パイナップルとキクラゲの炒め物

 今年3月、中国政府が台湾パイナップルの輸入を禁止したのを受け、立ち上がったのが日本の消費者による拡販支援。東日本大震災で受けた200億円の義援金の恩をここで返さねば……つまり「食べて恩返し」だ!! 生でもおいしい台湾パイナップルの“現地流”の食べ方を教わった!

現地専門店で聞いた
おいしいパイナップルの選び方

 実が全体的に黄色っぽくて皮がやわらかく、芯まで甘い台湾パイナップル。現地の市場では1つ、およそ60元から100元(日本円で235~400円弱 ※2021年5月のレート、1元=3.91元で換算)で売られている。「台湾では“酸っぱいものが好き”という人も少なくなく、店側に好みを伝えれば選んでもらえます」と言うのは台湾暮らし2年目の料理家、小河知惠子さんだ。すっぱすぎた場合には、皮をむいて空気にさらしておけば酸味が抜けて甘くなる。日本では人気すぎてまだまだ手に入りにくい台湾パイナップル。運よく入手できたときには、ぜひ試してみよう。

台湾パイナップル

●網目が大きく、平らなもの
●丸く太っているもの
●ずっしりと重いもの
●実が黄色で、とげの部分が赤くなっていれば食べごろ!

台湾流・パイナップルの切り方

台湾流・パイナップルの切り方

(1)パイナップルの頭の部分とおしりの部分を切り落とす
(2)まわりの皮を縦に全部切り落とす
(3)黒く残った部分をさらに切り落とす
(4)十字に包丁を入れて4等分にする
(5)半分を横にして1センチ幅くらいに切る

●最初にまわりの皮を全部落とすのが台湾流!

パイナップルとゴーヤのチキンスープ

パイナップルとゴーヤのチキンスープ

給食としても提供される台湾の名物スープ

<材料(2〜3人分)>
パイナップル…100g
種とワタを取ったゴーヤ…100g
鶏手羽元(下ゆでしておく)…250g (4〜5本)
ショウガ…スライス2枚
水…3カップ
酒…大さじ1
塩…小さじ1

<作り方>

(1)パイナップルは1センチ幅の小さめのひと口大に切る。ゴーヤも1センチ幅に切り、さらに半分に切る。

(2)鍋に水を入れて沸騰させ、下ゆでした手羽元と1、ショウガを加えて弱めの中火で15分から20分程度煮る。

(3)酒を加え、アルコールが飛んだら塩で味を調えて完成。苦味が強い場合は一度冷まして再度温めると苦味が和らぐ。

手羽元は骨から肉がはがれてくるまで煮る

◎POINT
手羽元は骨から肉がはがれてくるまで煮る

パイナップルとキクラゲの炒め物

パイナップルとキクラゲの炒め物

免疫力アップするヘルシーな家庭料理の定番!

<材料(2人分)>
パイナップル…120g
乾燥キクラゲ 戻した状態で…80g
皮をむいたショウガ…5g
油…大さじ1
【A】
 塩…小さじ1/4
 砂糖…小さじ1/2
 しょうゆ…小さじ1.5 
 お酢…小さじ1

<作り方>

(1)パイナップルは5ミリ厚さの小さめひと口大に切る。乾燥キクラゲはしっかりと水で戻し(袋の表示時間より長く)、10円玉程度の大きさにちぎっておく。ショウガは縦長の千切りにする。 Aの調味料を合わせておく。

(2)フライパンに油を入れて熱し、中火でショウガを炒める。香りが出たらキクラゲを加え、油が回ったところでパイナップルを入れて火を通す。

(3)調味料を加えて弱めの中火で炒め、汁けがなくなったら火を止める。砂糖ひとつまみ(分量外)を入れてなじませたらできあがり。

キクラゲは手でちぎることで味が染みやすくなる

◎POINT
キクラゲは手でちぎることで味が染みやすくなる

パイナップルジャム

パイナップルジャム

食べきれなかったときの保存にぴったり。お茶にも!

<材料(2〜3人分)>
完熟パイナップル…300g
砂糖…100g
レモン汁…大さじ1

<作り方>

(1)パイナップルは3等分にして、2/3をみじん切りにする。1/3は5ミリ角くらいに切る。

(2)鍋に1と砂糖、レモン汁を入れて30分くらいおいて水分を出してから強火にかける。

(3)沸騰したら弱めの中火にしてかき混ぜながら煮込む。20分ほどたって汁けが少なくなり、とろみがついてきたらできあがり。

切る大きさを変えることで食感が際立つ

◎POINT
切る大きさを変えることで食感が際立つ

●お茶にしても!
 好みのお茶に入れて、好みでレモンを搾れば鳳梨檸檬茶のできあがり! お茶は紅茶でもウーロン茶でもOKだが、暑い台湾ではアイスティーにするのが基本☆

パイナップルジャムはお茶にしても!

【『週刊女性PRIME』MSNニュース限定配信記事】


現地在住 台湾料理研究家
小河知惠子先生
料理研究家としてテレビや雑誌で活躍後、台湾に料理留学。現地教室で80種類以上の台湾料理を学びディプロマ取得。日本の食材でも作れる本格的なレシピの開発、発信を続けている。2019年から台北在住。

《取材・文/大西鮎子 撮影/葉思宜》