徳光正行

 今年で80歳になった徳光和夫がいま、“炎上発言”で正念場を迎えている。

 それは10月30日に浅草キッド・水道橋博士のYouTubeチャンネル『水道橋博士の異常な対談』に、ゲスト出演したときのこと。笑いを交え和やかにフリートークを展開するなかで博士が切り込んだのは、徳光と明石家さんまが“共演NG”な関係にあるというテーマだった。当時を徳光はこのように回想した──。

「番組で“さんまさん面白くない”といったのが契機になったのかもしれませんね。言い方はよくないかもしれませんが、当時は面白さがよくわからなかった」

 20年前ではさんまの笑いが理解できなかったとしつつも、現在は司会を務める番組などを楽しんでいると続けた。しかし、博士が「年齢の衰えを知らないですよね、さんま師匠はね」と発すると、彼はその言葉に頷きながら“問題発言”を繰り出してしまう。

「そうですね。この間(さんまに)お目にかかったとき、本当に若々しかったですね。まだ、AKBの1人や2人は妊娠させられますよ」

博士は「徳光さんには何の落ち度もなく」

 現場では博士、スタッフからも笑い声が起きていたが、「AKBを妊娠」というパワーワードですぐさまSNSを中心にネットは大炎上。ネットニュースにも取り上げられ、世間の非難を浴びることになってしまった。

「完全にセクハラ発言でアウト」「度を超えている」

 そんな集中砲火を浴びたことで博士は11月7日に自身の『note』を更新。

《徳光さんには何の落ち度もなく申し訳なく思う。ボクがボクの発言で炎上して火だるまになるのは、覚悟もできているが、尊敬する大先輩を巻き込むのは、顔から火が出るほど恥ずかしく申し訳ない気持ちになる》

 と綴り、動画をアップロードした側の落ち度を認めた。また、11月8日までに博士のYouTubeから動画から該当の発言があった箇所が削除されることに。

次男・正行は「否定に値することではない」

 しかし、この騒動を受けて、過去にもあった徳光の問題発言が掘り起こされることになってしまった。芸能レポーターは「以前から巨人と女性に関しては失言グセが抜けない」としとうえで、番組サポーターとして進行を担っていた今年の『24時間テレビ』(日本テレビ系)で波紋を呼んだ発言についてこう解説する。

「東京五輪のレスリング女子50キロ級で金メダルを獲得した須崎優衣選手が、ゲストとしてステージに上がった際、『結婚してお子さんが誕生したら、あなたのレスリングや生き方を教えてあげてください』と熱い言葉を贈ったのですが、こちらも女性に結婚や出産を押し付けるかのようなセクハラ発言として世間に物議を醸しました。ご本人としては悪意があるわけではないんですがね……」

 あいも変わらずメディアで元気な姿をみせる徳光だが、ここ最近では“高齢”を感じさせるような言動も少しづつ、増えてきている。今年の8月10日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演した彼は「(妻が)同じことを何度も、今言ったことを1分後には同じことを言う」と発言しており、長年連れ添ってきた妻が初期の認知症になったという衝撃告白をしたばかり。

「一部メディアでは、競馬好きな徳光さんがますます趣味に熱中していることについて、“妻の認知症は大きなショックで、それによってギャンブルにさらにのめり込むようになったのでは”という心理カウンセラーの分析を掲載していました。発言の裏側にはそういった高齢化にともなう“ネジの緩み”のようなものもあるのでしょうか……」(スポーツ紙記者)

 今回の炎上騒動について、次男でタレントの徳光正行はどのように感じたのだろうか。本人に聞いてみることに──。

──父・和夫さんが「(さんまが)AKBの1人や2人は妊娠させられますよ」と発言されていたことについて、どのように感じましたか?

まず、“坂道グループ”ファンの僕からしたらありえない発言ですね(苦笑)。ただ、今回の父の件については言葉狩りのような感じになっているという印象は受けました。こういったら悪いですけれども、たかがYouTubeでの発言じゃないですか。これがNHKや民放、たとえば父が出ている『路線バスの旅』といった場でしたら問題かもしれませんが、YouTubeというのは“視聴者が選択して見るメディア”ですよね。自分の意思がないと見ることができないわけです。

 もう一点言えるのは、これが、さんまさんを褒めるための発言だったということでしょう。さんまさんの元気さ・活力ぶりを言い表すためのフレーズですので、そこまで否定に値することではないのかなというのが個人的な印象です。個人名を出したわけではなく、また彼の知識のなかで、若い女性を指す言葉といえばAKBくらいしか浮かばなかったのだと思います

父は騒ぎになっていることすら知らない

──徳光(和夫)さんご本人はどのように考えられているのでしょうか

「80歳という年齢ですから、今さら後付けで生まれたコンプライアンスという考え方に迎合することはないと思いますね。『あと5年、テレビに出るか出ないか』という人ですから、もう変わることは無理だと思います。彼はSNS等のメディアは全く利用していないので、謝罪する機会もない。それどころかこんなに騒ぎになっていることを知らないと思います。

 ネットニュースも見ませんし、SNSやネットのコメントは屁とも思っていないんじゃないですかね。あれが“民意”だとは絶対に思っていないと思いますよ。父のことを50年見てきましたが、批判的な言葉に耳を傾けるタイプではない

──今後、徳光和夫さんを「起用しない可能性も」と報じたメディアもありました

太田光 撮影/佐藤靖彦

あまりに批判がひどかったらテレビ局も使わなくなりますし、そうなったときはフェードアウトするだけじゃないでしょうか、“時代にそぐわなくなった”ということで。それを選択するのはテレビ局やラジオ局。この間、爆笑問題の太田(光)さんも選挙特番での発言が騒動になっていましたよね。あれも賛否両論あったと思いますが、“今後は芸人は使うな”となるかもしれません。

 表方は時代に沿って生きていかなければいけないのでしょうが、それで小さくまとまっていくのもテレビがつまらなくなる要因になっている気もします

 ここ数年、メディアは転換期を迎えているが、果たして“出演者”たちはどう生き残っていくべきか──。