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 “レス”大国といわれる日本でも、50代・60代でまだまだ現役な夫婦も珍しくない! 10数年の時を経て、“レス”から“フル”へと変わった夫婦のエピソードを紹介。いつまでも元気であるために、これをきっかけに夫婦生活を見直してみては?

最近の50代・60代は“二極化”

 世界的にみてもセックスレスが深刻といわれる日本。実際、『週刊女性』が昨年40代~60代の女性650人を対象にしたアンケートでも、6割強が10年以上セックスレスだと回答。

 しかし、長年、恋人・夫婦仲相談所の所長を務めている三松真由美さんによると「アラカンでも月1回以上セックスをしている“セックスフル夫婦”は少なくない」という。

「最近の50代・60代は、いまだお盛んな人と、セックスをまったくしない人の“二極化”が進んでいます」(三松さん、以下同)

 年齢を重ねると女性は濡れにくくなり、更年期にはセックス自体、する気が起きなくなる。

でも、更年期が落ち着いて夫への愛おしい気持ちがあるなら、それまでレスな夫婦でもセックスフルに戻れる可能性は十分。ちょっとしたきっかけで夜の営みが復活したアラカン夫婦も珍しくありません」

 アラカンで10数年ぶりにセックスライフを取り戻した夫婦の実例を教えてもらった。

・40代~60代の既婚女性に聞きました!

Q.夫やパートナーと性交渉はある?
 はい……30%
 いいえ……70%

Q.「いいえ」の人はどのくらいしていない?
・2~3年……11.43%
・5年くらい……14.92%
・10年くらい……18.73%
・10年以上……43.81%
・その他……11.11%

※2020年、既婚女性650人にアンケート(Freeasy)

息子の部屋で見つけた◯◯◯がきっかけに

 33歳のときに息子を出産した町山美奈子さん(仮名・56歳)。飲料メーカーに勤務する夫とは、いつの間にかレスになっていたと振り返る。

「明確な理由があったわけではないんですが、やっぱり子育てが忙しかったんだと思います。子どもに手がかからなくなっても、中高生の息子が同じ空間にいる状況では、なかなかそういう雰囲気にはならないですよね(笑)」

 子どもの成長とともにご無沙汰になった町山さん夫婦に、ある転機が訪れる。

「息子が大学進学を機に家を出ることになって。初めは家族がふたりになってしまったような寂しさがありましたが、息子が独立してからは夫も仕事を早く切り上げて帰ってくるようになりました」

 平日は一緒に散歩をしたり、休日には映画を見に行ったりとふたりの時間を楽しむようになったという。

「夫との距離が縮まっている実感があった」と、美奈子さん。

「そんなタイミングで、息子の部屋でエッチな雑誌を発見したんです。夫にその話をして息子の成長にしみじみしていると、“このまま自分たちも枯れちゃうのはもったいないね”と、夫に言われてハッとしたんです」

 それ以来、お互いの身体をマッサージするように。ボディタッチ自体もご無沙汰だったため、当初は付き合いたてのカップルのような気恥ずかしさがあったものの、次第に心地よくなってきたそう。

「マッサージにも慣れてきてくすぐり合ったり、ふざけ合ったりしているうちに“久々にセックスしてみようか”という雰囲気になって……。今では月に2~3回は“仲よし”していますね」

 息子のエッチな雑誌が営み復活のきっかけに。子はかすがいとはよく言ったものだ。

 三松さんも、「子どもの独立は大きなきっかけになります。久しぶりのセックスに自信がない人は初心者向けのプレジャーアイテムを使うのもアリ。レスの50代・60代は、自分は“18歳の女の子と同じ”くらいに思って自分の性的嗜好を研究してほしいです」と話す。

パート仲間の不倫話で復活

 続いては、お盛んな友人の影響でセックスフル夫婦になったエピソード。ブティックでパートをしている中村由美さん(仮名・57歳)はある日、同僚から「ここだけの話」を聞かされたという。

「彼女は高校の同窓会で再会した元彼と“ダブル不倫”をしているそうなんです。昼ドラみたいだな〜と思って、興味津々でいろいろ聞いちゃいました。その話を聞いてから、同年代の彼女から色気を感じるようになりましたね」

 一方の由美さんは、不倫どころか夫とのセックスもかなりご無沙汰だった。

「私たち夫婦は子宝に恵まれなかったのですが、昔は妊活のために義務感でセックスしていたので、楽しめなくて。お互い同じ気持ちだったのか、40代に入ってからは妊活もやめてセックスもしなくなって……。でも、会話は弾むし、夫婦仲はいいんですよ」

 夫婦の会話の種として、同僚の不倫話で盛り上がっていると、ふとあることに興味が湧いた。

「彼女たちが利用しているラブホテルについてです。狭い街なので、彼女たちは郊外にあるラブホテルで会っていたのですが、最近のラブホテルはきれいでカラオケもあると聞いて。興味本位から、週末に夫婦で行ってみたんです

 30年ぶりに行ったラブホテルはまさにレジャーランドだった、と由美さん。

「カラオケはもちろん、料理もそれなりにおいしくて感動しました。その後、カラオケに飽きてビデオ・オン・デマンドをザッピングしていたら、間違えてエッチなチャンネルに切り替わっちゃって。最初はふたりで笑いながら見ていたんですけど、なんとなくいいムードになって10数年ぶりにセックスしました」

 それ以来、中村さん夫婦は休日にラブホテル巡りをするようになったという。

「性的好奇心をくすぐる友人の存在により“復活”することも少なくないです。セックスフルのきっかけは、いろんなところにあるんですよ」(三松さん)

スキンシップと刺激が若さと色気の秘訣

 1万組以上の夫婦の悩みにこたえてきた三松さんは「セックスフルなご夫婦はとっても元気」と話す。

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「もちろん元気だからセックスができるという面もあります。でもそれだけでなく、“好きだよ”などの愛情表現やマッサージなどのスキンシップの有無は、老後のQOL(人生の質)に大きな差が出ます。アラカンのセックスにはさまざまなメリットがあるんですよ」

 人生100年時代には、肌の触れ合いが必須なのかもしれない。そしてセックスフル夫婦を目指す場合は注意点がある、と三松さん。

セックス=挿入や射精という固定観念を脱却することです。アラカンになると男性は勃起しにくくなるし、女性も濡れなくなるので、若いころのようなセックスはできません。

 まずは、身体の変化を受け入れてふたりで話し合い“自分たちだけのセックス”を定義してください。ある70代のご夫婦は“裸で肌を寄せ合って寝るだけで幸せ”と話していました。これこそ、究極のセックスの形ですよね

 ふたりだけのセックスを追求してみてはいかがだろう。

三松真由美さん ●恋人・夫婦仲相談所所長、コラムニスト。日本性科学会会員。夫婦仲、恋仲に悩む女性会員1万3000人を擁するコミュニティーを展開。セックスレスや理想の結婚、EDをテーマに考察する。

〈取材・文/大貫未来(清談社)〉