「CYCLOPSathletegaming(CAG)」に所属するAyagator氏

 プロeスポーツチーム『CYCLOPS athlete gaming(CAG)』に所属していた女性プロゲーマー・たぬかなが、「身長170cm以下の男性には人権ない」などと差別発言したことで大炎上。同チームから2月17日付けで契約解除になった問題が一向に鎮火しない。

炎上し続けるプロゲーマー界

 同じチームに所属する別のゲーマー兼マネージャーKbaton(コバトン)についても、2016~17年にTwitter上で障がい者や同性愛者への差別的な暴言を連発していたことがネット上で拡散され、チームを運営する『ブロードメディアeスポーツ』は同選手についても2月18日付けで契約解除したとチームの公式サイトで発表した。

 たぬかなが炎上したときも、「俺の所属チームで草」「こんな大事になるとは思わんかったわw」と他人事のようにツイートしていたが、自身の暴言が次々と告発されると17日までにアカウントごと削除していた。

 さらにネット上では、同じチーム所属のAyagator(アヤゲーター)の過去の暴言ツイートが問題視され、非難の的になっている。同選手もKbaton同様、2018年に障がい者や同性愛者などへの差別的な暴言を多数ツイート。

 また彼から見て理解度が低いと感じられたTwitterユーザーに対しては、

「お前TL流れてくんの目障りだわゴキブリかよ害虫潰すぞ」
「クソ雑魚日本語覚えてからツイッター始めろや」

 などとも投稿していた。

 ネット上では、Kbaton以上に激しい差別的暴言を発していたAyagatorに、「たぬかな、コバトンが契約解除ならアヤゲーターも同じ処分じゃないとおかしい」との声があがっている。

『ブロードメディアeスポーツ』はたぬかなを契約解除する際、

《当社は、いかなる差別的・侮辱的な行為や言動・SNS等での発言も許されるものではないと認識しており、すべての人にとっての多様性を大切にしております》

 と公式サイトで発表している。

所属先がAyagatorについて出した回答

 ではAyagatorについてはどのような処分を考えているのか。同社に問い合わせると、窓口担当者から以下のような回答があった。

――過去にあった過激なTwitterでの発言について何らかの処分をする予定はあるのか。

ご覧になられている発言に関しましては、チームに所属する前の発言になっておりますので、現状、本人に対しては厳重注意を行っているところであります

――厳重注意ということは契約解除することはない?

私が聞いている範囲では、厳重注意するということまでとなっております

――選手にはどのような形でお話しをされたのでしょうか。

監督から選手個人個人に直接連絡いたしました

 現時点では厳重注意に留めるとのことだが、ネット上での炎上は収まりそうにない。

 同選手はネット上で過去の暴言ツイートのスクリーンショットが拡散されはじめた頃から、急いで該当するツイートを削除しているが、後の祭り状態だ。

 プロゲーマーによる差別的発言が次々と明るみになった背景にはこんな理由があるとゲーム誌ライターは言う。

もともとプロゲーマー達の間では、未熟なプレイヤーを障がい者や同性愛者に例え揶揄するスラングが横行してきました。

 最初に炎上したたぬかなさんが使った“人権”も、必須レベルの強いキャラクター・武器などを意味するものです。

 それを持っていないと“お前、人権ないな”と普通に使ってしまう。こうしたゲーマー間でのスラングがそもそも問題だということをより認識するべきだったのではないでしょうか

 今後の進退に注目集まるAyagatorは過去のインタビューで「プロゲーマーとして努力していることってありますか?」という問いに対しこんなことを語っている。

《プロゲーマーって、ゲームが上手いだけでは周囲から信用されないと思うんですよ。
だから、人間性の面でも信用される人間でありたいです》

 今では子どもが憧れる職業となったeスポーツのプロゲーマー。そんな子どもたちの模範となる姿を見せられるよう、ゲームの腕を磨く前に、学ばなければいけないことがあるのではないだろうか。ゲームのように簡単にリセットとはいかないのだから。