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「30歳までに結婚したい。相手の年収は2000万円以上で住まいは港区、中央区、渋谷区、品川区のかたがいい♪」
 
 とは、ある20代・港区女子に「結婚するならどんな人?」と質問をした結果だ。相手の居住区も限定する時代なのかーー。 

独身女子の“値踏み基準”

 独身研究家・荒川和久さんの記事に衝撃を受けた。荒川さんの研究によると「未婚の男女では、住む場所が全然違う」。同じ東京23区内でも、未婚男子と未婚女子の生息地がまったく違うのだ。

東京23区未婚の一人暮らし「男が多い区/女が多い区」出典:2015年国勢調査を元に独身研究家・荒川和久氏作成記事より

 記事中で荒川さんは“足立区男子と港区女子は出会えない”と力説する。真相を確かめるべく、各世代の港区独女に尋ねた。

「足立区のかたって基本的にお話しない層だから、わかりません」(前出・20代)

 経験値が足りないならば仕方ない。しかし……

「足立区も江戸川区も葛飾区も、東京のどのあたりなの?」(50代)

「上京してから一度も行ったことがない」(70代)

 なんと、上は70代までの港区女子が似たり寄ったりの感想。港区女子の脳内地図には足立区が載っていないのか? これでは荒川さんの言うように、足立区男子は港区女子と出会えない。というか、出会う気ないでしょ!

「例えばバブルの頃、独身女子が独身男子を値踏みする基準って“乗っている車”だったわけですよ。大体“年収の3倍”を目安にみんなが車を買っていたから、高級車であるBMWの3シリーズだの、ベンツ190だのに乗る男はわかりやすくモテた。いまはそれほど車に乗らないからそれでは判断できない。“どこに住んでいるか”が男子の重要なポイントになってくるんですよ」(荒川さん、以下同)

お金の使い方にも“差”が…

 だから冒頭のように家賃の高い“港区、中央区、渋谷区、品川区あたりに住む(たぶん)高収入男子”にモテが一極集中するワケだが……。

「いないですよね。表のとおり、全世代の独身男子が住む区は江戸川区、足立区、葛飾区の3区。いわゆる家賃の安いエリアです。“平均年収が30年もあがらないご時世で、低収入の独身男性が自分の収入の範囲内で住めるエリアを探そうとすれば、必然的に家賃の低い下町エリアなのです」

住めば都だと思うが……

 彼らの収入はおもに飲食に費やされるという。対して、独身女性側はというと……。

「独身女性は年代を問わず、家賃の高いエリアに住む。収入の多い・少ないにかかわらず、治安のよさそうなイメージや、聞購入してしまう傾向が男性こえのよさで住む地域を選ぶ傾向がありますね。そしてどうせ住むのであれば、賃貸ではなくマンションなど持ち家を購入する割合が高いのも独身女性の方です
 
 例えば“給料が手取り20万円だとしてもワンルーム6畳10万円もする港区に住みたい女子”は少なくない。なぜだか女は住所に見栄を張る。そしてそこに見合う(住所の)相手を探す。年代と共に上がる港区率を見て“生涯、現役の港区女子で居続けたい”気概を感じる。では、港区女子がシニアになったら?

「婚活中の港区シニア女性であれば、だいたい持ち家もあってリッチ。だから男性に対する注文は多いですよ」

 と、教えてくれたのは港区で長く結婚アドバイザーをするマダムいくこさんだ。

「離婚や死別などの場合、元夫の買ってくれた家がある。区内で生まれ育ったネイティブのかたは大体、セレブです。自分がお金に困っていないので、自分の年齢や見た目度外視で“若いイケメン”にこだわったり、相手に高収入を求める人も。もちろん港区内に若くてイケメンの高収入男性がいたら、みんな飛びつくでしょうね」(マダムいくこさん、以下同)

 ただし港区女子といえども、シニア婚活では基本的に“最後に寄り添える人”を探している。もしも65歳以上の港区女子が真剣に結婚したいなら、チャンスの多い足立区に行けばいいのだが……。ふたつの区の中間くらいには、なんなら上野や浅草といった繁華街もある。だが、たとえ2人が出会ったとしても、特に何も生まれないだろう。

 そもそも収入を飲食に費やす足立区男子と、家賃に費やす港区女子では経済的な価値観が違うのだ。住む世界が、というか、もはや世界線が違うのかもしれない。

「だから相手の住まいが23区内だったら手を打ちなさい、とアドバイスしています。と言っても、港区女子は港区は離れたくないでしょうし、生活レベルは落としたくないでしょうね」

 港区女子のプライドは老いてなお衰えず、その自己愛はいっそう強くなるのか。

「毎日優雅に過ごして、いい男といいゴハン食べて、可愛い犬飼ってヨガしてインスタして。芸能人とかイケてる社長たちとワイン飲んでちやほやされて食事するだけで感謝されて、1000円で帰れる距離でタクシー代1万円もらえる。港区女子はそんな世界を目指してます♪」

 そう語ってくれた20代女子よ。もし君が30歳までの結婚にこだわるのなら、港区女子をこじらせる前に“港区住み”の看板を下ろして、婚活に励むことをオススメします!