田中みな実、宇垣美里

《千景は明るく、感情表現が豊かであるようで、どこか本心がみえない、謎に包まれた人物だと感じました。そこをうまく表現していきたい》

 7月からスタートする新ドラマ『ボクの殺意が恋をした』(日本テレビ系)出演への意気込みをそう語ったのはベテラン女優……ではなく、元祖“あざとい”アナ・田中みな実。彼女の女優としての顔がクローズアップされたのは昨年4月のこと。

「浜崎あゆみさんの自伝的ドラマ『M 愛すべき人がいて』への出演ですよ。まさかのアイパッチ怪演……いや、体当たり演技が評判になって以来、本人がすっかりその気になっちゃって」(スポーツ紙記者)

 放送終了後には、6年間在籍した事務所から、広末涼子や戸田恵梨香、有村架純をはじめ“女優しかいない”大手芸能事務所へ電撃移籍。事実上の“私は女優”宣言に、周囲の反応は冷ややかだった。

「『M』でのみな実さんは、決して演技力そのもので評判になったわけじゃないですから(苦笑)。さすがに無理じゃないかと」(同・スポーツ紙記者)

 とは言ったものの、なんだかんだ女優オファーが途切れていない。

「直近だけでも、長瀬智也さん最後の連ドラ『俺の家の話』にゲストで出て、今クールはテレビ東京系で吉田羊さん主演の『生きるとか死ぬとか父親とか』に。『ボクの殺意~』の次、10月からはTBS系で『日本沈没』への出演も決まっています」(制作会社関係者)

オンリーワンになった田中みな実

 ちなみに、初共演となった吉田は、あるインタビューでその田中をこう評している。

《無敵でした(笑)。彼女は本当にかわいくて、美人で、可憐で、スタイルもよくて、クレバーで、やさしくて、ユーモアもあって》

 演技についていっさい触れていないのはご愛嬌として、女優としてステップアップしているのは間違いなさそうだ。

「新事務所の営業力もありますが、みな実さんの戦略勝ち。これまでフリー転身アナはMCやキャスターをやるか、バラエティーのゲスト席に座るしかなかったけれど、彼女はライバルとまったくかぶらない“元アナ女優”路線を開拓したからです。オンリーワンの存在になれたんですよ」(前出・スポーツ紙記者)

 ところが、ここへきて無敵のはずの田中を脅かす存在が!? 古巣・TBSの後輩でもあるフリーアナウンサーの宇垣美里だ。実は宇垣も、この7月からフリー転身後の連ドラ初出演が決まっている。Sexy Zone・中島健人と小芝風花のW主演ドラマ『彼女はキレイだった』(フジテレビ系)に出演する。

「女優業は、宇垣さん本人も前々から“やってみたい”と乗り気で、実際、2年前にフリーになってすぐにドラマのオファーもあったそうです」(前出・制作会社関係者)

 ところが宇垣はそれを蹴ったという。せっかくの仕事なのに、なんでまた!?

宇垣さん、かなり仕事を選んでいるんですよね。バラエティー番組への出演やイベントMCなんかの営業仕事もかなりの数、断っていると聞きます。“好きなことだけやりたい”と決めているようです」(同・制作会社関係者)

 ただのワガママのようにも思えるが、そこには宇垣なりの仕事へのこだわりがある。

田中が「素晴らしい」と自己評価する'19年末に発売された写真集(左)と、昨年11月の発売前に増刷が決定した宇垣のメイク本(右)

女優をやるなら、ある程度レッスンを積むなりして勉強した後で……という考えだったみたい。『彼女はキレイ~』からのオファーは、役どころが“美容雑誌の編集者”だった。メイク本まで出版しちゃうくらい美容オタクなご自身にぴったりハマる役だったので引き受けたそう」(同・制作会社関係者)

キャラかぶりする宇垣美里に……

 自由奔放な宇垣に、田中は心中穏やかではないようだ。

「そりゃそうですよ。女優も美容オタクも、ことごとく自分と“キャラかぶり”していますからねぇ(苦笑)。田中さんも、宇垣さん以上の美容好きでファッション誌の表紙を飾っていますし、田中さんが雑誌やテレビで紹介したコスメや美容グッズは売り切れ続出で業界内で“みな実買い”なんて言葉が生まれたくらい。それが『花王』や『コーセー』などの美容アイテムのCM出演にもつながっています」(テレビ局関係者)

 “美のカリスマ”なんて世の女性たちから憧れられる元女子アナも、これまでは田中だけ。ひとり勝ち状態だった。

「そこに自分より若いライバルが現れたわけですから、そりゃ心がザワつきます(笑)。芸能界って常に“イス取りゲーム”。そのポジションを逃してしまえば、すぐに忘れ去られてしまう世界ですからね」(同・テレビ局関係者)

 女優業にしろカリスマにしろ、元女子アナの“新しい生き方”を苦労して開拓してきた田中の目には、宇垣は“私の後を追ってきただけ”なんて映っているのかも!?

「TBS時代には“世代ナンバーワンの美人女子アナ”と呼ばれて男性誌でグラビアまでやっていた宇垣さんが、転身後、安易に男性ウケに走らなかったのは、女性人気が出てブレイクした田中さんを参考にセルフ・ブランディングしてきた証拠。

 仕事だけじゃなくてお金のほうもしっかりしていて、局アナ時代には“フリーになったときの収入の柱に”と、都心の新宿区と墨田区に投資用のワンルームマンションを2部屋、立て続けに買っていますしね。宇垣さん、案外したたかです」(同・テレビ局関係者)

 さて7月から始まる“直接対決”。あざといとしたたか、勝ち残るのはどっち!?