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 ものを捨てられないから、家が片づかない……。そんなときに活用したいのがフリマアプリの「メルカリ」。不用品に思えても、サクッと売れるタイミングがあるんです!メルカリの達人に、売れどきの見極め方を聞きました。

「不用品を整理したいけど、捨てられない……」そんなお悩みには、フリマアプリ「メルカリ」を活用するのも手。

「自宅の不用品がスッキリ片づいて、しかも売れたお金が家計の助けにもなります。“これも売れるの?”という発見もあって楽しいですよ」

 そう話すのは「メルカリ」で年間100件以上の取引をし、月10万円を稼いだこともあるフリマアプリの達人、川崎さちえさん。

 でも、家に眠っている不用品が本当に売れるの?もちろん、ただ出品しただけで、売り切るのは難しい。コツは“売る時期を選ぶこと”だ。

「フリマアプリが人気の理由は、“欲しいものがすぐに探せて、安く買えるところ”。購入者は“今欲しいもの”をフリマアプリで探しています。だから、多くの人が欲しくなる時期=売れどきを逃さず出品すれば、初心者でも上手に売ることができます」(川崎さん、以下同)

バブル時代に買ったスカートも売れどき

 例えば、春は新生活に向けた家電やフォーマル衣料、夏はUVケアグッズやアウトドアアイテム、肌寒さを感じ始めた秋に軽い防寒アイテムを売り、冬に向かって厚手のアウターを出品するなど、季節ごとに売れやすいものは変わる。そのポイントを押さえれば、終活を見据えて、昔使っていたものを引っ張り出して売るのもアリだ。

「バブル時代に買ったブランド物のスカーフがたんすの肥やしになっていたら、これからの時期が売れどき!夏はエアコンの寒さ対策や首の日焼け防止に使えますし、秋はちょっとした防寒に使えるので欲しい人が多いはずです」

 内祝いなどでもらった食器セットもガラス製なら夏、鍋用なら冬に売るなど、季節を意識して出品。箱入りのまま出品するとさらに売れやすい。

「昔、趣味でやっていた手芸の材料が残っていたら、それも宝の山。毛糸やハギレなど手芸の材料は需要が高い売れ筋商品なんです。“メルカリ”で材料を買って、手作りしたものを“メルカリ”で出品する人も少なくないので、冬向けの毛糸も夏ごろから売れます。

 夏に材料を買って、できたものを秋、冬に売るからです。手作り品を売る人向けに、毛糸などの手芸材料は、まとめて売ってしまうのがおすすめです」

買値にこだわると売れ残ります!

 一方、売る時期へのこだわりは大事だが、売値にはこだわりすぎないのが得策。

「買ったときの値段を考えすぎると売れません!“買ったときは高かった”という気持ちはわかりますが、不用品として捨てればゼロ円だったものが少しでもお金になればラッキーくらいの気持ちでいるほうが売りやすいですよ」

 では、具体的にいつ、どんなものを売るのがいいの? 次の売れどき早見カレンダーをチェックして賢く売ろう!

こんなものも時期を選べば売れる!

●古い参考書

「受験生は予算的に新品を何冊も買えませんし、内容がよい参考書は発売年が古くても売れます!」(川崎さん、以下同)

古い参考書

●水筒のパッキン

「買い置きしておいた交換用パーツだけ、入園・入学シーズンに出品。あっという間に売れました!」

水筒のパッキン

●草花の種

「特に、珍しい花の種は需要が高い。出品時に咲いた花の写真も載せると売れやすくなります」

草花の種

月別の売れどきアイテムはコチラ!

【1月】
・フォーマル衣類★
・福袋の中身
・成人式用小物★


 卒入学シーズンに向けて、セレモニー用の洋服や靴、バッグなどが売れる。「特に1回しか着ない子ども用は売れやすいです」(川崎さん、以下同)。福袋は自分の欲しいものを抜いて、そのほかは即出品。食品や雑貨の福袋も人気の品

【2月】
・小さめ家電
・新生活グッズ
・バレンタイン用のお菓子作りグッズ


 新生活で役に立つひとり暮らし用の家電に注目が高まる時期。オーブントースターや電子レンジ、電気ケトル、アイロン、炊飯器など。「特に、ひとり暮らしで役立つ電気ケトルは、人気があります」。出品時は大きさや型番などの明記を

