「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。有名人の言動を鋭く分析するライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。
2011年、結婚披露宴で笑顔のフジモンと木下優樹菜

第60回 木下優樹菜

 世間サマからヤバいと言われるオンナは、本当にヤバいのか──。そんな気持ちで2018年より始まった本連載ですが、ヤバ女にもトレンドがあるような気がしています。

 最近のヤバ女のトレンドは「どうして自分が叩かれているかが理解できない、もしくは全く気にしない」ことではないでしょうか。

 ガソリン代や議員パスの不正使用疑惑や、若手弁護士との不倫疑惑など、何かとお騒がせの国民民主党代議士・山尾志桜里センセイは次期衆院議員選挙の不出馬を表明しました。山尾センセイは『週刊朝日』7月9日号のインタビューに対し、「女性議員の私生活に向けられる関心の高さが異常ですよね。好奇のまなざしが男性の政治家へのものとはまったく違う」と、ご自分への反感が一種の女性差別であると話をすり替えています。

 大ヒット漫画『キングダム』作者の原泰久センセイとの破局を発表したタレント・小島瑠璃子。原センセイには糟糠の妻と3人のお子さん、そして不倫相手だったアイドルAさん(現在は引退)がいたことから、「略奪の略奪疑惑」が巻き起こったわけですが、小島には不倫に対する一般人の嫌悪感が理解できない模様。破局後に出演した『グータンヌーボ2』(関西テレビ)で「(交際する前に、セックスを)いたさないと怖いです。いたす前につきあうってどういう勇気? と思う」とネットニュースになりそうな発言をしていました。

 番組の視聴率アップのためのサービス精神かもしれませんが、不倫疑惑が完全に消えない状態でこういう発言をすると、「ということは、原センセイとも交際前にいたしたのか、もしそうなら不倫かもしれないじゃないか」と思われる可能性が高くなることに気づいていない、もしくはそう思われたところでビクともしない強メンタルなのかもしれません。

ヤンキーではなく
「いい年して、ダメなオトナ」

 この人も本当に“世間の声”を気にしないのだと思います。芸能界は引退したはずですが、モデルやインフルエンサーとして活動を再開した木下優樹菜。7月8日配信の『FRIDAY DIGITAL』は、優樹菜とJ1『湘南ベルマーレ』に所属する三幸秀稔選手との熱愛、半同棲を報じています。優樹菜はお笑いコンビFUJIWARAのフジモンこと藤本敏史と離婚していて独身ですから、交際は自由です。

ヤンキーモデルとして復帰した木下優樹菜(『GALFY』インスタグラムより)

 とはいえ、タピオカ店主に恫喝まがいのことをした件は未だに解決されていないようです。元ヤンキャラが優樹菜のウリではありましたが、ここで言うヤンキーとは「ファッションや言葉遣いは多少アレかもしれないけれど、義理人情に厚く、曲がったことが嫌いな人」を指すのではないでしょうか。人に迷惑をかけても謝ることすらできないなら、それはヤンキーではなく「いい年して、ダメなオトナ」です。恋愛より先にやるべきこと(謝罪)があるのではないかと冷たい目で見る人もいるかもしれません。

 しかし、婚活視点で考えると、すごいと思える点もあるのです。それは、ちゃんと優樹菜が「自分の好み」をわかった上でパートナーを見つけていることなのです。

度を越していた
夫・フジモンの容姿いじり

 2011年に発売された『ユキナ婚』(講談社)では、優樹菜と元夫であるフジモンとのなれそめについて書かれています。「そもそもユキナは目が大きくて『THE・イケメン』って感じの人が好きだったから、トトちゃん(※筆者注・フジモンのこと)はたとえ同じクラスにいても、友達であっても、絶対に好きにならないタイプ」と思っていたそうで。同書では表現を変えながら、執拗なまでに「イケメンが好き」「フジモン、ブサイク」と書いています。

 優樹菜はフジモンを単なる友達としか思っていませんでしたが、フジモンは優樹菜に恋をしてしまう。気を持たせるのも悪いので優樹菜は「もう会わない」と告げたそうです。しかし、「おまえはSに見せかけて、М」「本当は弱いのわかってるぞ」というふうに内面を見抜かれたこととで、フジモンを意識するようになったそうです。やがて優樹菜の誕生日がやってきますが、「もう会わない」と優樹菜に言われてしまったフジモンは、誕生日を祝えない。けれど、フジモンは誕生日を祝う気持ちを伝えたくて、優樹菜の住むマンションのそばの川に「誕生日おめでとう」と垂れ幕をかけてくれたそうです。それを見た優樹菜は涙が止まらなくなり、交際するようになったといいます。

