(左から)『ガキ使』レギュラーの月亭方正、松本人志、浜田雅功、遠藤章造、田中直樹

 大みそかの風物詩となっていた日本テレビ系の人気番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけないシリーズ』が、今年休止されることが発表された。しかし業界内では、昨年の放送直後から休止の噂が流れていたという。

日テレも誤算、局内は大混乱

「1月5日、『笑ってはいけない』でのダウンタウンの老化ぶりを指摘するネットニュースに対して、松本人志さんが《歳をとる事が罪ですか? 今年はやらないので勘弁して下さい》とツイッターで断言していましたからね。

 コロナ禍で制限された撮影に対して満足がいっていなかったようで、コロナが収束するまでは休止にするらしい……という噂が業界を駆け巡りました」(テレビ局関係者)

 人気シリーズの休止により、今年の大みそかは6時間生放送の新お笑い特番『絶対笑って年越したい! 笑う大晦日(仮)』が放送されることに。

「日本テレビは今年も『笑ってはいけない』を放送できるものだと考えていたため、局内は大混乱。今月から企画を募集したり、出演者のスケジュールを慌てて押さえているところです。

 先日フジテレビ系で放送された『FNSラフ&ミュージック~歌と笑いの祭典~』のような“生放送のお笑い番組”というパッケージ以外は何も決まっていません。

 これから企画を詰めるため、事前のロケ撮影が難しく、苦肉の策で生放送特番になったみたいですね」(放送作家)

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)」が、《痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー》を審議の対象にしたことが、休止の決定打になったと報じられたが……。

「日本テレビの新社長が“石橋を叩いて渡る慎重な性格のため、休止を発表した”と一部で報じられましたが、審議の結果が出てもいないのに中止にする番組なんてありませんよ。

 BPOから正式にNGが出た場合に備えて、“痛みを伴わない罰ゲーム案”を各局、放送作家や制作会社から募集していますが、現状の収録では日本テレビでも“痛みを伴う笑い”がNGになったとは聞いたことがありません。BPOの発表が直接的な理由とは考えにくいですね」(制作会社関係者)

'18年に放送された『トレジャーハンター24時!』は千葉県にある廃校で撮影が行われた

 同番組は高視聴率に加えてDVDや動画配信などでも人気の“稼げるコンテンツ”。BPOの影響でないとすれば、何が原因だったのか。

昨年、アンジャッシュの渡部建さんが復帰する“トップシークレット”情報が外部に漏れたことで、松本さんと番組スタッフの信頼関係も崩れてしまいました。

 渡部さんや不祥事タレントの出演は“出オチ”みたいなもの。事前にネタバレしたら面白さが半減するので、松本さんら出演者が怒るのも当然ですよね。

 日本テレビとしては情報漏れ対策の徹底をアピールするなどして、今年も放送できるよう交渉したようですが、うまくいかなかった」(日本テレビ関係者)

 最大の理由は撮影環境の問題だと前出の放送作家は語る。

「昨年は感染対策で撮影が制限されたのに加え、広告費の減少で制作費も大幅に削減されてしまいましたからね。これまでは20人以上の放送作家が番組に関わっていましたが、昨年は半分以下の10人まで削られることに。予算も企画もギリギリだったため、一部過去の名シーンを流すなどして時間稼ぎをするしかなくなったそうです。

 プロ意識の高い松本さんとしては納得のできる出来とはほど遠いものだったにも関わらず、ネットニュースで“老化”とバッシングされたことも不満だったのではないでしょうか

 休止発表を受け、松本もこうツイートしていた。

《コロナ禍において【笑ってはいけない】の収録は難しいと去年つよく感じました。クオリティーを下げてまで番組を続けるのは楽しみにしてくれている方々に対して尻より心が痛いです

代替番組のMC候補は“正月の顔”

 さまざまな要因が重なったことで「完全終了のピンチに陥っている」と、前出の日本テレビ関係者は肩を落とす。

現状、今年のみ休止と発表していますが、制作費なども含め出演者が納得できる環境に戻らないと再開しないと聞いています。コロナ禍でどこも制作費が削減されている今、事実上の終了宣言と捉えている関係者も多いですよ」

 代替特番のMCは、“日テレ元日の顔”とも呼べるナインティナインが最有力候補のようだ。

『ガキ使』代替番組のMC候補は長年日テレに貢献しているナインティナイン

「本当は内村光良さんをキャスティングしたかったようですが、今年も『紅白歌合戦』の総合司会に内定しているという情報があったため、諦めたとか。

 ナイナイは『ぐるぐるナインティナイン』などで局への貢献度も高いですし、毎年元日未明に若手芸人発掘番組『新春おもしろ荘』を日テレで放送しています。適任ではないでしょうか」(広告代理店関係者)

『笑ってはいけない』シリーズの今後や、代替特番のMCにナインティナインの名前が上がっていることについて日本テレビに確認したが、

「番組制作の過程についてはお答えしておりません」

 との回答に留まった。日本テレビとしては、決して笑える状況ではない!?