川栄李奈と本郷奏多

 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で3代目ヒロイン・大月ひなたを演じる川栄李奈、そして恋のお相手となる大部屋俳優・五十嵐文四郎を演じる本郷奏多。親子3世代で紡ぐ100年の物語もいよいよ佳境へーー。2人に、撮影現場の様子から、気になる恋の行方までを直撃!

川栄「現場はすごく穏やかな雰囲気です。私がすごく緊張して戸惑っていたりすると、深津(絵里)さんがいつも声をかけてくださるんです。“いまのやりづらかったよね”とか緊張を和らげる空気感をつくってくださったりしていつも助けてもらっています。オダギリジョーさんは普段も役のお父ちゃんのまんま。本当に優しいです」

本郷「僕は時代劇のパートで虚無蔵役の松重豊さんとご一緒させていただくことが多いです。殺陣だったり切られ役のアクションだったり一緒に練習させていただいているのですが、やることが多くて本当に大変。

 でも、川栄さんはヒロインでさらに負担が大きいのに、その感じを一切出さないで現場にたたずんでいるのを見て、すごいなっていつも思っていて

川栄「えーっ、本当に?」

本郷「本当、めっちゃ尊敬していますよ。僕だったら眠たそうな顔をして“頑張らなきゃ”とか言いながらやっちゃう(笑)。それこそ方言や英語とか覚えることたくさんなのに努力を見せない姿がすごく素敵だなって。いつもその背中を拝見させていただいています」

“終わらないのかよ!”ってキレた思い出が(笑)

―役と自分が似ている部分や共通点は?

川栄「オーディションのときからこのひなたという役が本当に演じやすかったんです。勉強ができなくて、英語も長続きせず途中で挫折したり、ちょっとあっけらかんとした感じがすごく自分に似ているんです。だから、すごく演じやすくて毎日が楽しいですね」

川栄李奈

本郷「五十嵐は変わり者ですが、僕も変わっているねってほぼ100%の人に言われますね」

川栄「確かに、全部が変わってます(笑)」

本郷「えっ、悪口!?」

川栄「いや、いい意味でですよ。知れば知るほど好きになるというか、面白いのを隠している感じがあるんです」

本郷「でも、確かに川栄さんが僕のことを下に見ているなって瞬間があって(笑)。

 僕が野球の衣装でボールを投げるシーンがあったんです。それで、いざ投げるってなったとき、川栄さんが“おまえできるの?”みたいな感じでニヤニヤしながら見てて、それがプレッシャーになり変なところに投げちゃったんです。そうしたらひとりで爆笑してて。ちょっとあれは(笑)

川栄「(笑)。なんか不思議な面白さがあるんです。それをもっとみんなにさらけ出してほしい」

劇中に“ノストラダムスの大予言”

―安子(上白石萌音)、るい(深津)と受け継がれた物語もついにひなたでラストに。

川栄「安子さんの時代は戦争があったりと、女性が強く芯を持って生きていかなければならないという印象でしたが、ひなたの時代はすごく自由でのびのびと暮らしている。でも、それができるのはおばあちゃんやお母さんがそういう大変な目にあったりしてもバトンをつないでくれたから。そういった親子の絆を改めて感じました」

本郷「ひなたさんはそういう血のつながりがありますが、僕の役はそういう先祖のストーリーはないので、そこは意識せず演じています。ただ、ひなたという人間がそうやって形成されているんだというのがしっかり理解できて、本来、五十嵐は知らない部分なんですが、それを大切にしながら芝居を組み立てています」

本郷奏多

川栄「今回のメイクさんがまさにひなたと同じ世代なんです。なので、シーンが変わるごとに“こういうことが昔あったのよ”とか話していただいたり。それこそ劇中でノストラダムスの大予言が出てくるんですが、話題になったのよとか教えていただいて」

本郷「そういえば、ノストラダムスの大予言といえば小学校のときにみんなで話題にしていました」

川栄「覚えているんですか?」

本郷1999年に地球が終わると言われていて、じゃあそれまでにお小遣いを使い切ろうって全部使っちゃったんです。そしたら何も起きなくて“終わらないのかよ!”ってキレた思い出があります(笑)

ひなたのここが恋のポイント

川栄「安子さんとるいさんは私が見ていてもキュンキュンするシーンがたくさん。でもひなたと五十嵐は、キュンというよりも若々しいというか、わりと現代の方に近い恋愛かなというふうに感じました。

 ただ、安子さんとるいさんと同じく、夏祭りのシーンがあるので、そこはキュンとしますし、3世代のつながりを感じるようなシーンになっているので、見どころだと思います」

五十嵐のここが恋のポイント

本郷「安子さんやるいさんは古きよき日本女性という感じでしたが、ひなたは前に前に出てくるので、そういったヒロインの違いは楽しめると思います。

 五十嵐も稔さん(松村北斗)みたいな好青年だったり、錠一郎さんのような不思議な魅力がある感じとかともまた違い、不器用でいちばん子どもっぽい男の子。ヒロインだけではなく相手役も全然違うキャラなので、この2人の掛け合いを楽しんでもらえたらと思います」

連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合 月曜~土曜 朝8時ほか)

〈ヘアメイク/伏屋陽子(ESPER)(川栄)、高橋幸一(Nestation)(本郷) 
スタイリスト/高橋美咲(川栄)、川地大介(本郷) 衣装協力/トッズ、プリュイ(川栄)、クロ(本郷)〉