“鍋つゆの素”を徹底調査!

 長引く寒さとおうち時間の急増で今、鍋つゆの素が売れている。さっぱり、コクあり、和洋中と、どれも魅力的で迷ってしまう……。ならばとジャッジをお願いしたのは、今月2日に最終回を迎えた「NHKガッテン!」の料理チームのおふたり。

“鍋つゆの素”ランキング

 今回の評価ポイントは3つで、1つ目は期待裏切らない度。パッケージや商品名どおりの味を楽しめるかどうかが採点基準だ。

有名店の名前がついているものも多いので、その店の味を求める人や、『◯◯鍋』や『本格◯◯味』のようなうたい文句に惹かれて購入する人たちの期待を裏切らないことが大事だと思います

 2つ目はアレンジ力

鍋つゆの素はいろいろな具材に合う味なので、鍋以外の料理もおいしくしてくれる万能調味料という側面も。シニア2人暮らしとかだと一度に使いきれないことも多いので、残った鍋つゆを別の料理に使いやすいかどうかも採点しました

 3つ目は入手しやすい度。スーパーではあまり売っていない商品もあるので、入手難易度を編集部が調査した。

 では、鍋つゆの素ランキング、さっそくスタート!

【採点方法】2022年1月のある週の楽天市場売れ行き上位20品を採点。石川さん、おおつきさんに加え、編集スタッフ2名も消費者目線で参加。「期待裏切らない度」、「アレンジ度」は★1つにつき2点、「入手しやすい度」は★1つにつき1点で計算し、3つの合計点でランキングを作成。

第1位 ダイショー『CoCo壱番屋監修チーズカレー鍋スープ』/13.5点

《3〜4人前(750g)300円》

ダイショー『CoCo壱番屋監修チーズカレー鍋スープ』3〜4人前(750g)300円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★★★
アレンジ度 ★★★
入手しやすい度 ★と★半分

 1位は意外にもカレー鍋この味は鉄板のおいしさ!

「昔ながらのだしの効いた和風鍋を抑えてトップになったのは、意外にもカレー鍋! チーズのまろやかさが辛さを包み込んでいて、子どもからお年寄りまで、みんなが喜ぶ味。それでいてスパイス感もちゃんと残っているのはさすがのひと言。

 辛さを求める人はクミンパウダーや粉唐辛子で自分好みに調節しても。じゃがいもやさといもなど、ひとつの食材だけを煮てもおいしく仕上がる。

 カレーうどんのスープにもぴったりだし、焼いたお餅も合うはず」(石川さん&おおつきさん、以下同)

●アレンジするなら……残ったスープに揚げパンをつけて味わう

残ったスープに揚げパンをつけて味わう(撮影/山田智絵)

 揚げたバゲットを鍋スープに浸して、カレーフォンデュ風にシメても。極薄スライスの玉ねぎをのせて食べると、口当たりさっぱり。

第2位 久原『あごだし鍋【寄せ鍋】』/13点

《3〜4人前(800g)378円》

久原『あごだし鍋【寄せ鍋】』3〜4人前(800g)378円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★★と★半分
アレンジ度 ★★★
入手しやすい度 ★★

 みりんを使ってうまみアップさすが、老舗のワザ!

「あごだしなど、数種類のだしが入っているけれど、ちゃんとみりんを使っていることで魚のだしの生臭さを消していて、うまみの合わせ技が成功している。

 醤油蔵が出発点となっている福岡の老舗が作り上げた、しっかりとしたうまみが効いているので、豆腐だけでも十分おいしいはず。

 余計な甘さがなく素直な味なので、万能調味料としても優秀。茶碗蒸しや卵焼き、煮物、夏はそうめんなど活用の幅が広い」

●和風だしでスペイン風にご飯を炊き込んでも美味!

和風だしでスペイン風にご飯を炊き込んでも美味!(撮影/山田智絵)

 米2カップ、鍋つゆの素360ml、ミニトマト8個、ローズマリー1本、オリーブオイル大さじ3、さっと焼いた鶏手羽元2本を炊飯釜に入れて炊く。仕上げにオリーブオイルを回しかける。

第3位 モランボン『コク旨スープがからむ悪魔の肉鍋用スープ』/12.5点

《3〜4人前(750g)321円》

モランボン『コク旨スープがからむ悪魔の肉鍋用スープ』3〜4人前(750g)321円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★★★
アレンジ度 ★★
入手しやすい度 ★★と★半分

 ネーミングにちょっと引くも食べたら驚きのコク・香り・辛み。

「ラードのこってり感はあるけれど強いコクがあり、こしょうの辛みやマー油の香りで風味の広がりが感じられて独特の味が楽しめる。

 コクが強いスープはトマトの酸味とも好相性なので、きのこやパスタと一緒に煮込んで洋風でシメれば、トマトのグルタミン酸ときのこのグアニル酸でうまみの相乗効果も。

 自分でここまでのコクを出すのは至難の技なので、カレーなどに余ったスープをちょい足しするのもアリ」

●まろやかさがクセになる“悪魔のリゾット”

