2021年12月2日にデビュー1周年を迎えたNiziU(画像は公式サイトより)

 “なわとびダンス”がブームになるなど、鮮烈なデビューを飾った9人組ガールズグループNiziUが、12月2日でデビュー1周年を迎えた

ホームでは事実上“デビュー前”

「11月24日に発売されたファーストアルバム『U』は17.9万枚を売上げ、オリコン初登場1位に輝きました。ダウンロード数も1位と人気の高さを証明した形です」(スポーツ紙記者)

『紅白歌合戦』に2年連続出演。『第63回日本レコード大賞』の優秀作品賞にも選ばれるなど、快進撃を続ける彼女たち。しかし、いまだ“ホーム”であるはずの韓国での正式デビューが決まらない状況だ。

「日韓合同のグローバルオーディションプロジェクトで選ばれ、韓国の有名芸能事務所・JYPエンターテインメントに所属。

 プロデューサーであるJ.Y. Parkさんも韓国の番組に出演した際に“日本がメインだけど、全世界で活動予定”と断言していただけに、韓国でのデビューも目指しているはずですが……」(テレビ局関係者)

NiziUメンバーとJ.Y.Park(中央)NiziU公式インスタグラムより

 韓国での本格デビューが決まらない理由を、現地の芸能プロ関係者はこう分析する。

彼女たちが誕生するきっかけになったオーディション番組『Nizi Project』はそもそも韓国では放送しておらず、提携していた動画配信サイト『Hulu』も海外からは視聴できないようになっています。

 韓国の人たちにはほとんど知られていないため、具体的な活動の話が進んでいないのでしょう

 韓国音楽シーンのトレンドにもマッチしていないと続ける。

韓国のガールズグループは、デビューまで時間をかけてパフォーマンスやルックスを洗練させ、完璧な状態でデビューします。だからこそ韓国女性の憧れの対象になり、支持を得られる。

 その象徴的な存在であるBLACKPINKは、国内アイドルの枠を超えて、外国人アーティストのような存在になっていますからね。

 一方、NiziUはルックスも含めて、キャラクターの親しみやすさが特徴。日本の音楽シーンではそれが大きな武器になっていますが、実力派がしのぎを削る韓国の音楽シーンで存在感をアピールするのは難しい気がします」(同・現地の芸能プロ関係者)

韓国の芸能界事情が足かせ?

 K-POP事情に詳しい、音楽ライターのまつもとたくおさんもこう指摘する。

韓国の芸能界では外国人オンリーのグループが大々的に活動した例がないこともあり、NiziUに限らず韓国人メンバーがいないグループをストレートに売り出しても、支持を得るのは難しいのではないでしょうか。

 彼女たちが所属するJYPエンターテインメントは来年2月に新しいガールズグループをデビューさせる予定で、現在はそのグループに力を入れているでしょうから、NiziUの韓国での本格的な活動はまだ先だと考えている気がします」

NiziUの公式ツイッターより

 しかし、展開次第では韓国での成功も期待できるという。

「JYPエンターテインメントは、TWICEなど人気ガールズグループで実績を作ってきました。TWICEなどとコラボレーションし、“韓国版E-girls”のような別ユニットで活動をすればNiziUの魅力も伝わるでしょうから、韓国でも人気が爆発する可能性は大いにあると思います。

 J.Y. Parkさんが見込んで結成した9人ですから、世界でも活躍できるポテンシャルは十分秘めています」(まつもとさん)

 そもそも韓国国内の音楽市場は狭く競争が激化しているため、各芸能事務所は所属アーティストの海外進出に力を入れている。

 NiziUはすでに日本で人気を確立していることもあり、現時点で知名度のない韓国でのデビューを急ぐ必要はないのかもしれない。

「韓国と行き来をしているのは、JYPエンターテインメントのトレーナーから直接レッスンを受けるためでしょう。その甲斐あって、曲を出すたびにパフォーマンス力も上がっています。

 所属事務所の今後の戦略は分かりませんが、彼女たちが一番輝けるマーケットでのびのびと活動していくのが、全方位でWIN‐WINとなるのでは?」(前出・現地の芸能プロ関係者)

ローソンではくじ企画をはじめ、デビュー1周年の企画が大々的に行われている

 日本の所属レーベルであるソニーミュージックに、韓国でのデビューについて問い合わせたところ、

NiziUは、2020年6月30日にプレデビュー、同年12月2日にデビューして以来、韓国を含む世界で音源配信リリースおよびミュージックビデオも公開しております。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、日本でもようやく2021年9月になって初めて有観客でのパフォーマンスが実現したというような状況です。

 コロナの状況などまだまだ予断を許さない状況ではありますが、こういった国内外含めた活動の幅をさらに拡げ邁進すべく、日々活動を行っております

 との回答が届いた。9人が輝けるなら、活動する場所にこだわる必要はないかも!?