【3月】
・幼稚園の入学準備セット
・水筒
・腕時計


 新年度に必要なアイテムが売れるとき。シューズ入れ、お稽古バッグなど、幼稚園の入学準備グッズはセットで販売するのがポイント。水筒は、本体はもちろん、交換パーツだけでも売れる可能性あり。腕時計は出品前に動作確認を

【4月】
・旅行用品
・ガイドブック
・レジャーアイテム
・電子辞書


 春の行楽シーズンに向けて、旅行やレジャーの機運が高まる。1泊旅行にぴったりな小さめのキャリーバッグの需要が高い。「ガイドブックは1~2年前くらいのものならOK」。ゴルフや釣り、登山用品などのほか新学期用に電子辞書も人気

【5月】
・雨具
・ダイエットグッズ
・ガーデニング用品


 梅雨時期を前に、長靴やレインコートの出品を。「アウトドアブランドのレインコートは、高値で売れることが多いです」。出品前には、カビや汚れなどを確認。体形が気になり始める時期に合わせ、バランスボールや腹筋ローラーなども

【6月】
・雨具
・除湿機
・除湿剤


 梅雨対策グッズとして「除湿機は取引が多い家電のひとつ。オールシーズン使えるタイプは高額なので、中古品を探している買い手が多いですね」。出品時は、型番や使用歴などの記載を。湿気対策として、繰り返し使えるタイプの除湿剤も人気

【7月】
・家電 水着・プール用品
・アウトドアグッズ
・保冷バッグ 
・受験グッズ


 夏休みに向け、レジャーやアウトドアアイテムが人気に。家電もかき氷器やおしゃれな扇風機など、夏向け商品が売れる。受験シーズンはまだ先だが、「受験生が本腰を入れる時期。参考書や過去問題集もこの時期から出品するのがいいですね」

【8月】
・夏物衣類
・UVケア用品★
・夏野菜
・サングラス


 夏物衣類は夏物セールが始まる前に、出品するのが肝。セットでまとめると売れやすい。「ゴーヤやきゅうり、トマトなど、家庭菜園でとれすぎた野菜を出品している人も多い。“形は不ぞろいです”など、素人栽培であることを書いて出品を」

【9月】
・秋向けのファッション小物
・デジカメ


「スカーフや薄めのマフラーなど、肌寒さを感じる日に使えるアイテムが売れ始めます。ちょっと軽めの防寒着やショートブーツなども出品していきましょう」。秋の行楽シーズンや運動会シーズンに使えるデジカメも売れ筋に

【10月】
・ハロウィングッズ★
・七五三グッズ
・旅行用品


「ハロウィンの仮装衣装は、買うとけっこう高いので売れやすい。汚れなどを確認して出品を」。七五三は、着物から草履、髪飾りや巾着まで、フルセットで出品すると売れやすい。ともに、着用回数や保管期間などを明記しておくと親切

【11月】
・冬物衣類★ 
・冬用家電
・ペット用ヒーター
・カセットコンロ
・スキー用品


 寒さが本格的になる前が、冬物衣類や家電(電気ストーブ、ヒーターなど)、スキー用品の売れどき。「ペット用品は、ヒーターに限らず、冬物のあったか衣装など、冬用アイテムも。ペット用品の需要は高まっていると感じます」

【12月】
・クリスマスグッズ★
・カレンダー
・優待チケット


 クリスマス用品は12月の初旬から出品。「プレゼント用のおもちゃは、もう少し早めの出品でも売れます」。年末年始の帰省やレジャーに使える株主優待券や割引券なども人気に。使う予定のない翌年用のカレンダーは、入手後すぐに出品を

★印のアイテムの売り方アドバイスは次へ!