 心が汚れている私には何がいいんだかさっぱりわかりませんが、「好みではないけれど、情にほだされて」付き合うようになったということでしょう。フジモンが17歳も年上なことから、親御さんには「先死んじゃうけど、いいの?」と聞かれたそうですが、「それでもいいんじゃない」と言ったとも明かしています。好きになったら、深いことは考えないタイプなのかもしれません。

 が、人の気持ちというのは変わるもの。結婚してしばらく経ってから、優樹菜がフジモンの容姿を悪く言うようになり、それが度を越しているように私には感じられました。たとえば、2018年1月14日放送の『おしゃれイズム』(日本テレビ系)に出演したときは「一周回ってブサイクが愛おしいと思うかもしれないと思ったけど、無理だった」と説明しています。

フジモンとの不仲説が出ると、それを否定する投稿をしていた(本人のインスタグラムより)

 2019年6月12日放送の『徳井と後藤と麗しのSHELLYと芳しの指原が今夜くらべてみました』(日本テレビ系)では、優樹菜はフジモンから着信があると、俳優・斎藤工の顔が表示される設定にしていることを明かし、その理由を「毎日ブサイクと一緒にいるから」「ちょっと現実逃避したくなっちゃって」と説明していました。フジモンが芸人で、威圧感のあるキャラクターでないことから言いやすい部分はあるのでしょうが、いくら何でもちょっと言い過ぎではないでしょうか。

「自分の欲しいもの」だけは
ハッキリしている

 ですが、面白いことに優樹菜はフジモンのカネについて、テレビでも『ユキナ婚』でも不満をほとんど漏らしていないのです。結婚当初から、いろいろな番組でフジモンが「年齢が17歳も離れているのに、収入は優樹菜のほうが上」と話していました。細かい数字こそ言わなかったものの、2020年3月24日放送の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)に出演したフジモンが「(家に)ベンツとミニクーパーがあって、買ったのは両方とも優樹菜」と話していましたから、なかなかの経済力なのでしょう。

 テレビで夫のカオについて文句は言っても、カネのことは愚痴らない。それは木下にとって、大事なことはカオであり、経済力はさほど重要ではないということを示しているのではないでしょうか。

 新恋人は5歳年下のイケメンです。現時点でチームの主力ではないので、ネットでは「たいした選手ではない」と恋人を軽んじるかのような書き込みが見られましたが、仮にそうだとしても、優樹菜にとって、そこは問題ではないような気がします。

三幸秀稔選手(『湘南ベルマーレ』公式HPより)

 前出『ユキナ婚』では、前夫フジモンはきれい好きな優樹菜のために頼まれなくても家を掃除したり、優樹菜好みの服装をしたりと、優樹菜の趣味に合わせる生活をしていたようです。もし、彼氏や夫がその世界を代表するような大物であるのなら、仕事量や責任の重さから考えて、プライベートが削られることは間違いないでしょう。当然、彼女や家族に割く時間は減ってしまいますし、そこを理解できるかは関係性が続くかどうかのポイントになると思います。

 優樹菜は自分にかまってくれない大物よりも、仕事もお金もそこそこでいいから、自分を中心にしてくれるフジモン的な男性が好みで、プラスして新パートナーにイケメンであることを求めたのではないでしょうか。もしそうなら、恋人は大物でないほうが好ましいのです。

 婚活でパートナーを見つけるときに、避けて通れないのがカネとカオです。友達に紹介を頼むにも「カオがいい人が希望」とか「できるだけ、カネ持っている人」とは言い出しにくいものですし、自分の本心をわかっていない人も多い。「カオはフツウでいい」と言っている人が、実はものすごい面食いだったりします。ツイッターをやっている人は、自分のツイートを読み直してみましょう。人のカオについてのつぶやきが多い人はカオをよく見ているということですし、反対にカネに関するツイートが多ければ、カネに敏感と言えるでしょう。

 タピオカ事件以降、意固地になってヤバい方向に行っている気がしないでもない優樹菜ですが、「自分の欲しいもの」だけはハッキリしているタイプな気がします。婚活中の女性は、恥ずかしがらずに、自分の本音と向き合ってみることをおすすめします。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」