間宮祥太朗

 昨秋、カンテレ制作ドラマ枠を従来の火曜午後9時から月曜午後10時に移動させたフジテレビ。今春は、現在放送中の『突然ですが占ってもいいですか?』を枠移動。“水10”にドラマ枠が新設されることが明らかになった。

TV局がドラマ枠を増やす理由

「主演には間宮祥太朗さんが内定しているといいます。内容は学園ドラマとのことですが、『ハコヅメ』など好調な日テレ水10ドラマと真っ向勝負を挑むだけに、力を入れた作品になるのは間違いないでしょう」(フジテレビ関係者)

 プライムタイムのドラマ枠は4つと、フジは民放最多の連ドラが放送されることになるが、背景には“動画配信サービス”が関係している。

「コロナ禍で広告費が減少する中、おうち時間が増えたことで各局とも動画配信サービスの業績が好調です。配信ではバラエティーよりもドラマが視聴されやすい傾向があります。さらに続編や映画化が決定した際には過去の作品の視聴も伸びる。稼げるコンテンツのため、各局が改めてドラマに力を入れ始めていますね」(広告代理店関係者)

 ドラマ事情に詳しい、フリーライターの田幸和歌子さんもこう分析する。

「海外に売る、世界を意識する流れが各局で進んでいます。日本よりも海外で先に火がついた『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』のような例もありますし、TBSとNetflixはこれまでに共同でドラマを2本制作。全世界で配信しているだけに、ドラマ枠を増やすのは自然な流れかもしれません」

新人脚本家にチャンスを

 最近はバラエティーの印象が強いフジの“水10”だが、'90年代後半には『ショムニ』、'13年にドラマ枠が復活した際には堺雅人主演の『リーガルハイ』第2シーズンや『若者たち2014』など人気作品が放送されていた。しかし'16年に再びドラマから撤退した経緯がある。

「TBSが火曜、金曜、日曜劇場と枠ごとに特色を打ち出して成功。日テレも水曜に女性を主人公とした作品で成功している中、“月9”を恋愛モノから路線変更して復調しているフジテレビも枠ごとに特色を出し、定着させていきたいのでは」(田幸さん)

 フジテレビに水曜午後10時がドラマ枠になるのかを確認したが、

「編成の詳細はお答えしておりません」

 かつてはリアルタイムの世帯視聴率がヒットの指標だったが、現在は個人視聴率や動画配信での再生回数も重要視されているだけに、新たな試みが次々と始まっている。

「テレ東はYouTubeの公式チャンネルで、深夜帯ドラマをまるごとアップ。動画配信サイトのParaviでは地上波より1週早く見られるなど、ネットに力を入れています」(テレビ誌編集者)

妻夫木聡主演の『若者たち2014』も“水10”で放送された

 前出の田幸さんは、新設ドラマ枠に期待を寄せる。

「フジテレビが創設した『ヤングシナリオ大賞』からは錚々たる顔ぶれの脚本家が巣立っています。受賞者の野木亜紀子さんは『逃げ恥』などTBS、安達奈緒子さんは『おかえりモネ』などNHKでブレイク。他局に持っていかれています。新人脚本家が新しいチャレンジをする“冒険の枠”としてもいいのではないかと思います」

 ドラマ枠の増加でフジテレビ完全復活となるか!?