大谷翔平との交際説が囁かれたカマラニ・ドゥン(インスタグラムより)

「ビッグフライ! オオタニスゥアン!」

 米・大リーグで本塁打王争いの最前線に立つエンゼルスの大谷翔平投手。打って投げてとその勢いはとどまることを知らない。規格外の能力はメディアでも「野球マンガのキャラクター」と形容されているほどである。

 その非現実ぶりはプレーに限ったことではなく、“内面”にも同じことがいえよう。甘いルックスでありながら野球一筋、高みに到達するために日々たゆまぬ自己研鑽を続けるストイックぶり。かと思えば、チームメイトからも愛され、ファンにも神対応をみせる。そして、絶対にモテるはずなのに浮いた話は聞こえてこない。つまり、マンガの人なのだ。

 彼の成績が上向きになればなるほど、世間から聞こえてくるのは「大谷は誰と結婚するのか」の声である。ことプロ野球選手にはさまざまな面で妻のサポートが必要だと考えられているというのもあるだろう──。

栗山監督の“束縛”

《たぶん、積極的にアプローチします。相手の出方を待ったりするタイプではないです》

 これは、女性誌『anan(アンアン)』のインタビューで“女性を好きになったら”と問われたときに大谷が出した回答だ。

「積極的にアプローチする」としながらも、これまで決定的な熱愛報道はなかった。野球に打ち込みすぎて恋愛などしている暇がないのかもしれないが、理由はほかにもあったと考えられそうだ。それは、周囲が彼に干渉しすぎていたこと。色恋で道を踏み外さないようにと、とことん神経を尖らせてきた経緯がみてとれる。

 プロ1年目からメジャーに旅立つまで、“親代わり”として育ててきた日本ハムの栗山英樹監督は、“二刀流”ゆえにケアも2倍必要な大谷に対して特別な制限を設けていたと明かしている。

《外出する時には、誰と行くのか、全部教えろ、と。特に北海道は、少し活躍するとすぐにスター扱いされてしまう。つい「ちょっとススキノ行くぞ!」となりがちなんです。(中略)外出相手をすべて僕に報告となればみんな誘いにくくなる。僕に誰とどこに行っているか把握されているので、相手も翔平に門限を破らせにくくなるんです》(『週刊新潮』2018年)

 目を丸くするような過保護ぶりというか、もはや束縛に近いものすら感じる。チームメイトとの関係がこじれなかったか心配になるくらいだ。遊び盛りのヤンチャ選手ならグレてしまいそうなものだが、大谷は違った。本人がインタビューで発していた一流の自制心を引用したい。

《べつにディスコに行ってみようかなとか思わないです。(中略)こうやってチヤホヤされる世界ですし、王様になったら終わりの世界なんで、なかなか体験できないですよね》(『カドカワ』2017年)

牽制される女子アナたち

 栗山監督の監視とそれに呼応する大谷。この師弟関係がいわゆる「大谷と恋愛」を遠ざけてきた要因のひとつであることは間違いないだろう。栗山監督は「クリスマスイブにもひとりでバッティング練習に打ち込んでいた」と『新潮』に嬉々として綴っている。単に“スポ根”という言葉では括りきれない鬼気迫る何かがそこにはある。

 もうひとつ。“悪い虫が寄り付かないように”と牽制する存在があった。それは大手マスコミだ。

 振り返れば、スポーツ紙や週刊誌は常に忍びよる(?)女性の影について過剰反応を示してきた背景がある。たとえば、かつて噂になったバレーボールの狩野舞子についても「同じブレスレットをつけていた」「大谷の試合を観戦していた」というだけの理由で双方の親に直撃取材を敢行した。ほかにも、野球選手と近いポジションにあった女性たちにも厳しく目を光らせていたことがわかる。以下に挙げるのはあくまで一例。

《大谷を“狙っている”のは「女子アナ軍団」にほかならない。過去にはカトパンこと加藤綾子アナ(32才)が大谷を取材時、「好みのタイプは?」「結婚は?」などプライベートな質問をしたり、テレビ朝日の宇賀なつみアナ(31才)が胸の谷間を強調した服装で大谷に挨拶をして話題となった》(『女性セブン』2018年)

 いかにも女性誌らしい切り口だが、とにかく文面から伝わってくるのは女子アナへの敵対視ではないか。インタビュー取材をしただけで叩かれるなら、女子アナとて「触らぬ大谷に祟りなし」と不用意な行動を避けるようになった側面もあるだろう。“メディアの抑止力”はこんなかたちでも働くのか。

チームでも愛されキャラの大谷翔平。愛嬌がすさまじい

 栗山監督による「守り」とマスコミの「攻め」。日ハム時代の大谷の周囲が“親衛隊”化してしまったのはむろん、彼が国宝級の野球選手であるからにほかならない。

──現在は怪我もなく絶好調。ホームラン王争いの真っ只中にあって、前年までとくらべて現地の様子がより伝えられるようになった。すると、あることに気づかされる。

 それは外国人女性が仕掛けるアプローチの凄まじさだ。

外国人女性の積極性

 例は枚挙にいとまがない。週刊誌にはスポーツ専門の放送局に所属する美人リポーターのアレックス・カリーが球団関係者やメディア関係者に対して、「大谷を紹介してほしい」とお願いしてまわっていると報じられた。テレビ中継にはエンゼルスのユニホームを着た女性が「hey SHOHEI 私とデートしませんか。DATE? My# 私の電話番号→」と書かれたボードを掲げているのが映し出される。不恰好な日本語の書体がキュートだ。現地のファンがアップしたYouTube動画には、次の打席に備えて素振りをしている彼に、超至近距離で飛び跳ねながら嬌声をあげるナイスバディな女性集団も。動画のタイトルは『目撃!大谷翔平を狙うギャルたち』ときた。

 浮かびあがってくるのは、日本人女性のガツガツとはくらべものにならない積極性である。アイドル目線で彼を追っていた方々は今後、パワーヒッター揃いのL.A.女子たちを抑えられるかに注目すべきかもしれない。無菌室で育てられたがゆえの恋愛免疫のなさがどう転ぶか……見ものである。

 ちなみに現地のゴシップメディアもすでに大谷の熱愛を追いかけているようで、ハワイ出身のソフトボール選手、カマラニ・ドゥン選手との熱愛疑惑について書いているメディアを発見した。一緒に写っている写真が彼女のインスタグラムに掲載されたことから噂が広まったらしいが、よくよく記事内容を和訳してみると、

《噂をクリアするために、私たちはカマラニ・ドゥンの社会的プロフィールを追跡した。するとドゥンは8年以上付き合っているボーイフレンドと至福の関係にあることがわかった》(『Bae Magazine』)

 8年越しの彼氏がいただなんて堂々と主張されても……あまりに根も葉もなさすぎるだろう。大谷のスクープが出るのはまだ先になりそうだが、栗山監督の心中やいかに。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