ドラマ『最愛』で共演した松下洸平と吉高由里子

 吉高由里子(33)主演のドラマ『最愛』(TBS系)が、とんでもないことになっている。

 一見すると、視聴率はさほど高くないように思えるものの、『オリコン』による「最新のドラマ満足度調査」では初回放送で87Pt(100Pt満点)で3位を記録して以来、驚異的な人気をキープ。

満足度が異常に高い『最愛』、その魅力とは

当記事は「日刊大衆」(運営:双葉社)の提供記事です

 12月3日の最新データでは、項目別満足度の「主演」「主演以外のキャスト」「ドラマ内容」で2週連続3度目のオール20Pt満点を獲得したほか、第1話の無料見逃し配信再生回数が、初回放送後1週間で287万回を記録し、TBSドラマの初回放送における無料見逃し配信再生回数で歴代1位を獲得したりと、視聴者の満足度が異常に高い作品となっているのだ。

実は視聴率も、世帯視聴率は7.9%と苦戦しているように見えますが、現在、テレビ局が重視するコア視聴率は3.3%。同じ時間帯の『報道ステーション』(テレビ朝日系)は世帯が10.2%ですが、コアは3.2%なので、『報ステ』よりも高いです。ちゃんと、観てほしい層には届いているということですよね」(ドラマウォッチャー)

『最愛』は松下洸平(34)演じる警視庁捜査一課の刑事・宮崎大輝が、15年前に互いに思いを寄せあった真田梨央(吉高)と事件関係者として再会し、公私共に梨央をサポートする弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)との三角関係も挟みつつ、連続殺人事件の謎が複雑に絡み合うサスペンスドラマ。

 脚本家は違うが、TBSのサスペンスドラマでいまだに続編を望む声も多い名作『アンナチュラル』『MIU404』のプロデューサー・新井順子と演出・塚原あゆ子が再びタッグを組んだことも、クオリティに大いに影響を与えているという。

 主演の吉高の演技力も高く評価されており、高校生時代も吉高が演じているが、まったく違和感のない絶妙に純朴な田舎少女となっており、現代の垢ぬけたセレブ社長の梨央としっかりと演じ分けていることも話題を呼んだ。

昔は“演技が下手”という声があったり、等身大のキャラを演じることが多かった吉高ですが、そんな声も完全に過去のものとなりましたね。'13年の『ガリレオ』(フジテレビ系)といい、'14年のNHK連続テレビ小説『花子とアン』といい、出演作にハズレなしの選球眼の良さがまた発動した形になりました。

 ただ、今回の『最愛』の場合は、助演の松下の存在も、かなり大きいと思います。

 ちなみに松下は同スタッフの『MIU404』の第2話で“と殺人容疑の逃亡犯”として出演し、単発ゲストながら高い評価を得ていたので、それがキャスティングに影響したことは、ほぼ間違いないでしょうね」(女性誌記者)

 松下は'09年に役者デビューして以降、下積みが長かったが、'19年に戸田恵梨香(33)主演の朝ドラ『スカーレット』で戸田の夫・八郎を演じ、その繊細な演技から、“どっぷりハマる”という意味で“#八郎沼”というワードが誕生したりと、本格的にドラマ方面でもブレイクを果たしたのは記憶に新しい。

 '21年1月には中条あやみ(24)と一緒に日本テレビの名物番組『ぐるぐるナインティナイン』(ぐるナイ)の人気企画『グルメチキンレース ゴチになります!』の新メンバーに就任したりと、乗りに乗っている。

とにかく女性からの人気がすさまじい。これは、実はファンにかぎらず、女優たちも松下にメロメロなんです。

 朝ドラで共演した戸田恵梨香も、本来は主演以外立ち入り禁止、という暗黙の了解がある休憩スペースに松下が入っていって肩もみをしていた、と『女性自身』(光文社)が報じています。実の夫婦級の仲の良さぶりだった、ということでしょう。さらに数年前には、10歳以上も年上の超大物女優との関係が噂されたこともありました。

 演技力はもちろん、松下は“ペインティング・シンガーソングライター”でもあり、そうした芸術家としての感性も、女性を惹きつける魅力につながっているのではないでしょうか」(前同)

 実際、“音”のセンスが『最愛』でも生かされている。松下演じる大輝は「飛騨弁」という岐阜弁とも大阪弁とも微妙に違う、東京生まれの松下には難しい方言を話すのだが、劇中の「好きやよ」というセリフなどは実にナチュラル。これについて、12月3日の『リアルサウンド』のインタビューに松下はこう話している。

《言葉で説明するのは難しいんですけど、たとえばネイティブな英語を喋る人って、僕たちが思っている以上にいろんな音を省いて、流暢に言葉を発する気がしていて。

 なので、方言も方言だからといって「音が合ってるかな」とか「こうしなきゃ」とか、ガチッと考えすぎないようにしています。

 今回でいえば、よく「~やで」と言うんですけど、僕はふだん「やで」なんて言わないので、「や・で」ってちゃんと言わなきゃいけないと思ってしまう。

 でも、きっと飛騨出身の方は「やで、なんとかなんとかで~」と、サラッとおっしゃると思うんですね。そういう細かなニュアンスを、あたかも“いつも喋ってます風”で喋れるように、というところは気をつけています。》

「音楽家としての素養が魅力や演技に生きている。いってみれば、“俳優寄りの星野源”ですよ。しかも松下の場合、音楽だけでなく絵画のセンスも抜群ですからね。

 幼少期は、画家である母の元で油絵を学んでいたそうですが、気軽に使いやすくて色が豊富という理由で学生時代からずっと“コピック”を愛用しているといいます。『ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA)の連載『フキサチーフ』など、イラストの仕事もコピックを主にしています。

 最近では11月に藤木直人(49)とミュージシャンで音楽プロデューサーのシライシ紗トリ氏との期間限定ユニット『49』CDジャケットのイラストも手掛けています。芸術家としての美意識の高さが、演技にも昇華されているとみて間違いないでしょう」(前出の女性誌記者)

 年内にクライマックスを迎える『最愛』。今年は松下洸平の『ゴチ』で始まり、松下洸平の『最愛』で終わる年になりそうだーー。