千葉真一さん

《少し前に、電話で父の元気な声を聞いたばかりでした。私にとっても、突然のことで、まだ現実感がありません》

 自身のSNS上で、複雑な心境を綴ったのは、8月19日に82歳で他界した俳優・千葉真一さんの長女で女優の真瀬樹里。

キアヌ・リーブスからも“巨匠”と慕われて

 仕事を終えて急いで駆けつけたものの、父親の最期には立ち会えなかったという。

「7月末に新型コロナウイルスに感染したあと、千葉県内の病院に入院した千葉さんですが、肺炎の症状が悪化。酸素吸入を続けるも症状は改善せず、そのまま永眠されました。ワクチン接種は受けていなかったとのことです」(スポーツ紙記者)

 '68年放送のTBSドラマ『キイハンター』や映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』や『柳生一族の陰謀』など、数多くの作品に出演し、日本のアクションスターとして業界を牽引してきた千葉さん。

「アクション俳優やスタントマンを育成するために『ジャパンアクションクラブ』を設立し、真田広之や伊原剛志などの俳優などを輩出。

 その活躍は国内だけに留まらず‘60年代から海外との合作映画やハリウッド映画にも出演し、“サニー千葉”の愛称で世界から愛される存在でした。あのキアヌ・リーブスからも尊敬の念を込めて“マエストロ(巨匠)”と呼ばれていたほどです」(同・前)

息子2人がブレークして「寂しいね」 

 突然の訃報で、国内外には驚きと哀しみの声が溢れている状況である。

 今年に入ってからも千葉さんと交流を続けていたAさんも、驚きを隠せない。

つい最近まで、元気な姿を見せていたし、80歳を超えているとは思えないほど身体も鍛えておられたので、今でも信じられません……。

 千葉さんは80歳を超えてからマジックにハマっており、“これがまた、奥深いんですよ”と楽しそうな顔で話していて。今年2月ごろだったかな、千葉さんが目の前でトランプマジックを披露してくれたんですよ」

 そんな千葉さんが晩年、周囲にずっと働きかけ、奔走し続けていたのが真瀬、新田真剣佑、眞栄田郷敦という3人の子どもたちとの“夢”だった。

千葉真一さんの芸能生活60周年記念祝賀会にて。左から真瀬樹里、新田真剣佑、眞栄田郷敦、千葉さん

「“いつか、家族で何かしたい”というのが彼の口癖だったのですが、ここ数年は実際、映画制作のための出資を集めるため、東奔西走していたんです。その理由を聞くと“やっぱり最後に映画を作って子どもたちと共演したいんだよね”って。

 以前は息子さん2人と一緒に暮らしていたのですが、2人がブレークしてからは別々で暮らすようになったそうで“嬉しい反面、ちょっと寂しいね”ともこぼしていました」(Aさん)

 郷敦も真瀬同様に病院へ駆けつけるも、最期を看取ることはできなかったそうだが、

「一方的な約束をしてきました。それを守るだけです」

 と事務所を通してコメントを発表した。

 子どもたちが遺志を継いだ姿を、千葉さんはこれからも天国でずっと見守っていくことだろう−−。