佐藤浩市

「作品は見るけど、アドバイスはしません。まだ一人前ではない」

 息子に対する痛烈な“愛のムチ”を打った、佐藤浩市。

「佐藤さんは2月18日に公開した短編映画『IMPERIAL 大阪堂島出入橋』に出演。舞台挨拶で撮影の裏話を語ったほか、スポーツ紙ではフジテレビ系のドラマ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』に出演中の息子・寛一郎さんに言及して話題を呼びました」(映画誌ライター)

 幼少期から父に連れられ映画の現場を見て育った寛一郎は、18歳のころ俳優を志し、'17年にデビューを果たした。

「デビュー後は次々と映画賞の新人部門を獲得し、ドラマ『ゴシップ』では物語の序盤から素性のわからない謎の男性役を好演しています」(テレビ誌ライター)

寛一郎

佐藤浩一、父・三國連太郎との“険悪”

 活躍の幅を広げる寛一郎だが、冒頭のように父からの評価は厳しい。“佐藤浩市”“父”の文字が並んで頭に浮かぶのは、'13年に亡くなった名優・三國連太郎さんの影。

三國さんは佐藤さんが小学5年生のころに家を出ており、彼のデビュー後も確執が報じられてきました。'96年の映画『美味しんぼ』では共演を果たしましたが、会見で互いの意見がぶつかる場面があり、険悪なムードになった話も有名です」(前出・映画誌ライター)

 複雑な家庭環境もあり、水と油の関係だった2人。佐藤の若手時代には、こんな話も。

“三國さんの息子”という扱いに納得できなかった時期もありました。三國さんに“自分について何も言わないでくれ”と当たることもあったとか」(芸能プロ関係者)

 穏やかとは言い難い関係に思えたが、当事者には違う側面もあったようで……。

佐藤さんからしたら“不仲”ではないみたい。昔は家で食事を共にするのも苦痛だと話していましたが、いがみ合っていたわけではなく、距離ができていただけ。お父さんの職業には理解を示していたんですね」(同・芸能プロ関係者)

 佐藤本人も、『文藝春秋』'19年5月号のインタビューでこう語っている。

《父親イコール役者で何が悪いのか、と思っていますよ。僕にとっては役者・三國連太郎が父親であるし、父親・三國連太郎というのは役者なんです》

 寛一郎にとっても、佐藤は父であり役者。俳優の父と息子、両方の気持ちがわかる立場として、こんな感情も。

三國さんにも、寛一郎くんの活躍を見てほしかったそうですよ。彼が生まれて雪解けした部分もあったみたい。“愛情を受けて育った寛一郎に役者は難しいかもな……”と漏らすこともあったけど、今では認めているようで、なるべく口出しは避けていると聞きます」(佐藤の知人)

 '20年11月28日に放送された『A-Studio+』(TBS系)では「同じ仕事をしていることで互いにわかるものもある」と語った佐藤。3代にわたって続く役者の系譜は、複雑ながらも固い絆で紡がれていた。