写真左から、主犯格といわれている井戸侃也容疑者(本人フェイスブックより)、温厚な性格だったという明神功武容疑者(出身校のHPより)

「叫んだら殺すぞ」

 そう言って女性を脅し、わいせつ行為に及ぼうとした2人組が捕まった──。

 警視庁は8月10日、住所不定の井戸侃也(なおや)容疑者(27)と大阪府に住む明神功武(いさむ)容疑者(23)を逮捕した(いずれも職業不詳)。

 逮捕容疑は、今年4月に東京・文京区の女性用シェアハウスに侵入し、30代の女性を押し倒してわいせつな行為をしようとしたというもの。

「大阪から東京に訪れていた2人は、帰宅途中の女性を見つけると家まで後をつけた。そして女性が玄関を開けた瞬間、肩をつかんで中に押し入った」(全国紙社会部記者)

 その際に容疑者らは「叫んだら殺す」と脅したが、女性が大声を出したため逃走。

「犯行後に新幹線で大阪へ戻ったが、周辺の防犯カメラには2人が女性の後をつける様子が映っていて、逮捕に至った」(同・全国紙記者)

 警察の調べに対し明神容疑者は容疑を認めているが、井戸容疑者は否認している。

 何の目的で2人が大阪から上京していたのかは不明だが、コロナ禍で、県をまたぐ移動の自粛が求められていたときの出来事だ。

 安全なはずの女性用シェアハウスでの犯行に、住人の恐怖は計り知れない……。

卑怯者で周囲に嫌われていた井戸容疑者

 今回の犯行で主犯格とされているのは井戸容疑者だ。和歌山県の出身だが、地元での評判はというと、

「何かあるとすぐに逃げ隠れする卑怯者で、周囲に嫌われていましたね」(知人のAさん)

 高校は県内にある定時制に通った。当時から素行に問題があったようで、

「原付バイクを貸したことがあるのですが、そのまま彼に盗まれて、最終的には潰された状態で返ってきた。本人に電話をしましたが、番号を変えられてしまい、連絡が取れなくなりました」(同・知人)

 また2015年には、過去に働いていたという和歌山市内の派遣会社に侵入して現金14万円を盗み、逮捕された前科もある。

 若くして悪事に手を染めていた井戸容疑者。一方で共犯の明神容疑者は犯罪とは無縁の人生を送っていた。

 中学時代の同級生によると、

「明神君は吹奏楽部に所属していました。打楽器やトランペットなど頑張って練習していましたね。長身で温厚な性格で、同期で男子部員は1人だけでしたが、必死に周りに食らいついていました」

 絵心もあったようで、幼少期から美術の道を志し、デザインコンテストで入賞を果たしたことも。高校卒業後はデザイン系の専門学校に通った。

 一見すると接点の見つからない2人だが、ある捜査関係筋の情報によると、

「実は主犯格の井戸容疑者が、明神容疑者を脅し、犯行を強いていた可能性が浮上しているんです。明神容疑者は何らかの事情で抵抗できなかったのでは」

 真相究明に向けて捜査は続いているが、それが事実なら事件の様相が大きく変化する。

未成年の女性に酒を飲ませレイプを行っていた

井戸侃也容疑者のフェイスブックより

 “黒幕”とされる井戸容疑者をさらに調べると、おぞましい過去まで明らかに……。

「彼は10代のころから後輩や女友達、出会い系サイトで出会った女性に酒を飲ませて酔わせ、レイプを行っていたんです。被害者はみんな未成年です」(知人のBさん)

 しかし証拠不十分だったのか、逮捕はされなかった。

「知っているだけでも、レイプした回数は10数回。本人は犯行を否定して、共通の友人の間ではかなりもめました。それで和歌山にいられなくなり、20歳くらいのときに大阪に引っ越した」(同・知人)

 その後も井戸容疑者は定職に就かず、悪行を重ねる。

「井戸容疑者は2020年にも、SNSで知り合った府内の女子中学生をわいせつ目的で誘拐して、逮捕されているんです。しかしこのときも服役を免れていたようです」(前出・全国紙記者)

 今回の犯行は未遂で終わっているため、早々に出所してしまう可能性が高い。再犯が危ぶまれる──。