加藤綾菜(かとう・あやな)●1988年4月12日生まれ、2011年に加藤茶と結婚し、45歳の年の差婚で注目を集めた。

 その年の差45歳。加藤茶さんの妻として健康を支え続けて10年目。「介護」はいずれやってくると覚悟を決め現在猛勉強中。そんな中で生まれた驚きや疑問。この超高齢化社会に、前向きになれる介護情報を隔週でお届けします。

第5回 介護×遠距離 
介護離職は「しない」と決めておくことが大切

―離れて暮らす親を遠距離介護することになったら? 介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんと語り合っていただきました。

綾菜 広島に住む私の両親はまだ若くて元気なのですが、コロナ禍もあってなかなか会えません。遠方に住む親に会えずにいるうちに介護が必要になるということも増えているのではないでしょうか?

太田 本当に増えていると感じます。自宅に1人で引きこもりがちで高齢者うつを発症したり、筋力が衰えて転倒したりする話をよく聞きます。綾菜 私の友達の母親も突然、若年性の認知症になったんです。彼女は東京に住んでいるのですが、コロナで長く広島に帰省できず、電話で話すと様子がおかしかったそう

 近所の知り合いに連絡して見に行ってもらったら部屋がグチャグチャで……。今は転倒骨折をしてしまい入院しているのですが、自分が仕事をやめて広島に帰るしかないかと、とても悩んでいるんです。でも、介護離職はしないほうがいいですよね?

太田 それはやめるように言ってあげてください。気持ちはわかりますし大変ではありますが、ここで離職してしまったら将来もらえる年金額にも響きますし、地元で再就職したとしても収入が下がることが多いです。まず第一に自分の将来を考えて。

綾菜 母親がひとり暮らしということもあって「帰ってあげない私って冷たいのでは?」と後ろめたく感じているようなのです。

太田 親が元気なうちから「介護が必要になっても絶対に仕事はやめない」と自分で決めておくことが大事です

備えあれば憂いなし

綾菜 それを大前提にして、その状況でできることを考えればいいですものね。遠距離介護が必要になると、どこに相談すればいいですか?

太田 介護は情報戦。役に立つ情報を自分から取りに行く必要があります。まずは、親の住まいの地域にある「地域包括支援センター」に相談しましょう。

 いろんな相談にのってくれます。帰省することが難しいなら、介護保険の申請代行をお願いすることもできます。そうやって地元の専門家とつながると少し気持ちがラクになりますよ。

綾菜 定期的にヘルパーさんを入れるとか、デイサービスに通ってもらうとか、自分ができないことはプロの手を借りる方法もありますものね。

太田 そうです。自治体にもよりますが、ひとり暮らしだったら緊急通報システムを無料で貸し出しているところもあります。

綾菜 最近は、スマホなどを使った見守りサービスもいろいろあると聞きます。

太田 民間サービスですが、テレビのリモコンに親が触ったかどうかを感知して子どものスマホに知らせるタイプもあります。電気ポットや室内灯などで見守るものもあるので、ぜひ活用してみて

綾菜 切羽詰まった状態にならないとつい後回しになりがちですが、備えあれば憂いなし、ですよね。役立つお話をありがとうございました。

加藤綾菜 介護

【最近の加トちゃん家】

 アイスコーヒーが美味しい季節がやってきました。わが家でも毎日コーヒーを飲みます! 仕事終わりに美味しいと噂のコーヒー豆を買いに行き味見がてら併設のカフェで注文! 1杯1000円でした。口当たりがまろやかで美味しい! これならきっと加トちゃんも喜んでくれる……次は、一緒にデートで訪れたいです。

PROFILE●加藤綾菜(かとう・あやな)●1988年4月12日生まれ。2011年に加藤茶と結婚し、45歳の年の差婚で注目を集めた。夫を支えるため介護を勉強。「介護職員初任者研修」(旧ホームヘルパー2級)、「介護福祉士実務者研修」(旧ホームヘルパー1級)を取得。TWIN PLANET所属。

今回対談いただいたのは……●太田差惠子さん●介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人 離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ理事長。AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。長年の取材活動で得た豊富な事例を基に、「遠距離介護」「介護とお金」などさまざまな情報を発信している。

《取材・文/中村裕美(羊カンパニー)》