片寄涼太 撮影/岩澤高雄(TheVOICEMANAGEMENT)

 GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーで俳優としても人気の片寄涼太が、初めての著書『ラウンドトリップ 往復書簡』を10月29日に発売する。華やかな表舞台での“鎧う”姿とは違った“素”を綴った深層インタビューと著書掲載のグラビアショットを先行公開!

「初めてだったので手探りで書かせていただいたけど、積み上げてきたものが書籍になってすごくうれしいし、満足感があります」

 GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーで俳優としても活躍する片寄涼太が、初著書『ラウンドトリップ 往復書簡』を上梓した。

 片寄がデビューする前の15歳からの知り合いで、10年以上親交のある作詞家の小竹正人との約1年にわたる往復書簡のウェブ連載を書籍化した。連載はコロナ禍前に企画され、昨夏スタートした。

「人と会えない状況のなかで始まった手紙でのメッセージのやりとりは縁だったと思います。いまやろうと思ってもスケジュールの都合などでできなかったかもしれないと思うので、やるべくしてやれた往復書簡だったなと感じています」

 “僕を丸裸にしてくれる人”という小竹に向けて、日常生活での些細な出来事や心情、あるいは疑問や質問を綴るとともに小竹からの書簡に思いを巡らせる。

「おうち時間が増えたときだからこそ、ちょっとした行動や出来事に対しての感情の動きに気づきやすくなっていたと思います。

 相手がいることで存在する自分を意識させられました。個人的なSNSより誰かに向けて発信する意識がより強かったと思います。自分が伝えたいことに軸がないと受け取る側は何が言いたいのかわからない。そうならないように心がけ、回数を重ねるごとに相手を楽しませたい、おもしろいと思ってもらいたいという欲が増えていきました」

書く作業はつらくても…

 1本の書簡は平均5日をかけて書き上げた。

「書籍化のために担当したまえがきは1日であっという間に書けました。書き始めると言葉や単語を思いつくことが以前よりも早くなっていました。1年で間違いなく鍛えられたと思います。

 文章を書くことはつらい瞬間もあったけど好きなことにも気づけました。

 書き上げたものは翌日に前日とは違うシチュエーションで読み返して“自分校閲”をしてから送るようにしました。読み返してトゥマッチと思える文章は修正し、逆にいい表現だなと思えるものもありました。

 自分が書いたものができあがっていく感覚が楽しくて、そういう時間は自分とより向き合っていたと思うし、豊かになる感覚が強くなり書き終えるとすっきりしました」

 書簡を読んだ小泉今日子は“文章が安定している”と文才を評価している。

「もともとは面倒くさがりで長い文章を書くことも好きじゃなかった。ただ高校受験のときに答案用紙は埋める!みたいな心構えで勉強したので、そのころに書くことへの執着が養われたかもしれないです」

半生をテーマにした小説にも興味?

 ボーカリスト、俳優に加えて“文筆”にも足を踏み入れた。

「表現することは同じだけど、文章を書くことは自分で感じることや驚くことが多い気がします。

 まだ始めたばかりですが、映画や展覧会を見てどう感じたのか。そのとき感じた言葉をメモするようになりました。いつか使うことができるかもしれないと思って……」

 自分の半生をモチーフにした小説やエッセイなどにも挑戦するのは?

「ちょっと書いてみようかな。そんなことで泣いたの?というエピソードがいっぱいあるし(笑)。実話なのか創作なのか。おもしろそう」

 《自分自身を鎧うこと》から《見えない二人》を見つける往復書簡には、ステージや映像での“鎧う”魅力とは違った等身大の魅力が伝わる。

「30代になって読み返したら恥ずかしいかも。でもその年齢にしかないみずみずしさと30代、40代になってまた違った味のあるおもしろいことを残せる人間でありたいと思わせてくれる作品になるのかなと思います。

 GENERATIONSとも俳優ともイメージの違う、知られていない片寄涼太がいると思います」

 新たな扉の先にも期待です。

片寄涼太 撮影/岩澤高雄(TheVOICEMANAGEMENT)

【こぼれ話】
 初著書には16ページにわたってグラビアを収録。片寄本人も驚くショットが掲載されている。

「表情の切り取り方がおもしろい。ドンと寄ったカットは一瞬、誰かわからなかった。僕?と疑うような写真があっておもしろかったです」

『ラウンドトリップ往復書簡』(10月29日発売/1650円/新潮社) ※記事内の画像をクリックするとamazonの詳細ページにジャンプします

『ラウンドトリップ 往復書簡』
(10月29日発売/1650円/新潮社)

スタイリスト/吉田宗平(SIGNO) ヘアメイク/石上三四郎