小池百合子東京都知事と写る木下都議(木下都議のツイッターより)

 今年7月の東京都議会議員選挙で当選。しかし当選後、選挙期間中の人身事故、及び無免許運転が発覚した木下富美子元都議(55)。期間中以外も合わせ、無免許運転はなんと7回。道路交通法違反の罪で在宅起訴されていた。

木下都議の代理人弁護士は“いじめ”を主張

無免許運転の発覚後は雲隠れ状態でしたが、今月9日に4か月ぶりに登庁し都議会に出席。そして22日に急遽、小池百合子都知事に申し入れ、臨時の記者会見を開きました。そこで述べられたのは“都議の職を辞することを決断した”。無免許運転で当て逃げをしていた疑いの発覚により、所属していた政党『都民ファーストの会』からは除名処分を受けていました」(政治部記者、以下同)

 除名処分後は、一人会派を設立。『SDGs東京』という派閥名に、ネットでは“何も考えず流行り言葉をただ使っただけ”というような声も多かった。

現在に至るまでSDGs東京の活動がわかるようなホームページなどは見当たりません。『木下ふみこ公式サイト』はありますが、政策などはなく今回の件についての謝罪や説明のページがあるのみ。ちなみにツイッターは7月以降非公開状態です」(同・政治部記者)

 22日の会見には初めて木下の“代理人弁護士”が登場。こちらも物議を醸して……。

会見で代理人弁護士は、木下さんに対する議会の対応について“いじめ”と断罪しました」(スポーツ紙記者)

 代理人弁護士が“いじめ”と表現した木下に対する議会の対応を、会見での代理人弁護士の言葉で引用する。

木下に関しては召喚状が3回出され、11月9日に登庁し、委員会に出席しましたが、他の議員は退席し、委員会は開催されませんでした。木下を議会に呼んでおき、出席したら木下以外の議員が委員会をボイコットする

除名処分につきましては、出席停止処分とともに司法審査の対象となり、議会多数派が少数派を安易に議会から排除することがないよう、歯止めがかけられております。今後、不祥事を行った議員を辞めさせたいのであれば、議会や委員会等で辞職勧告に従わなかった議員を無視するような“いじめ行為”をするのではなく、法律上の適正手続きに従って辞職させることができるよう法律を整えたらいかがでしょうか

木下の議会での様子を見ていると、学校や職場で見られる“いじめの構造”と同じに見えてなりません。日ごろ、いじめ撲滅を唱えていると思われる議員の方々の、このような実際の姿を見せつけられると、日ごろの言動に対する信頼性が損なわれると考えますし、教育現場や職場などに悪影響をおよぼすものと思われてなりません

 テレビ各局は基本的にどの局も冒頭のみを中継した程度だったが、各局のユーチューブチャンネルにてライブ配信がなされていた。“いじめ”について言及する代理人弁護士の少し“逆ギレ”したような強い口調に対し、コメント欄は“弁護士は何を言ってるんだ”などの非難の声が散見された。

 いじめ発言の代理人弁護士は、港区の『広尾総合法律事務所』所属の桐生貴央氏。東京事務所のほかに、彼の出身である神奈川県相模原市にも支店を持つ(正確にはもともとはこちらが本店であり、設立自体は新しい港区の東京事務所を後に本店にしている)。

代理弁護士の不思議な商標『ワケあり君

 議員による“無免許運転7回”、“当て逃げ”という世間から注目され、かつその注目の中身はほとんどがバッシング。頭を悩ませる案件を買って出た桐生弁護士だが、彼はなんとも不思議な商標をかつて登録している。

 ネット上で確認できる『特許情報プラットフォーム』にあるその商標名は『ワケあり君』。妙なのはここからで、この商標の【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】(簡単に言うと、この商標を“何に”使うかという区分・指定)は以下となっている。

 “第45類 官公署に提出する書類及び権利義務・事実証明に関する書類の作成及び提出手続きの代理”

木下元都議の代理人弁護士・桐生氏が取得している商標(特許情報プラットフォームより)

 つまり、『ワケあり君』を官公署に提出する書類等に使う、というものだ。桐生弁護士は、この商標を出身の相模原市の行政書士などと共同で登録している。出願及び登録は、'14年のこと。官公署に提出する書類に使う商品が『ワケあり君』とは、いささかキャッチーすぎやしないか……。商標そのものが“ワケあり”にも思えてくる。『テックバイザー国際特許商標事務所』代表弁理士の栗原潔さんに、この商標登録について話を聞いた。

おそらく“官公署に提出する書類及び権利義務・事実証明に関する書類の作成及び提出手続きの代理”とは行政書士の業務のことだと思います。ネット上で使用されているケースが発見できないのでよくわかりませんが、離婚や借金等のややこしい案件専門の行政書士サービスでも行おうとしていたのではないでしょうか?

 この商標登録について、広尾総合法律事務所に問い合わせると、桐生弁護士とともに商標を出願した行政書士が代行して返答があった。

「共同権利者である桐生弁護士へご質問された件についてお答えします。共同権利者5人については、桐生弁護士の他4人は全員行政書士でございまして、相続・遺言・成年後見・許認可事務・外国人在留資格や特別行政書士の資格者です。

 独居や空き家対策など行政手続法に基づく書類の作成で国民の権利や義務に関わる案件を依頼を受け対応しています。本年は持続化給付金等の認定登録機関として、手続きが難しい分かりにくい等多くの方・企業からのご依頼を受けています。

『ワケあり君』については、ご指摘のとおりキャッチコピーとして共同権利者である各士業の裁量により利用をするものであります」(山口法務行政書士事務所・山口さゆみ氏)

 現時点で、小室圭さんに次ぐような“ワケあり”と言える木下元都議。いじめ発言の代理人弁護士はなんとも“ワケあり”がお好き?