もっと確実に売り切る!四季別人気アイテム売り方アドバイス

〜春〜 セレモニーグッズはセット売りに

「セレモニー用のアイテムは、大人用でも子ども用でも、洋服、靴、バッグなどをフルセットで出品すると売れやすくなります。一気に処分できるのでラクですよ」。ブランド物なら、比較的高値で売れやすい。

 あらかじめ「ブランド名 フォーマル」などで検索し、同様の商品がいくらで売れたかを確認して値づけするのが賢明だ。「長期保管していた場合は、“クローゼットのニオイがついているかも”と正直に書いておくとトラブル防止になります」

〜夏〜 コスメは使用ずみでもOK

 コスメは年間を通じて取引が多い分野。なかでも、夏はUV・日焼け止め効果、美白効果のあるコスメが売れどきに。「使いかけでも、いつ開封したか、どのくらい使っているかを明記して出品すれば問題なし。特に、“デパコス”と呼ばれるような高価なコスメは使用ずみでも高値で売れます」。

 ただし、開封後1年以上経過したものは出品を避けて。使ってみて合わなかったら、なるべく早めに売るのが正解。冬は保湿ケアアイテムが売れ筋に

〜秋〜 イベント物は約1か月前から出品

 ハロウィンなどの国民的イベントのグッズは、「街中でイベントのディスプレーが増えてくるタイミングで出品するのが理想的。購入者がイベントを意識し始めるため、売れやすくなります。その年の流行を押さえて出品できれば、なおよしですね」。

 クリスマスグッズも同様に1か月前くらいから売り始めるべし。たくさんあるなら、まとめ売り&イベントの10日前までに売り切れるよう値下げしていくのが、不用品を一掃させるコツ

〜冬〜 冬物衣類は小物からスタート

 寒さを感じ始めたら、ストールやマフラー、ブーツなど、冬物の小物から出品開始。「アウターも軽めのものから売り始めて、だんだん厚手のものを売っていくのがポイントです。同じダウンでも、薄手と厚手では売り時期をずらします」。

 売れなかった場合、流行りのデザインは翌年に売れる可能性が低いので値下げして売り切る。ブランド物の定番アイテムなら、値段が下がりづらいので、無理に値下げせず翌年に持ち越して再販売を狙う

冬物衣類

初心者のギモンを解決!メルカリ早わかりQ&A

Q.初めて出品するなら、今、何を売るのがいいですか?

A.本がおすすめです

「メルカリのアプリは、本のバーコードを読み込むだけで、タイトルと本の概要を自動入力してくれるので、出品がすごく簡単。売り上げランキングの上位に入るような人気の本なら、すぐ売れますよ。昔の雑誌や漫画でも、意外と探している人がいるので、出品する価値ありです」。本は梱包がしやすく、送料の計算もしやすいのもメリット

Q.売れどきを見極めるコツはありますか?

A.自分が「欲しい」と思うタイミングで


「デパートなどは季節を先取りして販売しますが、フリマアプリは生活密着型。今欲しいものをパパッと探して買いたい人が多いので、先取りしても“今はまだ使わないな”という心理が働き、売れません。自分が欲しいときがほかの人も欲しいときと心得て売りましょう」。また、夜10時以降は取引が活発。売れやすい時間帯!

Q.なかなか売れないときはどうすればいい?

A.タイミングや値段を見直す


 出品したまま放置でもよいが、売れる可能性はグッと下がる。「自分の商品が検索時に上のほうに表示されるよう再出品することが大事です。それに、何か月も放置していると“売れ残り品”と見られ、どんどん値下げ交渉をされるようになってしまいます」。商品へのアクセス数が少ないときは、1週間で再出品の検討をしてよし

※100均で買えるものは売れにくいのが鉄則

「昨今の100円均一は、クオリティーが高いので、100均でそろうものは売りづらい!自分だったら100均で買うな~と思うものは売れません」。例えば、夏に活躍するUV加工のアームカバーや保冷剤なども販売は厳しい

季節を押さえて売れた!川崎さんの取引成功例

●雑誌付録の保冷バッグ

「2年前の人気ブランドの保冷バッグ3点セット付録。そのうち2点(未使用)を夏前に出品したら、700円で即売れしました!」

雑誌付録の保冷バッグ

●登山用スカート

「秋~冬に出品するも売れず。翌年の春に再出品したら、登山シーズンと重なり、値下げなしで売れました」

登山用スカート

●サイズが合わなかった手袋

「話題の商品を販売と同時に購入するもサイズが合わず。手袋が使いたくなる11月末ごろまで待って売りました!」

サイズが合わなかった手袋

 教えてくれたのは……川崎さちえさん ●ネットオークション・フリマアプリのアドバイザー。フリマアプリ歴7年。実践的な独自ノウハウを研究しつつ、ユーザーとして出品や購入も。NHK『あさイチ』、フジテレビ『バイキング』などにも出演。

川崎さちえさん

〈取材・文/河端直子〉