ら退所を申し入れたのだろうか。「ジャニーズ内でも“初めての事態”に相当の協議がなされたそうですね」とは、テレビ局プロデューサー。

「実は現役の所属タレントで、写真までガッツリ撮られた“不倫”騒動はマッチさんが初めて。よりによって“長男”がやらかしたんです。結果、ネットを中心に批判の声が大きくなり、ジャニーズもおとがめなしとはいかずに活動自粛を決定。でも、この処遇にマッチさんは不満を持っていたそうです」

 2020年11月に25歳年下女性との約5年間にわたる不倫を『週刊文春』に報じられたマッチ。記事では《(不倫を)揉み消せる権力を俺は持っている》と豪語したとされたが、実際には力及ばなかったということか。

 結局は謝罪会見などは行わずに処分を受け入れたマッチだったが、芸能活動と合わせて「レース」への参加自粛も余儀なくされた。

「現在は『KONDO Racing Team』の監督を務めており、昨年11月には『GT300クラス』でチームランキング首位に立ちタイトルを獲得するなど、2000年のチーム発足以降、ここにきて着実に結果を出しているのです。そうしたなかで“身から出た錆”とはいえ、ようやくノってきたレース事業から離れるわけにはいきません。

 レースは彼の人生でもあり、近年では芸能よりも優先させていたところがあります。昨年末ごろには“レースなら復帰できるでしょ”と吹聴していたとも言いますが、待てども明けない“無期限”の自粛に業を煮やしたのではないでしょうか」(芸能リポーター)

「退所」をチラつかせて復帰を

 4月30日には、自身が監督を務める『KONDO Racing Team』の公式HP上において、《弊社代表 近藤真彦に関するご報告》としてジャニーズ事務所との“円満退社”を報告し、さらに《弊社としましては、従来通りのレース活動を継続していくことを報告させて頂きます》と発表。今なお自粛期間中とはするも、5月からは本格的にレースシーズンが始まるだけに早々に復帰するのかもしれない。

 一方で、ヒガシをはじめとした親しい関係者にも相談せずに突然、自ら退所を申し出たのには、こんな“思惑”が見え隠れしていたとも。

マッチさんは自粛を解かせるための“ブラフ”として退所をチラつかせた、とも考えられます。“俺が辞めたら困るだろう、誰かが止めるだろう”と。ところが、彼を引き止めるものはいなかった、というのが実際のところではないでしょうか。

 というのも、ご存知の通り、近年のジャニーズは藤島ジュリー景子新社長と滝沢秀明副社長を中心に世代交代を押し進めています。『King & Prince』をはじめ、『Snow Man』や『Six Tones』らを中心とした、CDセールスやライブ、それに物販(グッズなど)で収益を出せる若手グループの育成を優先しているのです」(前出・テレビ局プロデューサー)

 かたや、昨年に40周年を迎えていたマッチだが、不倫騒動によってコンサートツアーも完走できずに歌番組への出演も取りやめに。そもそも近年の仕事ぶりは会社に大きな利益をもたらしていた、とは言いがたい。

「それでも、所内で我が物顔で振る舞うマッチさんは、ジュリー社長も強く言えない“目の上のタンコブ”のようなもの。扱いに困っていたところに本人から退所を申し出てくれて、すんなりと事が運んだということでしょう。苦楽を共にしたヒガシさんにしてみれば納得いかない退所劇なのかもしれませんが、マッチさんと事務所の双方で“円満”だったのは間違いなさそう」(前出・テレビ局プロデューサー)

 “けじめ”をつけたのか、つけられたのか。