※イラストはイメージです

『ポニーテール禁止』がブラック校則だとして物議を醸している。

ポニーテール禁止の理由が男子の欲情制止、批判多数

 ことの発端は3月7日に配信された南日本新聞の記事だ。鹿児島市の女子生徒が中学時代、校則でポニーテールが禁止されているのはなぜかと担任の女性教員に尋ねたところ、「男子がうなじに興奮するから」と答えられたという。

 これに対しネット上では、

《ポニテ禁止の理由がうなじに興奮するからって理由?年頃の男の子のなんて女の子自体に興奮するでしょ。なら女の子禁止しなきゃね(笑)》

《男の興奮を抑えるために、女子側に規則を与える……立派なセクハラ行為だよね》

《理由が男子生徒が興奮するというけど、男子生徒やなくてオッサンの先生が興奮するのまちがいでしょ》

 と理不尽な校則への批判が相次ぎ、『ポニーテール』、『ポニテ禁止』がトレンド入りした。

 なかには「振り向いて髪が当たったら危ないから」という理由ではないかとの声もあったが、男子の欲情を抑えるためだとしたら、いささか疑問とも思える。校則について都内在住の教員(50代)はこう話す。

「これまでにも校則に対する物議はありました。男子の髪型について、丸刈りにすることを強制的に定めた『丸刈り校則』が有名です。80年代には日本全国の3分の1の中学校が実施していました。

 “清潔感”という理由だけでなく、“歴史と伝統”、“自分たちも我慢したから”と丸刈りを強制している学校もあったようです

 校則に対する批判はこれだけではない。

 今月1日、とある男子高校生が人生で初めて緊急搬送された日に“頭髪検査を受けないと卒業式には出席させられない”と登校を強制させられたとのツイートが話題になった。

 男子高校生は卒業式の予行に向かう通学の電車内で、神経の突発的な異常で意識を失ったという。同乗した女性に助けられ、駅員に救急車を呼んでもらい病院で措置を受け、安静にするように診断された。だが、学校側から「頭髪検査がしたいので今すぐ登校してください」と連絡があったそうだ。

 何度も事情を説明して「今日は学校に行けない旨」を伝えたが、学校は「学校に来て頭髪検査を受けないと卒業式に出席できない」の一点張りだったそうで、救急搬送されたその日に頭髪検査をするためだけに学校に行ったという。

 男子高校生は教育委員会、文部科学省などに連絡したが「私立は独自の教育方針を持っているため学校側が判断をすることでこちらでは何もできない」と言われたそうだ。

 髪型に対する学校側の考え方はどのようなものだったのだろうか。

「制服のスカート強制はいいの?」の声

 さらに、ポニーテール禁止に対しては、女性からの反発で別の議論にも発展。

《男子が興奮するからポニーテール禁止なのに、スカートをズボンにするのはダメなの?》

《変態基準で校則を考えるなら、色付き下着やポニテ禁止よりもスカートを廃止すべきなのに、なぜか女子のスカートがズボンになるのは消極的な学校》

《ポニテ禁止のツイート見たけど生脚にスカートのほうがよっぽど危ねえよ》

 “スカート強制”への反対意見には、性的に見られないためだけではなく、寒さや冷えを訴えるものも多かった。

 靴下が指定されていたり、防寒性があるタイツが禁止されている場合も多く、真冬の寒さでも素足が露出したままで耐えなければならない。

 最近では新型コロナウイルスの蔓延を防止するために、季節を問わず教室の窓を開ける感染対策がなされている。換気するたびに下がる室温の影響で、身体の冷えから体調を崩すなど、ますます女子生徒には辛い環境になっているのではないか。

 ジェンダーレスが叫ばれる昨今、青山学院中等部・高等部や慶応義塾中等部などで、女子生徒の制服について、スカートとズボンの選択制が導入された。

 実際、ズボンを着用した女子生徒からは「本当に暖かい」と喜びの声が上がっている。それでも選択制を導入している学校はまだまだ少数派だ。

 時代に見合わない理不尽な校則がいまだはびこる学校は多いが、生徒側の理に適った意見にはもっと耳を傾けるべきかもしれない。