まろやかさがクセになる“悪魔のリゾット”(撮影/山田智絵)

 鍋にお茶碗1杯分のご飯、しめじ40g、しいたけ2個、悪魔の肉鍋用スープ180ml、牛乳大さじ2を入れて加熱し、きのこが煮えたらでき上がり。仕上げに粉チーズ、パセリ、オリーブオイルをかける。

第4位 イチビキ『ストレート赤から鍋スープ三番』/11点

《3〜4人前(750g)432円》

イチビキ『ストレート赤から鍋スープ三番』3〜4人前(750g)432円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★★と★半分
アレンジ度 ★★
入手しやすい度 ★★

 家庭料理では出せない赤味噌のうまみ×唐辛子の辛さ。

「名古屋発のピリ辛の赤味噌鍋の名店『赤から』ファンにはうれしい再現度。思わずやみつきになる赤味噌のうまみ×唐辛子の辛さは、家庭では作れない味。

 辛さだけでなく甘味噌の風味も感じられるので、幅広い層に受け入れられやすい味に。コーンやシーフードミックス、鍋用の薄いお餅を入れてもおいしそう」

●あまったつゆで煮魚。甘辛さが絶妙!

あまったつゆで煮魚。甘辛さが絶妙!(撮影/山田智絵)

 辛さだけでなく甘みもある鍋スープなので、イワシやサバなどの青魚とも相性抜群。赤から鍋スープで煮るだけで、おいしい煮魚に。

【便利ワザ】一度に使いきれないときは冷凍!

 3〜4人前のストレートパウチは、一度に使いきれないからと敬遠してしまう人も。そんなときは製氷皿で冷凍してキューブ状にしておけば、使いたい量だけ使えて便利!

一度に使いきれないときは冷凍!(撮影/山田智絵)

第5位 エバラ『プチッと鍋 キムチ鍋』/9点

《1人分×6個(138g)257円》

エバラ『プチッと鍋 キムチ鍋』1人分×6個(138g)257円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★★
アレンジ度 ★
入手しやすい度 ★★★

 ド定番のキムチ鍋は一年中使える万能調味料。

「万人受けする味のキムチ鍋の素。酸味がありつつ辛さが残り、どんな具材もおいしく食べられる。

 1人分ずつの小分けになっているのでひとり鍋に最適。鍋以外にも、白菜やきゅうりを漬け込めば簡単キムチに。

 ゆでたもやしや、しらすをあえてもいいし、夏までとっておいても十分使えるはず」

●即席の浅漬けキムチはおつまみにもピッタリ!

即席の浅漬けキムチはおつまみにもピッタリ!(撮影/山田智絵)

 味がしみやすいように手で裂いた白菜を軽く塩もみして、水けを絞る。プチッと鍋 キムチ鍋と一緒に保存袋に入れてもみ込んで、冷蔵庫でしばらくおいたら完成。仕上げにごま油をかけても。

第6位 寿がきや『岐阜タンメン監修 塩タンメン鍋つゆ』/8.5点

《3〜4人前(750g)432円》

寿がきや『岐阜タンメン監修 塩タンメン鍋つゆ』3〜4人前(750g)432円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★★
アレンジ度 ★と★半分
入手しやすい度 ★と★半分

 ニンニク効いた鍋つゆはまるでラーメンスープ。

「豚肉や野菜のうまみとニンニクを利かせた塩スープが特徴の岐阜タンメン。しょうゆを使わずに、これだけのうまみを出しているのはさすが。

 鍋を作るというよりタンメンを作る感覚で使ってもいいかも。土日のランチやお子さんの夜食にも◯。

 鍋以外でも、余り野菜や冷凍野菜などを入れるだけでコクとうまみたっぷりのポトフに」

第7位 トリゼンフーズ『博多華味鳥 水たきスープ』/8点

《2〜3人前(600g)432円》

トリゼンフーズ『博多華味鳥 水たきスープ』2〜3人前(600g)432円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★★
アレンジ度 ★と★半分
入手しやすい度 ★

 家では絶対できない手間暇かけられた職人ワザ。

「白濁スープは油と水を攪拌させて乳化させるなど、とにかく時間と手間がかかるだけに、丁寧に作られた職人のスープという感じ。

 塩分がほとんど入っていないので、スープまで全部飲める。にゅうめんを作ってもおいしいはず。

 スーパーなどにあまり置いていない場合もあり、入手しづらいことを差し引いてもかなりの優れもの」

●チョコレートを使ったメキシコ料理にも

 鍋に水たきスープ180ml、カカオ70〜80%のビターチョコレート25gを入れて加熱し、チョコレートを溶かす。そこにさっと焼いた鶏肉を入れて煮込む。深みのある味わいが楽しめるメキシコ料理の鶏肉チョコレート煮。

チョコレートを使ったメキシコ料理にもアレンジ!(撮影/山田智絵)

第8位 モランボン『コク旨スープがからむ牛テール白湯鍋用スープ』/7.5点

《3〜4人前(750g)321円》

モランボン『コク旨スープがからむ牛テール白湯鍋用スープ』3〜4人前(750g)321円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★★
アレンジ度 ★
入手しやすい度 ★と★半分

 名前にたがわぬコクで牛だし系唯一のランクイン。

「焼き肉店や韓国料理店でおなじみの牛テール鍋。あの味を食べたい人の期待を裏切らない商品。にんにくとしょうがで煮込まれていて臭みはなく、牛のうまみや風味が出ているので、肉を入れず野菜だけでも十分。辛いものや豆乳との相性もいいはず」

スナップエンドウやトマトも意外に合う(撮影/山田智絵)

【便利ワザ】生野菜をトッピングして最後まで楽しむ!

