炭酸水 ※画像はイメージです 

 健康にいいと話題の炭酸水。日ごろ飲んではいるけれど別にやせないし効果を感じない……。もっと高い炭酸水がいいのか、飲む量が足りないのか。いえいえ、その飲み方が間違っているのです!便秘解消にも美容にも効果てきめん、炭酸水が手放せなくなる利用法をご紹介。

炭酸水飲むだけで「食前に飲む」で落としにくい体重もスルスル

 炭酸水が売れている。

 ウィズコロナの2021年、自宅での「宅飲み」や、お酒の「割り」としてのニーズが急増。手軽にリフレッシュでき、無糖で健康的なイメージもあって、売り上げが絶好調だ。女性は満腹感をカバーできるのとダイエット効果を期待して飲む人も多い。

「大切なのは飲むタイミングとその量。食前にコップ2杯分ほど飲めば、無理せず、1週間で1~2kgやせられます」

 教えてくれたのは、炭酸水研究の第一人者、前田眞治先生。食事の15分前までに、常温の炭酸水を女性で300ml、男性で500ml飲めば、炭酸で胃が膨らんで脳の満腹中枢を刺激。自然と食べる量が減らせる。

「食べ放題で実験を行ったところ、食前に炭酸水を飲むと、食べる量が通常の7割程度になりました」(前田先生)

 食前だけでなく、おやつの時間前に炭酸水を飲めば、間食の量も抑えられる。ただし、少量でも栄養が十分とれるような食生活を心がけること。

食前の冷たい少量の炭酸水はキケン!

 一方、飲み方を間違えると、逆効果になるので要注意。

「食前に冷たい炭酸水を少量(100~150ml程度)飲むと、炭酸の刺激で胃の動きが活発に。食べ物が胃から腸へ送られるのが早くなり、食欲が出てどんどん食べられてしまいます」(前田先生)

 前述と同じ食べ放題の実験によると、食前に少量の冷たい炭酸水を飲んだ場合、食べる量は通常の1・4倍に膨らんだ。炭酸水でダイエット効果を得るには、(1)飲む時間=食前15分程度、(2)飲む量=女性なら300ml、(3)温度=常温を厳守することが重要。もちろん、ノンカロリーを選ぶ。

「食前にスパークリングワインなどを飲むのは、食欲を刺激して美味しく食べられる効果を狙ってのこと。炭酸水は飲み方を変えるだけで、食べる量を減らすことも増やすこともできるのです」(前田先生)

 アスリートの栄養・食事のサポートを行う管理栄養士の新生暁子さんは、この炭酸水の特性に注目し、体重管理に炭酸水を用いている。

「太りぎみの人は食べる量を減らせ、やせぎみの人はしっかり食べられるようになる。飲み方ひとつで健康的な体重へコントロールできるのが炭酸水の魅力です」

炭酸水飲むだけで
体質、便秘改善安眠やリラックス効果も!

寝る前の1杯でリラックスした睡眠に

 炭酸水を飲む利点はほかにもある。例えば、飲んだときに口の中で感じる、“シュワシュワ”の刺激はリラックス効果がある。

「炭酸飲料を飲むと口の中で爽快感を得られると思います。このとき、口の中の刺激によって一時的に交感神経が高ぶります。そして、しばらくすると、その刺激の反動で今度は副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られるのです」(前田先生)

 実際に脳波を調べると炭酸水を飲んだ直後は緊張を示すが、少したつとリラックスを示す脳波が増える。

「寝る前、お風呂のあとに常温の炭酸水を1杯飲むと、身体が“お休みモード”に切り替わり、安眠に導きます」(新生さん)

 さらに、ドライマウスの改善にも効果あり。

「シュワシュワの刺激が脳に伝わって、唾液の分泌を促してくれます。炭酸水が苦手という人は、うがいをするだけでもいいですね。実際に高齢者に炭酸水でのうがいをすすめたところ、唾液の出がよくなったと感じた人が多かったのです」(新生さん)

