『霜降り明星』の粗品

 昨年4月に始まったばかりの音楽バラエティー番組『オトラクション』(TBS系)が、今年3月末で放送が終了すると報じられ、業界に衝撃が走っている。

「歌手の西川貴教さんと第七世代の筆頭である『霜降り明星』の粗品とせいやがMCを務めており、いわゆる“音ゲー”に特化した新感覚アトラクション番組です。この3人がゴールデンタイムの番組でMCを任されることは初めて。

 ただ、放送スタート後の世帯視聴率は3〜4%、個人視聴率は1〜2%と低迷し、ゴールデン帯としてはかなり厳しい数字に……。特に気合いが入っていたのは粗品だったそうですから、わずか1年での打ち切りにそうとう悔しい思いを感じていると思いますよ」(TBS関係者)

冠番組がまさかの3時間繰り下がり

『オトラクション』が終了した後の番組もすでにほぼ決定しているそう。

「昨年11月に特番として放送された『ZOO-1グランプリ』のレギュラー化が有力です。全国の飼育員たちが自慢の動物たちを映像を交えてプレゼンしていき、“びっくり部門”や“偶然に撮れちゃった部門”などでそれぞれの王者を決めるという動物バラエティー番組。

 子どもから大人まで楽しめる構成となっていることもあり、メインMCは特番に引き続いて『サンドウィッチマン』の2人が起用される予定です。霜降りをゴールデン初MCとして起用した『オトラクション』はチャレンジという感じでしたが、後番組がサンドウィッチマンの動物番組というのは安定を求めたような印象を受けます」(同・前)

 そんな粗品といえば昨年末、5年半の交際期間を経て結婚を発表したばかり。

「粗品が高校時代に出場したお笑い大会のときに照明を担当していた女性が、今の奥さんとの出会いだったそうです。その後、ピン芸人の三浦マイルドのお笑いライブで椅子を持ってきくれたことで偶然の再会。'18年の『M-1グランプリ』で優勝する前から交際、そして同棲したのちに今回のゴールインへ。ディズニーランドのシンデレラ城の前でロマンチックなプロポーズをしたと周囲にのろけていたそうですよ」(吉本興業関係者)

 しかし、幸せの絶頂から突き落とされる形の今回の打ち切り劇となってしまった。実は、昨秋にも自身の冠番組が“降格”している。

霜降りの2人がMCで深夜0時台にテレビ朝日系で放送されていた『霜降りバラエティX』の放送時間が約3時間が繰り下がりました。その際、テレビ朝日の総合編成部長は“新しい枠で霜降りのみなさんと一緒に番組を作っていきたい”と語っていましたが、さすがに深夜3時台への繰り下げは驚きましたね」(テレビ誌ライター)

『霜降りバラエティX』以外で2人がメインを張る番組も、伸び悩んでいるのが現状のようだ。

「昨年の9月いっぱいで、テレビ朝日系の『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』が放送終了。“心配を笑い飛ばそう”をテーマにベテランから第七世代までの世代間ギャップを楽しむがコンセプトでしたが、コロナ禍の影響でロケができず、スタジオトークが中心の作りになってしまい、視聴者が離れてしまった。

 '20年の夏からTBS系でスタートした『霜降りミキXIT』や、昨春からゴールデンタイムで始まったフジテレビ系で放送中のコントバラエティー『新しいカギ』に霜降りもメインキャストで出演中。しかし、どちらの番組も話題になることは少なく、視聴率の面でも苦戦しており、制作側は頭を悩ませているところなのでは」(制作会社関係者)

今年が正念場か

 ただ、お笑い第七世代を引っ張るリーダー的存在である粗品の実力は本物。それゆえに「番組に恵まれていない」との声も上がっている。

「『M-1グランプリ』とピン芸人の賞レースである『R-1グランプリ』の2冠を獲った粗品の実力はそうとうなもの。MCもこなせるし、ひな壇でキャスティングしても結果を出してくれる安心感があります。

 過去にはラジオ番組での問題発言でいくつか炎上してしまった案件もありましたが、生放送でも安定した笑いを獲れる粗品が若手の星なのは間違いない。

 そんな彼が出演するテレビ番組の結果が芳しくないのは、一時期の“第七世代ブーム”に乗っかってしまった制作側にも責任があるのかもしれませんね」(放送作家)

 次々と新たな芸人が台頭していく中で、粗品のポジションは安泰というわけではない。

'22年3月いっぱいで放送終了すると報じられた『オトラクション』(公式HPより)

「今や第七世代よりも、『千鳥』や『かまいたち』や『チョコレートプラネット』、『ニューヨーク』といった“第六世代や六•五世代”に該当する芸人たちの起用が増えています。第七世代の華やかな人気よりも、実力で勝負する時代に再びシフトチェンジしています。本来はそうあるべきですし、実際彼らの冠番組が続々とスタートしているのが現状。

 粗品の実力があれば十分に対抗できるはずですが、現在の出演番組が軒並み“低空飛行”のため、今後は制作側も彼の起用に慎重にならざるを得ない。今年は正念場を迎えるかもしれませんね」(前出・テレビ誌ライター)

 新婚、そして新年早々訪れたピンチ……。いろいろな意味で粗品の笑いに今年も目が離せない!