チョン・ジンス(ユ・アイン)とペ・ヨンジェ(パク・ジョンミン)Netflixシリーズ『地獄が呼んでいる』独占配信中

 怖いけどハマる、全世界1位を記録した韓ドラの大人イケメン2トップが熱い!『地獄が呼んでいる』魅力大解剖、 哀愁のカリスマ教祖vs妻子命の報道マン……あなたはどっち派?

カリスマ教祖と普通の報道マン

 昨年11月19日に配信がスタートし、瞬く間にNetflix全世界ランキング1位の視聴時間を記録した韓国ドラマ『地獄が呼んでいる』

 ソウルの街なかに突如、巨大な3体の怪物が現れ、男性を攻撃し焼き殺す―という衝撃的なシーンから始まる。殺される人間は事前に「天使」から死亡宣告の預言を受けていた。この怪奇現象を神の裁きだと主張し、勢力を拡大していく新興宗教「新真理会」。圧倒的なカリスマ性を放つこの団体の議長、チョン・ジンスをユ・アインが演じている。

 ドラマは全6話。前半と後半に分かれ、4話からは新真理会が世間の圧倒的支持を得た4年後が舞台となる。生まれたばかりのわが子が死を宣告されるテレビ・プロデューサーのペ・ヨンジェ(パク・ジョンミン)。彼が後半のキーパーソンだ。

 謎に包まれたカリスマ教祖ジンスと、わが子を救うために奮闘するヨンジェ。対照的な2人の魅力を、韓国エンタメに詳しいライター・新森実夏さんが徹底解説。あなたが惹かれるのはどっち?

◆チョン・ジンス(ユ・アイン)
《目の光もシャットアウト! 哀愁ダダ漏れ♪ 新興宗教の議長》

チョン・ジンス(ユ・アイン) Netflixシリーズ『地獄が呼んでいる』独占配信中

・誰をも惹きつける圧巻の表現力

「チョン・ジンス役には、ふと漏れ出る醜い内面を演じる表現力が必要だ。ユ・アインならうまく演じられると思った」今作の監督で、原作となったウェブ漫画『地獄』の共同執筆者(原作)でもあるヨン・サンホが語るとおり、圧倒的な吸引力で視聴者を引きつけ前半パートを牽引したユ・アイン。

 新森さんも「彼の演技力への評価はとても高い」と語る。

作品性を重視する芸術家肌タイプ。難役やクセの強い役柄を演じることが多いのですが、彼ならではのカリスマ性で魅力的に見せることができるんですよね。今作では、善人なのか悪人なのか、はたまた両方なのか。得体の知れない恐ろしさをたたえた演技が、カルト教団の教祖という人物像に見事ハマっていたと思います」(新森さん)

ユ・アインは“憑依型俳優”

・深い闇の瞳と沼のような声にゾク

「少しの光にも瞳が反射しないようにするために、目の大きさを研究した」と役作りについて語ったユ・アイン。まぶたを少し閉じぎみにして、終始視線は斜め下45度。ジンスの瞳は、ブラックホール級の深い闇だ。

 また新森さんは「声」にも注目。「素のユ・アインは少し粘度のあるフェロモン系のチャーミングな声。それが今作では感情が読めない、よどんだ沼のような声で演じていてゾクッときました。“憑依型俳優”と言われる理由がよくわかりますね」(新森さん)

・最後に投げつけられる入魂演技

 宙に浮いているような浮世離れした雰囲気を漂わせていたジンスだが、前半パートの終盤で一転、感情を爆発させて自身の過去を告白する。

このシーンは今作の大きな見どころだと思います。正義、悪、そして真の“地獄”とは。ユ・アインが入魂演技でドラマのテーマをガツンと投げつけてくるので、しかと受け止めてください!」(新森さん)。ジンスが誰にも言えずにずっと抱えてきた苦悩を思うと、よどんだ沼でもハマりたくなってしまう……。

Netflixシリーズ『地獄が呼んでいる』独占配信中

◆ペ・ヨンジェ(パク・ジョンミン)
《生まれたばかりのわが子に死の宣告が!妻子のために奮闘する報道マン》

ペ・ヨンジェ(パク・ジョンミン) Netflixシリーズ『地獄が呼んでいる』独占配信中

・修飾語は“次世代の演技の神”

 後半のキーパーソンとなるテレビ局のプロデューサー、ペ・ヨンジェを演じるのはパク・ジョンミン。「彼は映画や舞台を中心に活躍してきた演技派。2018年にイ・ビョンホンと共演した『それだけが、僕の世界』で、天才的なピアノの腕を持つサバン症候群の青年役を演じ、絶賛されました。徹底した役作りをすることで知られ、韓国では“次世代の演技の神”と呼ばれています。30代演技派俳優の代表格のひとりですね」(新森さん)。

 わが子への死の宣告を知り、もがきながらも奮闘するヨンジェ。カリスマではなく人間味を全開に、妻を支え天使の預言に抗う迫真の演技は必見。

パク・ジョンミンがやりたかった役

・原作漫画への愛があふれまくり

「愛するウェブ漫画がうまく映像化されてうれしく、その中に僕も一緒にいることができて幸せ」というパク・ジョンミンは、単行本に推薦の言葉を寄せるほどの原作ファン。

 ヨン・サンホ監督は「どの役でもいいから出演したいと彼から電話があった」と語っている。意外なことに、彼が当初やりたかった役は新真理会の信者集団「矢じり」の中心人物、イ・ドンウク。「とても魅力的に感じたので」とのことだが、この扮装だけでも見てみたいかも。

イ・ドンウク(キム・ドユン) Netflixシリーズ『地獄が呼んでいる』独占配信中

・“普通の一市民”が共感を呼ぶ

「後半、がらりと作品の雰囲気を変えたのは、パク・ジョンミンの力が大きいですね」と新森さん。「黙っていてもカリスマ性がダダ漏れのジンスとは対照的に、ヨンジェは家族を愛する普通の一市民。パク・ジョンミンはその心情を見事に演じて共感を呼びました」。今作では一緒のシーンがなかった2人。

「ユ・アインという俳優が大好きなファンの1人として僕も少し残念でした」と語ったパク・ジョンミン。ジンスとヨンジェが出会う世界を、つい妄想したくなる。

◆ほかにも魅力炸裂のキャラがザクザク!

・ミン・ヘジン(キム・ヒョンジュ)
 死の宣告を受けた人を守ろうと戦う弁護士。新真理会やその熱心な信者に立ち向かう。後半ではショートカット+アクションも。

ミン・ヘジン(キム・ヒョンジュ) Netflixシリーズ『地獄が呼んでいる』独占配信中

・チン・ギョンフン(ヤン・イクチュン)
 怪物による殺害事件を捜査する刑事。過去に妻を殺され、トラウマに。ひとり娘が新真理会の集会に参加していることを知り……。

チン・ギョンフン(ヤン・イクチュン) Netflixシリーズ『地獄が呼んでいる』独占配信中

・イ・ドンウク(キム・ドユン)
 新真理会の信者集団「矢じり」の中心人物。ライブ配信を行い、死を宣告された人を炎上させるなどネットユーザーを過激に扇動。