11月10日に発売された『ミートボール弁当』

「おかげさまで予想を大きく上回っております。『ウインナー弁当』の3倍のペースで売れているんですよ!」

 ホクホク顔でそう話すのは、『ローソンストア100』運営本部統括部長の林弘昭さん(43)。

 今年6月、おかずがウインナーだけしか入っていない『ウインナー弁当』(税抜き200円)を発売したところ、爆発的なヒット商品に。発売当初から同社のお弁当カテゴリーでトップの販売数となり、先月末までに約50万個を売り上げた。林さんはウインナー弁当の発案者であり、シンプル弁当の第2弾として、11月10日に発売された『ミートボール弁当』(税抜き200円)の開発にも携わった。 

 冒頭にあるとおり、売り上げは出足から絶好調だという。

ミートボールの下にはパスタが

 同弁当は縦11センチ×横16.5センチとかなり小ぶりだ。中を見ると、ごま塩がふられたご飯と、デミグラスソースがたっぷりかかったミートボール6個。だが、実はミートボールを持ち上げると、下には白いパスタが隠れている。

「このパスタは、ミートボールがコロコロと転がらないようにするために敷いています」(林さん、以下同)

 弁当を揺らしてみると、パスタがストッパーとなって、確かにミートボールは動かない。またパスタによる底上げ効果で、パッと見のボリューム感もお値段以上だ。実際に食べてみると、なんとも昔懐かしい味。サブおかずのイメージが強かったミートボールも、十分な食べ応えがあった。だが“量はあえて控えめにした”という林さん。

「お好みの麺類や惣菜、サラダ、女性ならデザート……。とにかくお好みのものプラス1品を自由に組み合わせて楽しんでいただきたいと考えています。もちろん2、3個買ってもらってもいいんですけど(笑)」

 そもそも、200円という低価格で採算が取れるものなのか。

「おかずが一品だけなので、おかずを仕切る緑色のバランをなくしました。ふたもプラスチックからビニールに変更。原価を徹底的に落としているから、この価格での販売が実現できています」

“そんなの売れるわけないよ”反発の声も

第三弾の構想は“内緒です”と答えた『ローソンストア100』統括部長の林弘昭さん

 これらの弁当は、林さんが長年あたためてきたアイデアのひとつだという。

「頭の中には10個ぐらい弁当のアイデアがあったのですが、私自身が商品開発部ではないし、会社内でも反対する声が多かったので、なかなか商品化に踏み切れなかった。“そんなの売れるわけないよ”ってね。でも今年の3月、やっと“売れるかどうかわからないが、とにかくやってみよう”となったのが『ウインナー弁当』でした」

 社内の予想に反して、発売初日から大ヒット! あの“お笑いのカリスマ”松本人志にも絶賛された。

「コンビニ業界では、一つの弁当が1日で5食も売れたら大ヒットなのですが、これは2桁も売れた店舗が半数ありました」

『ミートボール弁当』は、その3倍も売れているというから驚きだ。

 どうしても気になってしまうのは、シンプル弁当の第3弾だ。ハンバーグ弁当? 餃子弁当? シウマイ弁当?

「いや、内緒です。……ヒントも言いません(笑)。でも、“おっ、今度はそうきたか!”と驚かれるようなものを考えていますよ」

 きっとスベらない弁当を作ってくれるに違いない。