2020年6月、コロナ禍でのドラマ『BG』撮影に臨んだ木村拓哉

 6月16日、木村拓哉が海外ドラマ『THE SWARM(ザ・スウォーム)』に出演することが発表された。

「深海に生息する未確認知的生物の群れに直面する人類の戦いを描いた海洋SFサスペンス。木村さんは人類の危機に立ち向かう科学者グループの創設者で、チームの指揮をとる役を演じます。2022年に世界同時放送・配信することを目指して制作され、木村さんは7月から渡航するといいます」(スポーツ紙記者)

 木村は、これまで多くのドラマや映画に出演してきたが、本格的な海外作品への出演は初めて。

「2004年に日本で公開された香港映画『2046』、2009年に日本で公開されたフランス映画『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』への出演経験はありますが、どちらも彼の出番は少なかったんです」(同・スポーツ紙記者)

ジャニーズの“世界進出”戦略

 今回、晴れて木村が“海外進出”を果たした背景には、ここ数年のジャニーズ事務所が世界に目を向けていることにある。

「昨年は東京五輪開催に合わせて、海外の仕事に力を入れていました。嵐は中国の北京公演に加えて、アメリカで公演を行う話もありましたし、デビューしたばかりのSnow Man(スノーマン)もアジアツアーを開催する予定でした。ただ、昨年はコロナ禍で中止になった仕事も多かったので、あらためて木村さんが先陣を切ることで、世界で活躍する逸材を増やしていきたいのではないでしょうか」(芸能プロ関係者)

 後輩たちの期待を一身に背負い、大きな一歩を踏み出すことになるが、国内でも新たな仕事が─。

来年4月にテレビ朝日系で放送される連続ドラマで、木村さんが主演を務めることが内定しています」(テレビ局関係者)

 木村が主演を務めるテレ朝のドラマといえば、『BG~身辺警護人~』が思い浮かぶ。2018年に放送された同作は、ボディガード役の木村のアクションが好評だったことから、昨年『BG~身辺警護人~第2章~』も放送された。来年はパート3が放送されるのかと思いきや、

「スタッフの間でも、“続編をやりたい”という声が上がっていました。『BG』は2年周期で放送していたので、2022年というタイミングもバッチリ。しかし、木村さんが続編に難色を示したため、頓挫してしまったといいます。4月に放送されるドラマも、『BG』とはまったく別の作品になるようです」(同・テレビ局関係者)

『相棒』や『ドクターX~外科医・大門未知子~』など、人気シリーズを抱えるテレ朝としては、“パート3を作りたい”という思いもあったのだろう。木村がそんな制作サイドの思惑に“ちょ、待てよ”としたのには、こんな理由が。

「“『BG』は昨年でやりきった”という思いがあるそうです。もともと、彼は役のイメージが固定されることから、続編をやることに後ろ向きでした。テレ朝でドラマをやるのであれば、新たな作品に取り組みたかったのでしょう」(同・テレビ局関係者)

 木村にしかわからない“誤差”があったのかもしれない。ただ、ここ数年は続編をやることに柔軟な姿勢を見せていた。

「昨年フジ系で放送されたドラマ『教場』に続き、今年1月にも『教場2』で主演を務めました。2019年に公開された映画『マスカレード・ホテル』も、今年9月に続編となる『マスカレード・ナイト』が公開されます。木村さんとしては、続編に出ることが必ずしもイヤではないのでしょう。ただ、来年『BG』をやるとなると、一度も経験したことのない3作目となるので、ためらいがあったのかもしれません」(前出・芸能プロ関係者) 

“大御所”になった木村拓哉

 自分が本当に出たいと思った作品に出演を絞っている木村。『ジャニーズは努力が9割』(新潮社刊)の著書があり、ジャニーズ事情に詳しい霜田明寛氏は、彼が自由に仕事ができる背景には、ジャニーズ事務所内での立場が変化したことが大きいと指摘。

「SMAP解散後、個人で活動するようになり、いまや事務所内でも大御所になりました。SMAP時代はグループの仕事がありましたし、“アイドル”としてのイメージもあるので、そこから離れた仕事はしにくかったのでしょう」

 今回の海外ドラマに関しても、木村の“ジャニーズカースト”が上がったことが大きかったようだ。

「ジャニーズ事務所としても、木村さんを海外でも活躍させたいのでしょうが、やはり本人に“海外で挑戦したい”という意思があったからこそ実現したのだと思います。また、ここ2~3年の出演作の結果がよく、世間でも“やっぱりキムタクはすごい”という空気になっていることも大きい。国内で結果を出しているからこそ、事務所もバックアップしたのではないでしょうか」(霜田氏)

 “海外進出”のムコウに待つものは─。