坂上忍

「動物好きのおじさんとしての時間を、もう少しいただけませんか?」

 12月13日放送の『バイキングMORE』で番組終了の経緯を語ったのは、MCを務める坂上忍。

“終幕”の理由

「12月12日、'22年春の改編をもって終了することを正式に発表。翌13日の放送では、進行の伊藤利尋アナから終了について話を振られた坂上さんが経緯を説明し、8年の歴史に幕を下ろす運びとなりました」(スポーツ紙記者)

 突然の発表に驚く人も多かったが、フジテレビ内でも、番組の終了を知るのは上層部の限られた人たちだけだった。

「12日の発表前に番組全体の会議が開かれて、ほとんどのスタッフはそこで初めて知らされたんです。12月3日には一部週刊誌が“打ち切り内定”と報じていましたが、その時点では何も聞かされていませんでした」(番組関係者)

 関係者の多くも驚いた終幕の知らせ。坂上が「動物の保護活動に専念したい」と申し出たことが理由とされているが、ほかにも事情がある様子。

「もちろん保護活動が大きな理由ですが、3時間近い番組の司会に疲れたこともあるのでは。毎日違う話題を自分の意見を交えて扱うカロリーは、そうとうなものですからね」(フジテレビ関係者)

 かなりの負担を背負っていた坂上。スタッフとの関係にも苦労していたようで……。

「'20年秋に番組枠を拡大した際、終了となったワイドショー『グッディ!』のスタッフがそのまま加入。最終的にはチームとしてまとまりましたが、初めのうちは反りが合わない部分もあったようです」(同・フジテレビ関係者)

 さまざまな背景のもと終了することとなったが、早くも気になるのが『笑っていいとも!』から受け継いだフジテレビの伝統的な放送枠の行方。

 SNS上では『いいとも!』の復活やタモリの復帰を望む声も上がる中、後任として『バイキング』にも出演するあの俳優の名前が浮上した。

坂上の“相棒”が鍵

「コメンテーターとして出演している薬丸裕英さんです。TBS系『はなまるマーケット』のMCを務めていたこともあり、坂上さんより主婦層からの好感度も高いですからね」(芸能プロ関係者)

 次なる“看板”に大きな注目が集まるが、番組の内容はすでに決まっているのか。

「細かいことはこれからだと思いますが、予算などを考えると、やはりトーク中心のワイドショーになるでしょう。大物タレントを多く起用することは考えにくいですね。'21年中に調整を進めて、詳細は年が明けてからの発表になるかと」(前出・フジテレビ関係者)

 他局からも熱い視線が注がれている、フジテレビの動向。春からの新番組について、コラムニストのペリー荻野さんはこう語る。

「坂上さんの売りだった“本音トーク”からまた違う方向に舵を切っていくということで、大変だと思います。ただ、フジテレビは力のあるアナウンサーがいる局。その人材を生かした番組になるのかなと。人気アナウンサーを育てる土壌がありますし、予算削減の点でも大きなメリットになります」(ペリーさん)

『笑っていいとも!』の後継番組として'14年にスタート。開始当初は曜日ごとにMCが異なり、坂上忍も当時は月曜の司会を務めていた

 止まらぬ業績悪化のため、11月末には50代以上の社員を対象に早期退職者を募集したフジテレビ。予算削減の意味でも、自社の社員であるアナウンサーを多用していくのは必然の流れかもしれない。

 アナウンサーの中でも特に気になるのは、坂上の相棒を務めた伊藤アナだ。

「メインMC、伊藤アナ、若手アナのトリオで進めるのも面白いでしょうし、柔軟な対応ができる彼をサポート役に置くことで、メインMCの選択肢も広がると思います」(ペリーさん)

 芸能レポーターの川内天子さんも、伊藤アナには太鼓判を押す。

「ニュースでもバラエティーでも、どこでも通用する実力があります。視聴者にとってもおなじみの顔で安心感がありますし、局からの信頼も厚い。突然のニュースにも対応できますから、MCからしても伊藤アナが隣にいるのは心強いはずです」

 後任のMCとして、タモリのほかに中居正広を推す声もあるが……。

推される俳優の名とは

「帯番組は体力的な負担も大きいので、タモリさんがまた司会を務める可能性はほとんどゼロかと。中居さんは司会者としての実績は十分ですが、逆に“新鮮さ”という点では、少しもの足りないかなと感じます」(川内さん)

 このところはお笑い芸人が帯番組のMCを務めることも増えてきたが、川内さんは別の可能性を示す。

「芸人さんのMCは多いので、やはり新鮮さには欠けてしまいます。そこで注目なのが、坂上さんと同じ役者の方々。'21年中では、フジテレビ系『めざまし8』では谷原章介さん、TBS系『THE TIME,』では香川照之さんが司会に就任しました」

 人気作に出演する役者がMCを務めることになれば、話題性も抜群。川内さんが推すのは、あの“大河俳優”だ。

2018年7月、『キリン一番搾り』イベントに出席した鈴木亮平

「鈴木亮平さんがとても面白いと思います。ラジオ番組をやっていてトーク力とユーモアのセンスがあるし、海外留学での経験も豊富。アクシデントにも対応できるはずです。鈴木さんのような方がお昼にMCを務めたら“どんな内容の番組になるんだろう”と非常に気になりますね。俳優の仕事が忙しいですが、香川さんのように曜日限定の形をとれば負担も少ないはず」

 お昼の顔となる可能性を秘めた俳優と、フジテレビを支える“アナウンサー軍団”。来春から番組を彩るキャストに、期待と想像が膨らむ。

 新番組の詳細についてフジテレビに問い合わせたが、

「改編に関してはお答えしておりません」

 との回答だった。

 8年にわたる航海の終わりを迎える『バイキング』。“伝統枠”の冒険は、来春からも形を変えて続いていく。