 唾液には、ウイルスや細菌の侵入を防ぐ物質が含まれているため、唾液の分泌を促進することで新型コロナウイルスやこれからの季節のインフルエンザ予防もできるのだ。

胃腸の動きが活発化慢性的な疲れも克服

 炭酸の刺激は胃と腸の働きを活発にするため、便秘改善にも。

「特に、朝起きてすぐに冷たい炭酸水を少量飲むと、一気に胃腸の動きが高まり快便に」(前田先生)

 ただし、腸の弱い人は、下痢になる可能性があるので注意を。カルシウムなどミネラル豊富な硬水の炭酸水ではなく、なるべく軟水を使った炭酸水から試すこと。

便やガスの排出がスムーズになることによって、腸内環境がよくなり、代謝機能も正常化。炭酸水を生活に取り入れたアスリートに話を聞くと“体調がすごくよくなった”と答える選手が少なくありません。新陳代謝がよくなるので、慢性的な疲れも改善され、吹き出物などの肌トラブルもぐっと減ります。

 腸内環境を整えるには、ヨーグルトや発酵食品などもよいですが、炭酸水なら持ち歩いて食事以外の時間でも手軽に取り入れられるので続けやすいと思います」(新生さん)

「すりおろししょうがや、トマト、ハーブを入れてもすごく合いますよ」(新生さん)

 昨今、多種多様な炭酸水が発売されているが、飲む炭酸水は好みで選んでOK。無味の炭酸水が苦手という場合は、アレンジを加えて楽しむのもいい。

「飲むお酢で割ったりレモネードにすると飲みやすくなります。梅干しを加えるのもいいですね。疲労回復に効果のあるクエン酸を含むので、プラスαの効果が得られます。特に、50代以上の女性におすすめなのは、炭酸水×レモンの組み合わせ。レモンに含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成や筋肉や骨をつくる助けになります。ぜひお気に入りを見つけて楽しんでください」(新生さん)

シュワシュワ抜けてもスゴイ! 余った炭酸水活用法

 炭酸の泡が抜けると飲む気がうせる炭酸水。でも、二酸化炭素ガスは水に溶け込んで残っているのでまだまだ用途あり! 捨てるなんてもったいない! 2段活用をしてみましょう。

(1)料理に使う

(1)料理に使う

 肉を10分ほど炭酸水に浸してから煮込めば、しみ込んだ炭酸の気泡が肉の中から出ることで短時間でやわらかく仕上がる。水のかわりに炭酸水を使えば、蒸し料理はふっくら、お米は粒がピンと炊き上がる。また、「魚を炭酸水で洗うとニオイとぬめりも取り除けます」(新生さん)

(2)髪を洗う

(2)髪を洗う

 すぐれたクレンジング作用と血行促進効果がある炭酸。頭皮ケアに使えば、毛穴汚れがしっかり落ちて、健康な髪になる。「髪を濡らした後、炭酸水100~200mlを頭皮にかけてマッサージするように洗髪するだけ。翌朝、髪にふわっとボリュームが出ますよ! 」(新生さん)

(3)お風呂・洗顔に使う

(3)お風呂・洗顔に使う

「炭酸は血管拡張作用があり血流が促進。冷え性改善が期待できます」(前田先生、以下同)。風呂おけに炭酸入浴剤と飲用炭酸水を入れて高炭酸濃度の足湯を作れば温浴効果も高まる。「血行促進で、皮膚の代謝が促され美肌効果も。常温炭酸水での肌ケアもおすすめです」

教えてくれたのは……

前田眞治先生
国際医療福祉大学大学院リハビリテーション学分野教授。リハビリテーション専門医。30年以上研究を行う“炭酸の第一人者”として、テレビや雑誌などで炭酸の効果を解説。著書に『炭酸パワーで健康になる! 』(洋泉社)

新生暁子さん
管理栄養士。日本スポーツ協会 公認スポーツ栄養士。マラソンの高橋尚子率いる「チームQ」の栄養・調理担当を経て、フリーに。アスリートへの栄養・食事のサポートなどを行う。著書に『炭酸水 最強の活用法』(アスコム)

(取材・文/河端直子 イラスト/赤松かおり)