(左から)太田差惠子さん、加藤綾菜さん

 その年の差45歳。加藤茶さんの妻として健康を支え続けて10年目。「介護」はいずれやってくると覚悟を決め現在猛勉強中。そんな中で生まれた驚きや疑問。この超高齢化社会に、前向きになれる介護情報を隔週でお届けします。

第4回 介護×お金 介護費の考え方

──今回のテーマは、みんなが気になる「介護とお金」。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんと語り合っていただきました。

綾菜 私が介護の勉強をしていることもあり、友人などから「親が倒れたら、介護にどれくらいお金がかかるの?」とよく聞かれます。親や夫には長生きしてほしいけど、いつまで元気でいられるのかわからないし、お金のことはみんな心配になりますよね。

太田 そうですね。でも、日本は健康保険制度や介護保険制度が充実していますから、けっこう費用は抑えられるんですよ。

綾菜 家族が倒れてからあたふたしないよう事前に準備しておいたほうがいいことはありますか?

太田 預貯金などの蓄えや年金がどうなっているのか、事前に家族間で聞いておくことはとても大事。配偶者の場合は、夫婦のお金から介護費用を出すと考えればいいですが、親の場合は、親と自分のお金は別です。親が倒れたら、私は基本、親のお金で介護すべきだと提案しています。ですから、どれくらい介護に使えるのかを知っておかないといざというときに困ってしまいます。

綾菜 急に倒れて意思確認ができなかったり、離れて暮らしていて急に認知症が進んだりすることもありますしね。

太田 そうなると、入院費などを親の預貯金から引き出せなくなることも。親御さんが元気なうちに、どのお金を使えばいいか聞いておきましょう。わかるところにキャッシュカードの暗証番号も書いておいてもらえたら安心です。

綾菜 広島に住んでいる両親とは話したことがあって「私たちに何かあってお金が必要になったらここから使って」と、通帳などの保管場所も教えてもらっています。でも、もし突然、何かあったら困りますね。私がすぐに引き出せる口座を作っておくなどの準備が必要ですね。

介護にもある公的な保険制度

 ところで、ズバリ介護ってどれくらいお金がかかるものなのでしょうか?

太田 これは本当に「いくらかかるか」ではなくて「いくらかけられるか」なんです。医療と同様、介護にも公的な介護保険制度があって、介護費用の自己負担が抑えられる仕組みになっています。親の資産と年金、介護保険の範囲内で介護をすると決めておけばなんとかなりますよ。

綾菜 そう聞くと安心しますね。実は、私の友人の親が認知症になって、親にも自分にもお金がないと相談されたんです。いろいろと調べてみると、利用できる公的制度もあるようなので、まずは地域包括支援センターに相談してみることをすすめました。

太田 それはよかったです。親御さんが住民税非課税世帯であれば、介護費用をかなり低く抑えられます。特別養護老人ホームに入ることになっても、月5万~6万円ですむ場合がほとんど。利用できる制度については、各自治体で発行しているパンフレットなどを参考にしましょう。

※次回は太田さんと遠距離介護について語ります。

【最近の加トちゃん家】

 結婚記念日にスタッフさんから素晴らしいお花をいただきました。花瓶に生けて玄関に飾るとホテルのロビーのような華やかさ。幸せです。そういえば、加トちゃんにも100本のバラをいただいたことがありました。それは涙を流し感動した8年前の結婚記念日。懐かしいです……。でもマネージャーさんがすべて選んだと後で知りました(笑)。

花束を嬉しそうに抱える加藤綾菜

PROFILE●加藤綾菜(かとう・あやな)●1988年4月12日生まれ。2011年に加藤茶と結婚し、45歳の年の差婚で注目を集めた。夫を支えるため介護を勉強。「介護職員初任者研修」(旧ホームヘルパー2級)、「介護福祉士実務者研修」(旧ホームヘルパー1級)を取得。TWIN PLANET所属。

今回対談いただいたのは……●太田差惠子さん●介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人 離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ理事長。AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。長年の取材活動で得た豊富な事例を基に、「遠距離介護」「介護とお金」などさまざまな情報を発信している。

《取材・文/中村裕美(羊カンパニー)》