宮脇咲良

《綺麗な写真をいっぱい撮ってもらえて、カメラ席設けた私ナイスすぎ!》

 6月19日、HKT48・宮脇咲良の卒業コンサートで、写真撮影が可能な『カメラ席』が販売された。公演後に宮脇がツイッターで自画自賛のコメントを投稿すると、たちまち“カメラ席”がトレンドワード入りを果たし、大きな話題を集めている。一般的に日本のコンサートでは観客による撮影が禁止されているため、斬新なこの試みに驚いた人も多かったのだろう。

韓国ではコンサート中に写真を撮影し、SNSにアップするファンのことを“マスター”と呼び、そのような文化が根づいています。しかしそれは運営側が認めているわけではなく、黙認しているだけ。日韓合同のガールズグループ・IZ*ONEで活動していた宮脇さんが、そんな韓国の“非公式”ルールを公式として採用したことで“運営もファンも得するウィンウィンの方法!”とネット上を中心に、絶賛の声が相次いでいます」(スポーツ紙記者)     

橋本環奈をブレイクさせた1枚

 今回設けられたカメラ席はアリーナエリアに200席。一般指定席1万3000円(税込み)のおよそ2倍の2万5000円と高額だけに、確かに運営的にもメリットはありそうだ。日本ではなじみのないカメラ席だが、実はHKT48で宮脇の先輩である指原莉乃がプロデュースする=LOVE(イコールラブ)は、2017年から『カメコエリア』と称して、撮影エリアを設けている。     

「撮影OKの曲は限定されていましたが、=LOVEに関しては価格も一般席と同額で、一眼レフカメラでの撮影も可。今では女優として活躍する橋本環奈さんが、ファンの撮影した“奇跡の1枚”で大ブレイクを果たしたこともあり、メンバーの魅力を拡散させる目的でスタートしたようです。=LOVEも、グループを盛り上げたいという熱いファンとメンバーとの信頼関係があったからこそ、踏み切れたのでしょう。

 2019年にはモーニング娘。らが所属するハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)もスマホ限定でコンサート中の撮影を解禁しましたし、日本でもライブ中に撮影をする文化は根付きつつあります」(アイドル誌編集者)
    
 しかし、エンタメ事情に詳しいフリーライターの大塚ナギサさんは「日本ではカメラ席の定着は難しいのでは」と指摘する。     

写真撮影をしている間はそちらに没頭してしまい、ライブそのものをちゃんと楽しめなくなってしまいます。ハロプロもスマホ撮影を解禁したものの、ライブをしっかり楽しみたいファンが多く、会場で撮影しているファンはそこまで多くありませんでした。

 さらに、一眼レフカメラでの撮影ともなるとシャッター音が気になって、純粋にコンサートを楽しみたいファンが不快に感じることもあるかもしれません。宮脇さんのコンサートのように大きな会場ならカメラ席を設けても苦情は来ないでしょうが、キャパシティの小さな会場ではルール作りが難しいかと思います」

自身のツイッターで卒業公演を振り返った宮脇咲良

 昨今、性的な目的で撮影される女性アスリートの競技写真が問題視されているだけに、悪用される心配もあると続ける。

女性アスリートは激しいプレーの中で、きわどいショットを撮られやすい。歌って踊るアイドルも同様で、ダンス中は本人が意図しないショットが撮れてしまう可能性があります。スマホ限定であればそこまで鮮明には撮れないので悪用はされづらいと思いますが、本格的なカメラでの撮影を許可すると、過度な露出を狙った写真を撮るために足を運ぶファンもいるかもしれません。運営側がアイドルやアーティストを守りたいと思うのであれば、カメラ席の導入にはかなり慎重になると思います」(大塚さん)

写真を悪用して無断でグッズ作成

 実際に、ライブ中の撮影が黙認されていた韓国でも、マスターは減少傾向にあるようだ。

マスターが撮影した写真は、2次加工したりそれを使ってグッズ制作をするのは禁止されているにも関わらず、勝手に使用してグッズなどを作るファンが後を絶ちません。昨年、BTS(防弾少年団)の無許可写真集を作った制作会社が最高裁で違法性が認められるなど、所属事務所もアーティストの権利保護に積極的に乗り出しています。

 韓国ではアーティスト側もマスターが撮影した写真を宣伝に利用している部分もあり、あくまで“グレーゾーン”。とはいえ、BTSに続いて無断でグッズなどを作る会社やファンを訴訟する事務所が出てくれば、マスター文化は衰退していくのでは。韓国以上に肖像権などに厳しい日本で、定着するとは思えません」(音楽ライター)

 今回は、宮脇のサービス精神のよさゆえの“太っ腹企画”だったのかも!?