 鍋は同じ味が続くので、香菜、クレソン、カイワレ、セロリ、スライス玉ねぎなど、生でも食べられる“のせ野菜”を用意しておくと便利。取り皿に後からちょいのせすることで、フレッシュな食感や香りをプラス。ゆで卵はまろやかになる。

生野菜をトッピングして最後まで楽しむ!(撮影/山田智絵)

第9位 モランボン『コク旨スープがからむねぎ塩鍋用スープ』/5.5点

《3〜4人前(750g)321円》

モランボン『コク旨スープがからむねぎ塩鍋用スープ』3〜4人前(750g)321円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★
アレンジ度 ★
入手しやすい度 ★と★半分

 キレのある塩味は甘いのが苦手な人向け。

「こしょうの刺激を求める人にオススメ。子どもにはちょっと辛いが、豚肉でねぎをくるんで食べるだけでもおいしいし、ミニトマトやスナップエンドウも意外に合う」

第10位 ダイショー『博多もつ鍋スープしょうゆ味』/3.5点

《3〜4人前(750g)321円》

ダイショー『博多もつ鍋スープしょうゆ味』3〜4人前(750g)321円(撮影/山田智絵)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

期待を裏切らない度 ★半分
アレンジ度 ★半分
入手しやすい度 ★と★半分

 強い甘みを生かしてきつねうどん風鍋に。

「しょうゆ味は家庭でも作れそうだけど、意外と味が決まらない。そういうときに便利かも。少し薄めておでんのつゆにも転用できそう。甘みが強いので、長ネギや油揚げなどを入れてきつねうどん風の鍋にしてもおいしいはず」

残念ながらランク外になった鍋つゆの素

・トリゼンフーズ 博多華味鳥 もつ鍋スープ 醤油

「複雑な味で完成度が高い。イノシシなど、クセのある肉にも合いそう」

・ダイショー 地鶏だしちゃんこ鍋スープ 醤油味

「地鶏だしというわりに地鶏感が薄く、むしろかつお節が強いので、商品名とのギャップが」

・ダイショー CoCo壱番屋監修 カレー鍋スープ

「最初に甘みがくるが最後にスパイスを強く感じるので、スパイシー好きにはいいかも」

・ミツカン 〆まで美味しい 焼あごだし鍋つゆ

「複数のだしを組み合わせた合わせ技が裏目に出て、味のバランスがやや悪い印象」

・ミツカン 〆まで美味しい ごま豆乳鍋つゆ

「味が決まってはいるが、ややくどいので最後まで食べると飽きそう」

・モランボン 菜の匠 白菜鍋用スープ鶏がら白湯しお味

「白菜鍋というよりちゃんぽんのスープに近い。牛乳やベーコンを入れてシチューっぽくしても」

・モランボン 菜の匠 スタミナきゃべつ鍋用スープ にんにく味噌味

「スタミナというほどの主張はなく、ガツンとした味を求める人には少し物足りない」

・イチビキ ストレート鬼鍋 コク旨焦がし醤油鍋スープ

「ラーメンスープ風なので、ラーメン好きにはいいが、万人受けはしない」

・イチビキ 赤から鍋スティック

「辛みたれ別添えで自分好みの辛さにアレンジしやすい。赤からファンにはオススメ」

・味の素 鍋キューブ(R) 鶏だし・うま塩

「うまみ調味料に慣れ親しんできた人には使いやすい商品」

実食を終えて……

実食を終えて評価中(撮影/山田智絵)

家庭では出せないコクや深みのある味や、鍋以外にもアレンジの効く万能感のある商品が上位にきた印象。

 お店やメーカーのこだわりの中に、料理人目線がちゃんとあるからこそ、家庭の鍋をランクアップさせてくれる味方に。

 これまで鍋つゆを使っていなかった人も、同じものばかりで冒険できなかった人も、もっと自由に鍋つゆの素を活用すれば、手軽に料理の幅やおいしさが広がりますよ

元NHKガッテン料理チームがガチで実食!

おおつきちひろさん●NHK『ガッテン!』に何度も出演している料理研究家。レストラン「サンイシドロ」のオーナーシェフで料理教室も主宰。食材を生かした料理人目線でのメニュー開発にも定評が。

石川範子さん●NHK『ガッテン!』で食専門ディレクターを23年にわたり務め上げた料理班長。食材の魅力を最大限に引き出すべく、日々実験を繰り返し、数々のヒット回を生みだしてきた。

(取材・文/渡邉朋子)